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[2023年3月]フリーランス活動報告と制作したMVの裏話 2年と8ヶ月目

こんにちは!イラストレーター兼動画クリエイターの無印かげひと(@kage86kagen)です。

今月も終わりですので、「今月の活動内容」と「制作に携わったMVのうち、今月公開されたMVの制作の裏側のお話」をいつも通りしていこうと思います。

※なお、お取引き先との調整内容に関する事は一切表記していません。「MVのここをこうした理由は…」や「ここはペイントソフトでこうして…」、「ここは実は○○がリファレンスで…」などといった内容をお話します。

では、さっそく振り返っていきましょう!


今月の活動内容

今月もいつものように、毎日MVばっかり制作していました。いつもの。

加えて、今月はボカロPさんにとって大イベントである「ボカコレ2023春」が開催されたこともあり、これに関するMV制作に勤しんでいました。

おかげさまで今回も多くの方からご依頼頂き、MV制作として携わることができて大変満足です...。めっちゃ嬉しい。

ただ、ボカコレとボカコレに関係しないそれ以外のMVも何件か同時進行していたので、3月上旬はわりと多忙な日々を送っていました。もう今まで何度言ったか分かりませんが、おそらく今月はフリーランス史上最も忙しかった期間だったんじゃないかなって思っています。

その反面、ボカコレが終わった3月下旬については、たくさんの納品が終わったと同時に仕事がかなり落ち着いた事もあり、割と虚無る時間が多かったです(笑)
「ああ、自分、なんかめっちゃやり切ったな...」といった燃え尽き症候群みたいな感じで。

仕事自体は毎日していたのですが、この「虚無期間」は1日の仕事を早めに切り上げて、3月上旬にできなかった身の回りの事をやったり、今までの活動について振り返ったり、頭の中を整理するために瞑想したりしていました。

それに加えて、自分の今のMV制作のスキルを棚卸ししたり、新しいプラグインの導入、新しい表現をインプットなどなど、せっせと自分磨きもしていました。
その結果、最近は「ドット絵」の作り方だったり、Blenderで作った3Dモデリングを販売&クリスタに導入する方法を学びました。

そう考えると、今月もなんだかんだでめっちゃ頑張っていたような気がします。なのでそのおかげもあってか、今はなんかこう、これから先はさらに良いMVが作れそうなやる気がみなぎっています。
4月からも頑張るぞ!!!!!!!!!!!


今月投稿されたMVの裏話

※今月投稿していた事に気づいたMVも紹介しています。

絵空事

こちらはhisaさんのボカコレ2023春参加楽曲「絵空事」になります。こちらのMV編集を担当しました。
イラストはるおーるおみさんになります。

優しい雰囲気のメロディーが体に染みわたるような、そんな素敵な楽曲になっています。その楽曲の雰囲気をくみ取って、MVの演出に関してもあまり激しくない演出を考えてみました。

サビ部分での歌詞の周りにある「ガラスの破片」については、AEでオブジェクト制作→CC Light Sweepのエフェクトを使って、キラッと光り輝く演出を施しています。

ガラスはイラレで作った方がいいかな…と思ったのですが、AE内でもなんとか制作できそうだったので、AE内で作業を完結させています。AE、いつもありがとうね。


初恋イバラ姫

こちらはコウモリノートさんのボカコレ2023春参加楽曲「初恋イバラ姫」になります。こちらのイラスト&MV編集を担当しました。

女の子の淡い恋心をダークな雰囲気に乗せた、少しほの暗い楽曲になっています。
コウモリノートさんの楽曲にはこれまで数曲携わらせて頂いてますが、今回は今までとは打って変わった雰囲気となっているため、新しいコウモリノートさんを見ることができ、制作中とても新鮮な気持ちでいました。

今回のMVは、クリスタ、イラレ、AE、Blender、4つのソフトの総力戦です。各シーンを適したソフトで編集していったため、MVの内容の質量の割には、かなりスピーディに制作できたような気がしています。

冒頭部分の「木製の絵本の扉」はBlenderでモデリングしました。この部分はどうしても3Dで表現したかったため、Blenderの力を借りています。
木製の質感を感じるテクスチャにしたかったので、ノードもバリバリ貼り付けています。

リアリティを出すため、cyclesでレンダリング。上の画像では消えちゃってるけど、金プレートのところにはイラレで作ったタイトルロゴを貼り付けました。そして「観音開き」のようなモーションをつけています。


territory

こちらはdominoPさんのボカコレ2023春参加楽曲「territory」になります。こちらのMV編集を担当しました。
イラストはyubarisuicaさんになります。

MVの全体的な展開は、ボカロや歌ってみた界隈での”今流行り”な展開を意識した構成となっています。
今回はdominoPさんから「”今流行り”な展開にしたい」というご希望をご提案頂き、私の方でそれを絵コンテに書き起こす…といった感じです。

個人的には、曲調的にも今流行りの展開(イラストやリリックのカメラワークがパッパッと変わるような感じ)が似合いそうだなと考えていたので、結果的にいい感じのMVが出来上がったんじゃないかなと思います。
少しダークな雰囲気も垣間見えるMV内容となっていますので、ぜひご覧ください!


