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紅だぁあああーーー! カラオケ行こ!【映画感想文】


映画情報

公開日
2024年1月12日
原作
カラオケ行こ! 著者:和山やま
キャスト
綾野 剛、齋藤 潤、etc…
監督
山下敦弘
脚本
野木亜紀子

KADOKAWA公式

あらすじ

合唱部部長の岡聡実(おかさとみ)はヤクザの成田狂児(なりたきょうじ)に突然カラオケに誘われ、歌のレッスンを頼まれる。組のカラオケ大会で最下位になった者に待ち受ける“恐怖”を回避するため、何が何でも上達しなければならないというのだ。狂児の勝負曲はX JAPANの「紅」。聡実は、狂児に嫌々ながらも歌唱指導を行うのだが、いつしかふたりの関係には変化が・・・。聡実の運命や如何に?そして狂児は最下位を免れることができるのか?

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感想

本noteはネタバレを含むが、未視聴ならばまずは予告を観て欲しい。

この予告を観て期待した通りのものが観れる。100点。
原作は漫画である。テイストは概ね同じだが湿度が違う。良い。

ちなみに続編が出ている。

もう伝えるべきことは伝え終わった。気になった人は漫画を読んで映画を観よう。
ここからは私の蛇足な感想である。

めっちゃ良かった。本当に完璧に期待通りのものを観れた。映画館を出るときもお客さん達が口々にあそこが良かった、ここが良かったと話しているのが聞こえたし、ここは違ったね、こう変えてたねと原作愛が伝わる感想も聞こえてきてほっこりした。

変更点の一例を出すなら、映画だと狂児は偶然合唱コンクール会場に居合わせた感じだが、漫画ではもっと堂々と聞きに行っている。他にも随所でヤクザという存在をもう少し現実に寄せたように社会から離しているように見えた。まぁ校門の前で出待ちはしてるんですけど。それでもそれらの変更点は気になるほどでは全くなかったし、原作を一切損ねない出来だったと断言できると思う。というかむしろ私はもう一度原作を読み直したし、原作読んだ後もう一回映画観たいなと思ったくらい良かった。

最初は狂児が思ったよりネットリしてんな!と思ったけど全然慣れる。聡実君がバサバサいく分、あのくらいウザ絡みっぽさがあった方が実写だと似合うなと思えた。漫画は関西弁のテンポ感もありサクサクと進む部分もあるのだがちゃんとそのあたりのやり取りを実写にするうえで馴染みやすいように演技と脚本の間が加えられていて素晴らしかった。

あとはもうなにより「紅」ですよ。狂児の熱唱も面白いしいやなんなら一般レベルなら上手くね?となるけど、それ以上に原作を読んでいるなら期待値が天元突破してしまう最後の合唱コンクールとスナックで被るタイトルコールからの聡実君の熱唱。もう少年漫画じゃん。日アサじゃん。激熱展開ですよ。聡実君の青さが込められた紅を聞き、物語が終り、余韻に浸りながら聞くエンディングの「紅」。お見事。これが……聴きたかったんです……。もはやリラクゼーションやで……。

音楽をメインに据えた作品は劇場で観ると何倍も良いものだが、この作品もまた期待に外れず良かった。原作に漂う空気感を尊重しながら大衆向けに作りかえつつ、音が追加される分のエンタメ強度の向上を主題に大きく沿えて見事に使いこなしていた。グッドでした。オススメします。

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