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日記 No.39 映画感想(アルピニスト、STAND BY ME)

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北海道らしい。いい。

日記

明日のスパイダーバースが楽しみ過ぎてそれまでに観た分の感想書き終わろうと思ったけど楽しみ過ぎて手につかないので諦め。いいんだ。ゆるくいく。

アルピニスト

若き天才登山家に密着したドキュメンタリー。SNS全盛の今の時代に自らの名を吹聴せず驕らず騙らずただ山に登る。そんな若者がいた。名をマーク・アンドレ・ルクレール。危うさすら感じるその純粋さは本物だけが持つ美しさなのかネジが外れてしまった死を厭えないおかしさなのか。

結論から言うと彼はすでに死んでいる。アラスカでの登山を終え下山をしている途中で雪崩にあい行方知れずになったと状況からは推察されている。
なのでドキュメンタリーでありながら追悼録のようなものだ。彼の生きた証のひとつ。偉業の数々を讃える作品。そして何を考えるどんな人物だったのか、周りの人物にどう思われていたのか、彼の人となりを知るための作品。

結果的に短い人生だったとはいえ、死ぬまで生きるか、活きるために生きるか、彼は後者を選んだに過ぎないのだろう。いざ眼前に死が迫った時に何を思ったのか本当のところはわからないが、普段自分がやっていることを理解していないとは思えない。いつも身近にあった存在が、その日はたまたま肩を抱きにきた。その覚悟はあったと思う。

たしかに少し浮世離れしているようには見えるが、彼が多くの人に愛されているのを見るに、人と離れているわけではなさそうだ。社会とは離れていたかも知れない。それが悪いことだとは思わない。安定した人生がその人にとって最高の人生であるとは限らない。生を選べない人が今の世界にはいるし、多くの人が選べなかった時代もあったけど、じゃあ現代で生を選べる人達が生にしがみつかなければならないとかと言われるとそれは違う。選択肢が少ないか多いか、それだけのことだと思う。どんな形であっても自分で選んだと確信を持って言えるなら素晴らしい人生だろう。だからこそ死を悼み涙を流すほど愛してくれる存在に出会うことが出来ていたのだろう。

STAND BY ME

線路上を歩く4人の子供。そのビジュアルを知らない人はなかなかいないだろう。子供時代、たしかにあった友情。早く大人になりたい鬱屈さがありながら、毎日が楽しい冒険で彩られている、そんな日々。ド田舎でいつもつるんでいる少年4人、そのうちの一人がある日、町の不良が死体を見つけたと話しているのを盗み聞く。数日前からニュースになっている行方不明になった子供の死体だ。不良は盗んだ車に乗って見つけた手前、警察には報告できずに帰ってきていた。これはチャンスだ。第一発見者になれば新聞に載ってテレビに映って町のヒーローになるかも知れない。そう考えた少年たちの小さな冒険。幅を聞かせる町の不良どもも、うるさい大人も、家のしがらみもない、子供だけの大きな冒険。

有名過ぎる作品だが本当に初めて観た。エンディング曲でもあるStand by meはバラエティ番組なんかで死ぬほど聞いてたのでなんか古い良い曲なんだなくらいの認識だったが、この映画のエンディングとして聞くと死ぬほど良い曲で感動した。本当にビックリするくらい良かった。ゴーディとクリスの友情に胸を打たれまくった。ジュニアハイスクール以降、一緒に連むことは無くなったみたいだったが、思い出と共に精神的な繋がりがずっと胸の中で光り輝いて傍にいたんだなってのが染み過ぎて……。

きっと大人になった時にふいに出会って酒の一杯でも飲めば、昔と変わらない仲の良さで、でも大人になったことで変わったそれぞれの立場で少し探り合いながら、それでもお互いがかけがえの無い友人として話ができただろうに、その日は、二度と来ない。せ、せつねぇ〜〜〜……。

ある意味では激突を観た時に思ったことと近い思いはあった。現代の作劇と比べると話自体は特別エキサイティングではないしエンターテイメントではない。でもだからこそ不変的な良さを感じ続けられる作品なのだろう。不良も含めて子供達の子供時点で形成されている価値観や愛情表現や世界の見え方をあまりに巧みに描いている。長年に渡って名作って呼ばれるものって本当に名作なんだな……と改めて思わされた。

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