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【雑感想】ディパーテッド、ゲ謎、屋根裏のラジャー

 観てから時間が経ってしまったので記録用にザックリと感想を書いていく。ネタバレ注意。


ディパーテッド(Netflix)

 仲間に情報を流すため警官になったギャングと潜入捜査のためギャングになった警官、二人の男とそれぞれの組織の思惑は交錯し掻き乱されていく。誰を信じたらいい、どれだけ信じたらいい、どうなれば終わりになる。やがて悲劇の引き金に指がかかる。

 マーティン・スコセッシ監督は舞台設定が抜群に上手い。なおかつ役者の魅力を最大限に引き出す。レオナルド・ディカプリオは苦悶の表情が似合うし、マット・デイモンは飄々としているようで焦燥を感じさせる顔が似合う。ちょっと不見識ではあるのだがジャック・ニコルソンをシャイニング以外で初めて見た。狂気じみた演技が似合いすぎる。良いな。最終的にみんなアレしちゃうのでマジかよとなったのだが、そんなことより舞台設定がとにかく面白かったので良し。

ゲ謎(劇場)

 鬼太郎は如何にして生まれたのか。生前の目玉の親父が活躍する前日譚。銀行に勤めるサラリーマン・水木は日本財政界を牛耳る龍賀一族の当主・時貞の訃報を聞き、因習蠢く哭倉村へと向かう。そこで行われている凄惨な秘密とは。幽霊族の男との出会いにより何に導かれていくのか。

 Xで評判が良かったので観に行ったのだが非常に面白かったし、後々聞いた設定も興味深かった。色々読んでしまったので今更感想を書くと自分の言葉に思えないので悩ましい。紗代さんは水木のことをもう少し信じても良かった気もしたけどそうできないだけのあれやそれやの傷を負っているのだろうなとか長田の何かを感じさせる立ち回りとか観ている途中は良い意味で解釈の余地が色々あるなぁと思っていたが、既に答えらしきものがあるようで、それと合っているかわからないから書きづらい。ともかく、物語とは分岐であるというのはバルトだったか、見事にあったかも知れない世界を繋げ、作り上げている。長年続いているコンテンツでの前日譚となると整合性を保つのが大変だと思うのだが、これだけの人に広く受け止められる完成度然り、それを受け止めた世の中然りでとても良いことだ。長い時間が過ぎるというのは大きな縛りでありながら大きな武器だよなということを感じさせられた。

屋根裏のラジャー(劇場)

 子供と共にあり、必要とされなくなればいずれ消えてしまう運命にあるイマジナリー達。アマンダのイマジナリーであるラジャーもまたそのうちの一人。子供の時にだけ見える憧憬の存在のはずのイマジナリーをつけ狙う謎の人物の登場。イマジナリー達が消えずに過ごしている夢の場所。ラジャーは多くのイマジナリーと同じように消えてしまうのか。イマジナリーを狙う人物の正体とは。ラジャーは自分の存在を見つめ直す戦いへと向かう。

 原作小説が海外のものなので海外を舞台にしているようなのだが、日本向けに作られているので日本語が作中内で混ぜられており、どっちつかずな印象を受けた。アマンダの空想の旅もイマジナリー達が人知れず図書館で過ごしている様も映像は良かったし、物語におけるバンティングと連れている女の子の不気味さもすごく良い味を出しているのだが、自由奔放な空想も相手の不気味さも私の場合は小説で読んだ方が臨場感が増すだろうなと感じて原作小説を読みたくなった。不確かな存在に名付けをすることで存在を確定させるみたいな話があるが映像化にもそういう側面があるよなというのを感じた。姿形と声を得たバンティングに求められる答えは、読んでいないので恐らくにはなるが小説と同じままだとやや物足りなく感じてしまう。難しいなぁ。

観たいものも読みたいものも尽きないのでサポートいただければとても助かります。