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Quiet と Calmということ

「Study to be quiet!」
 という言葉がある。時々、私は使っている。特に周囲が静かにしている時に一人、いびきをかいて寝ている仲間に対して、とか。
「〇〇君! 英語が得意そうだから言うけど、Study to be quiet!って知ってるか?」
 と一声かける。すると、静かになる。
 そもそも、この一言はフライ・フィッシングの本を読んでいて覚えた言葉。作家の開高健が紹介した「釣魚大全」の一文だ。
 イギリスのアイザック・ウオルトンが350年前に書いた超ロングセラーの「釣魚大全」(1653年)。この本は単なる釣りの解説本ではなく、人生の奥義が散りばめられた哲理の書、らしい。一応読んだことはあるのだけれども。その本をネタにして女子大生をナンパしたこともある。そこまで自分の武器にしておきながら、その内容は、あまり記憶に残っていない。情けない。
「Study to be quiet」は、事あるごとに私の脳裏に浮かんでくる。
 本来、私の中でこの言葉は、フライ・フィッシングに出かけてヤマメのライズを静かに川面を眺めながら、ただひたすら水面を見つめ続けなければならない自分への我慢のための呪文として、私の脳裏に刻み付けられた。
 しかし、この言葉は「イギリス人のマナーの要諦をなしている言葉」のような気がしてきた。
 最近は「Keep calm」と言う言葉が多様されているようだ。「Calm」は「静けさ、冷静、平穏」などの意。
 さらには「keep calm and carry on」は超有名になった言葉なのだそうだ。元々はイギリス政府が国民向けに作成した「宣伝用ポスター」の言葉なのだ。そのポスターが作られたのは第二次世界大戦、直前のこと。イギリス政府が国民の混乱を避け、同時に戦争への士気を高めるために作成された。『生きるか死ぬかという極限状況になったとしても、短いこの言葉が心理的に人々を落ち着かせることができるだろう』と言うことから作られたようだ。
当時の「keep calm and carry on」は「冷静に戦い続けよ」と言う意味。

「quiet」と「calm」。どこに着地するのか、自分で書いていて見えなくなってしまった。と言うことで「静かであること」は、大切なことなんです、というところです、フゥ……。

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