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ビーグル犬の健気な動きに、涙が滲んだ

 早朝の通勤路でのこと。歩行者は私以外に歩いていない。前からビーグル犬と飼い主が、歩道の端と端を、リードをいっぱいに伸ばしてやって来た。飼い主は私に気付き、小さくビーグル犬に指示を出した。直ぐに犬は、主人との間合いを詰めた。
 私は一人と1匹とのすれ違いざま、飼い主に声をかけた。
「利口な犬ですね」
 すると飼い主は、満面を崩して笑みを返して来た。犬も飼い主の笑みを感じたらしく、尻尾を振って私に近づいて来た。

「行ってらっしゃい」と見知らぬ人と犬に見送られた。一人と1匹の絶妙な連携に、じんわりと涙が滲んだ。

 以前、三菱自動車のディーラーに修理を頼んだところが修理されていないことに、一年ほど立って気付いたことがある。ディーラーに確認した。
「そんな依頼は受けていませんし、当時の店長も移動していて詳しいことはわかりません」
 と、うやむやにされ押し切られた。それからしばらくたって、本社自体の「排ガスの数値改ざんで、国交省から改善要求」が出された。本社自体の経営を縮小せざるを得ない状況にまで追いやられた。末端の体質は上の体質の顕現でしかなかったのか、と呆れた。
 最近では「企業体質に問題」と、みずほ銀行が二度目の指摘を受けた。
 末端の異変は、上の体質を敏感に投影していることに、心当たりのある大きな看板を掲げている大組織は、早々に気付いて欲しい。気付いて気付かぬフリは、自らの首を絞めることになる。
 さらに、国民の生活に大きな影響を及ぼすのだから。

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