#ゴジラVSコング 番外「親愛なる相棒ガイア氏に隠れて映画を感想してみよう」

注意:この記事はネタバレなしで進みます。

 色々な場面についての評価は読者の胸に秘めてじっくり考えてみてください。

 あえて語らないことで各々の感傷にひたらせる。そんな私の粋な配慮です。あまり私の感想に共感させ過ぎて、映画の評価を落とすのを望んでないのもあります。

 ではでは~~~


 感想を一言で表すと、圧倒的怪獣映画である。

 暴力と蹂躙、傍若無人な悪魔であり神である怪獣同士のガチンコ殴り合い。

 生まれる因縁、ガンつけあう様はヤンキー同士のドつきあい。

 「俺の勝ちだジラ!!」

 「今回は俺の勝利ウホ!!」

 そう宣言しあう両者の姿は河川敷とかで殴りあったヤンキーの姿そのもの。

 出し惜しみなし、互いのスキルとテクニック、腕力でドつきあった映画の全ては清々しいものである。


 そして方々でネタバレ解禁が始まってきた第三勢力も桁外れに強くギミック満載。最強の怪獣2体に善戦する暴虐無慈悲っぷりは真の怪物とはどちらかを伝えてくれる。

 人間は愚かだなーーー!!

 やっぱり怪獣こそが地球の真の支配者だ!!


 怪獣信者としての感想ここまで

 ハッキリ言えば、ストーリーが微妙。

 今回の映画では、キャラが無駄に多くて掘り下げきれてない印象だった。

 ジアちゃん以外に印象の残る過去や活躍がどれもないキャラたち。過去が断片的に語られるだけじゃ、どうしてそこにいて、何を思ってるか分からないよ。

 たぶん主役であるマディソン・ラッセルは殆ど役に立ってない。エマ・ラッセル(サノスおばさん)に届かない悪役連中。

 芹沢の扱い。海外のゴジラ信者は芹沢に恨みを本当に募ってるのかと思いたくなる。

 怪獣の都合のいいように進むストーリー、人間はその為の舞台装置なのだろう。

 酒一瓶でアレが倒される一因になるとは思わなかったよ。


 KOMにあった人間ドラマの癖の強さが、今回は悪い部分として悪化してしまってる印象だった。

 真の怪獣信者でないと素直に熱狂できない、ニュービーでは楽しめない怪獣映画であった。


 一方、シナリオ構成には酷評しか思い浮かばないが、怪獣の描写は素直に良いと思った。

 一人だけど人間の友がいるコング

 とある存在に怒りを感じるゴジラ

 両者のこの対比は上手いと思ったし、だからこそ第三勢力に対しての激突に説得感が生まれる。

 コングとジアの絆、故郷と家族を求めるコングの感情表現には感動するところもあった。


怪獣の存在、アクションに出し惜しみなし。

想像できるアクション全てを出し尽くし、それでも更にアクションを投入していく映像の面白さは歴代怪獣映画の中でも屈指かもしれない。


 それと、吹き替えの蛇足感を感じた。

 私はMAN WITH A MISSION大好きなのだが……宣伝ゴリ押しな追加映像には脚本で辟易した私を更にINTO THE DEEPさせた。

 芹沢をクレジットの上に回すか、あの出番で?


 酷評しか思い浮かばないが、これは好き嫌いのハッキリ生まれる映画だと私は考えた。

 きっとガイアなら熱狂して楽しめるだろう。真の怪獣オタクである彼であれば、私が感じ取れなかった部分を拾ってその面白さを再認識させてくれるかもしれない。頼んだぞガイア。


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