とある旅行記5 白銀の山間校宿

とある宿を訪れた。
その宿は豪雪地帯にある、もともと校舎だった建物を利用した宿だ。
建物の端には講義室兼食堂の広間があり、そこからは食堂で作られているカレーの匂いがふわりと漂ってくる。
隣の別棟には一般の人も利用できる同じような建物の商業施設があり、ずいぶんと賑わっているようだ。温泉もあるらしい。
内装はダークウッドの床や柱、壁はよく学校で見かけた白いモルタルかコンクリの壁だ。が、しかしこれは表面上だけかもしれない。
内部はとても暖かく、窓の外に降り積もる雪の気配を感じさせないくらいだ。
ところで今は何時だ?
部屋の時計に目をやった後自分の腕時計を見る。
全然違うではないか。廊下に出て廊下の時計を見る。これもズレている。電池が足りないのか、電波が届かないのか、それ以外の理由か。
私にはわからない。

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