欄外備忘録3 墓守ノ歌(仮)より ホウキボシ

一度でもいいから彗星見たいなぁという思いから作ったホウキボシ。
4分の7という変拍子の曲。
一応彗星の極端な楕円軌道から普段とは違う拍子にしようと思った。
まさかupしたその日に彗星が見られるという情報が入るとは思わんかった。

しばらくは彗星が見れる情報が無かった。
有名な周期彗星が回帰するのも何十年と先。
せめて生きている間に彗星が見たいと思っていた。
そう思いながら作曲したホウキボシ。
その曲を上げた7月11日にネオワイズ彗星が見れるとの情報がTwitterで流れてきた。
本当にこの時は嬉しさと興奮で手が震えていた。

しかし彗星を見るにも天候条件があまり良く無かった。
連日曇りで星すら見えない日が続いた。
それに自分が住んでいるのは微妙に発展した市街地なので、何処に行っても明るく、肉眼で星を見るものよほど晴れてないと見えない明るさなのだ。

なんとか見たいと、カメラに収めたいと調べると、肉眼で見えなくてもカメラになら写る可能性があるということがわかった。
開けていて、明るすぎず、カメラを安定して設置できる場所。
その条件を求めて近くの川沿いの公園にピンを置いた。

7月19日
最後のチャンスが訪れた。
雲も目立たぬ晴れ。
今日しかないと思い、夕方にカメラと三脚を持って車を走らせた。
途中スタバに寄り、フラペチーノを買って、川沿いの公園へと向かった。

日没後
自分の他にも彗星を撮りに来た人がいた。
その人は早々にこの場を去ってしまったが、その後ぽつり、ぽつりと人が訪れる。
彗星の高さは20度(拳ふたつ分)。
方角は北西。
北斗七星の下。
ちょうどその方角にかなり明るい街灯と、大きな木があった。
あまり影響が無さそうな場所に三脚を立て、北斗七星を目印に、とりあえず引きでシャッターを切ってみる。

写った

感動の一瞬だった。
ぼんやりとしか写らないが、確かに写った。
目が悪すぎて肉眼で確認はできないが、恒星とは違い尻尾がある。
生まれて初めて観測した彗星だ。

死ぬまでにやりたいことのひとつが叶った瞬間だった。

それからしばらくは場所を変えながら彗星をカメラ越しに観測し、その時間を大いに楽しんだ。
倍率の高いレンズ欲しいなぁと思いながらではあったが、一生忘れられない出来事になった。

ネオワイズ彗星、ありがとう。
一生忘れないよ。

よく「描いたら出る教」というものがあるが、自分は「曲作ったら出る教」なのかと思った。
しかしその理論でいくと次見るのは虚船(UFO)ということになる。
それはなんとなく怖いなぁ。

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