ギターを弾かないギター教室−−Tin Pan Alleyから始まった
「ワンコーラス、32小節。これは1890年代、ニューヨーク州マンハッタンの28丁目のブロードウェイと6番街に挟まれたあたりにあったTin Pan Alleyが初まり」
ミュージカルの楽曲の楽譜を販売していた音楽出版社が集まっていた街区。そこで使われていたワン・コーラス32小節という作りが慣例となって、今に至っている。
私は、こんな事すら知らなかった。また、20年間ボーカルをやっているとか、30年間ドラムを叩いてるとか言っていた奴も、教えてくれなかった。
「好きなようにやって良いんだよ」
と、彼らは自信たっぷりに教えてくれた。だから自信を持って、ワンコーラス24小節の楽譜を、奴のところへ持って行った。
すると奴はいきなり、
「基本は32小節だと言うことを知っていて、わざと24小節にして来たとは、思えない」
と、いきなり罵倒(使い飽きてきた)された。
「譜面を見た瞬間に、こりゃダメだ、とやる気が失せた」
とも。さらに、
「4小節目がDm7になっているのに、どうして次がCなのか。本来なら“7”がきたら、そのコードの4つうえのGだろ!」
と、奴のテンションが一気に上がってしまった。二の句がでない。
いったい俺は、この3年間のバンド活動を通して、何を教わってきたのか。
ここに来て初めて、音楽の基本と出会った。
創作活動が円滑になるように、取材費をサポートしていただければ、幸いです。