ハイパーカーディオイド

こちらはおぴよさんのボカコレ2023春参加楽曲「ハイパーカーディオイド」になります。こちらのMV編集を担当しました。
イラストは青井あいさんになります。

爽やかで青春を感じるような、「ザ☆バンド」みたいなリズムの楽曲となっています。この爽やかさを押し出したかったので、MVの構成についても極力シンプルかつバンド系に寄せた展開を考えてみました。

例えば、音に反応して図形が動く「オーディオスペクトラム」とか、爽やかさを感じる薄いブルーな色合いをトンマナにしたりとか…。

蛇足ですが、オーディオスペクトラムは汎用性がめちゃ高いエフェクトなので、MV制作初心者のうちに学んでおいてよかったエフェクトの一つです。これからMV制作を始められる方におススメですよ...。

シラヌイライト

こちらは三昧Pさんのボカコレ2023春参加楽曲「シラヌイライト」になります。こちらのイラスト&MV編集を担当しました。

三昧Pにはいつもご依頼頂いているのですが、今回はイラストもご依頼頂きました。描いたイラストは「マフィアっぽいミク達」ですが、楽曲のかっこよさに添えられたイラストが描けたんじゃないかなって思います。

サビ部分などには「光る点線のオブジェクト」を利用したモーショングラフィックスを使っているのですが、これは楽曲のタイトルにもなっている「シラヌイライト」から着想を得て、「不知火」の光を表現してみた次第です。

不知火の光ってめっちゃ綺麗ですよね...。

現実だと光源や環境によって異なるが、今回は「不知火」という現象そのものを伝えたかったため、結構大げさなデザインにしました。


Story /*Story*/

こちらはシューっとさんのボカコレ2023春参加楽曲「Story /*Story*/」になります。こちらのイラスト&MV編集を担当しました。

こちらのMVは、モーショングラフィックスを多用したものに加え、可不ちゃんをLive2Dでモーション付けしたものを組み合わせてMVにしています。

今回のMV構成については完全にお任せ頂いたので、テンポの良い楽曲に合わせ、MVに関してもかなりスムーズな展開を考えてみました。

実際に動画を見て頂けると分かるのですが、Aメロ、Bメロ、サビを1つの区切りとして、その区間におけるイラストやリリック、オブジェクトを滑らかに見せるように動かしています。

楽曲もとても素敵でしたので、口ずさみながらモーショングラフィックスの構成を考えていました。


TRAP 罠 feat. +α_あるふぁきゅん。

こちらはSHARE LOCK HOMESさんの楽曲「TRAP 罠 feat. +α_あるふぁきゅん。」になります。こちらのMV編集を担当しました。
イラストはほたるいかさんになります。

SHARE LOCK HOMESさんと+α_あるふぁきゅん。さんのコラボで何も起こらないわけがなく...。聞いていただけると一発で分かると思いますが、かなりかっこい楽曲となっています。

個人的には特に「サビ後半」部分にかなりのカッコよさを感じたので、MVの演出についてもひときわ目立つものを考えてみました。
その結果、「蜘蛛の巣」をモチーフにして展開しようと考えたのですが、この蜘蛛の巣は「Live2D」でモーション付けすることにしました。

Live2Dでの作業の様子。メッシュをあてて「ビヨンビヨン」とたゆんでいる表現を目指しました。

「画像をメッシュ化して動かす機能」というのはAfterEffectsにも備わっていますが、以前それを利用したらソフトがかなり重い&レンダリングがめっちゃ遅くなった事があったので、そのトラウマから今回はLive2Dに活躍してもらうことに...。

もしかすると、当時の作業環境によって上手くいかなかった可能性もあるのですが、こういった動きはLive2Dで動かした方が作業的に楽かもしれません。Live2D最強!Live2D最強!


バーチャルな世界へようこそ

こちらはつっくさんの楽曲「バーチャルな世界へようこそ」になります。こちらのイラスト&MV編集を担当しました。

つっくさん曰く、「Vtuberへの思いが伝わると嬉しいです。」という想いでこちらの楽曲を制作したそうです。それに基づき、MVの展開に関しても「バーチャルライブ」を意識した構成をご希望されました。

Vtuberの女の子と背景のステージはイラスト、背後の液晶動画についてはAE内でモーショングラフィックスで表現しています。

あとは、YouTube特有の「画面右下のチャンネル登録アイコン」から着想を得て、タイトルロゴを終始右下に表示させる構成を思いつきました。我ながらめちゃ面白い発想だったと思います。

超雑談ですが、「UI(ユーザインタフェース)を逆手にとり、これを”デザインの一部”にする」というアイデアは、実は割と最近知った手法になります。
意外かもしれませんが、リファレンス先は「『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』」です。

ネタバレは控えるのですが、メインストーリーの一番最後に、この「UI」を利用した超胸アツ演出があるのですが、ポケモンユーザーにとって今まで”当たり前”で誰も気にしていなかった「ポケモンの手持ち画面」を「そう来たか!!!!」という手法で演出に組み込み、ユーザーをめっちゃ胸アツにさせるという、なんか超感動した展開がありました。

「UIを演出の一つとして組み込むのって面白い!!」と気づき、この経験を「バーチャルな世界へようこそ」のMVに組み込んだ、という制作裏話があります。

実はポケモンは「サン・ムーン」以来すっかりご無沙汰だったのですが、「今作はとても面白い!」という声につられてプレイした結果、また新しい世界を垣間見えることができ、「遊んで良かった」と思える作品でした。

新しい表現をしたいのであれば、積極的に様々なコンテンツを体験してみることが大事なんだなと思ったきっかけでした。


まとめ

いかがだったでしょうか?
今月は8件のMVがお披露目されることとなりました。

なんか、3月に入った途端にぽかぽか陽気がすごくて、その気に当てられていつも以上に昼寝の時間が伸びている日々を送っています。厳しい冬を乗り越えて迎える春って、ほんとうに最高ですよね。

実は、現在請けている案件の中には自分、史上最高の画力高めのアニメーション映像を制作している最中だったりします。
近いうちにお見せできるかもしれませんので、その時はぜひ見て頂けると嬉しいです!

最後までご覧頂きありがとうございました!

それでは!



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