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はなのはなし

ロシアで24時間営業のお店といえば、花屋と、薬局。ときどきスーパー。
ちなみに日本のようなコンビニは見かけません。


ロシア人って、よく花を買うんです。日常的に、部屋を飾るために買うということもあるし、プレゼントでもよく送ったり送られたりしていて。新しい部屋に住むときは「花瓶も買わなきゃ!」というくらい。「酔って帰りが遅くなる時は、花を買って帰るんだ」というライフハック(?)も。
地下鉄に乗っていても、これから渡すんだろうなあって人もいれば、大切な人にもらったんだろうなあって人もいて。そういう人はなんだか嬉しそう。

決してすごく安いというわけでもないんだけど。それでも、3月の女性の日なんかには花屋さんは大わらわ。

というわけで、花屋さんに入ったことなんて小学校以来、しかもそれも「外の電光掲示板がなんか変ですよ」と言いに行ったくらいの僕も、花屋さんで花を買うことに。差し上げる相手は、一緒に留学に来ている女の子。

買ったのは白い薔薇。花束にできるくらいにして、受け取ったんですが、すごい。花だ!
花って、イメージとしては色んな所でたくさん触れているけれど、本物の花をじっくり見ることってなかなかなくて。

じーっと見てると、なんだかすごい。棘がすごく固くて、はなびらが絡みあってて、その中にはちゃんと生きていくための仕組みがあって、なんてったって、綺麗!

英語とかドイツ語とか、とにかく何か外国語を勉強していく中でその教科書に「花はきれいです」という文が出てきても、多分ほとんどの人が違和感なく受け入れると思います。「キャンディはすっぱいです」よりは。もう、無意識のうちに「花ってきれいなもの」って意識があるんじゃないかな。

そういう、あたりまえなことって、改めてリアルに感じてみると結構目がさめる。

うわ、花、綺麗じゃん!

花をさしあげたその子は、すっごいニコニコして、すっごい喜んでくれました。その子は、「花をもらうって、すっごく嬉しいよ!」と言ってくれました。今までは「花=きれい」だからなあ。くらいの「あたりまえ」な価値観だったんですが、これからは、心から「花ってきれいだよね!」と言える気がします。


【おまけ】
ロシアで花を渡すときは、必ず奇数本で。偶数の花の花束は、死んだ人に手向ける時の花束なんだそうです。
ということを、友達のおうちに向かう地下鉄の中で思い出しました。手には10本のカーネーション。

1本抜き取って、それは友人宅のマンションの、1階の管理人さんへ。喜んでくれたから、オッケー……?

本とか買います。