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[2024年9月]フリーランス活動報告と制作したMVの裏話 4年と2ヶ月目

こんにちは!動画クリエイター兼イラストレーターの無印かげひと(@kage86kagen)です。

今月も終わりですので、「今月の活動内容」と「制作に携わったMVのうち、今月公開されたMVの制作の裏側のお話」をしていこうと思います。

※なお、お取引き先との調整内容や機密事項は一切表記していません。「MVのここをこうした理由は…」や「ここはペイントソフトでこうして…」、「ここは実は○○がリファレンスで…」などといった、あくまでも当方が担当した制作物のメイキングなどについてをお話ししています。


今月の活動内容

今月も毎日MVばっかり制作していました。 
い つ も の。

いつものようにガリガリMVを制作していましたが、今月は自分にとって大きなイベントがありました。
それは、5年間使用し続けたPC+モニターをついに買い替えたことです!!

PCの買い替えは今年1月から考え始めていたのですが、理由は使用していたPCは5年前に購入したもので、耐久年数的にもいつ不具合が起きても文句が言えない状態だったためです。
ただ、幾分根っからの貧乏性なので、「まだ使えるだろ…まだ使えるだろ…」とだましだまし使用し続けて早半年が経つことになります。

ところが、7月に入ってからはPCのガタがピークに達したのか、作業中にソフトやPC自体がフリーズをしたり、そもそもPCが立ち上がらないことが頻繁に起こりました。
どれもすぐに問題が解消されそこまでは酷くはないけれど、今後使用し続けたらいずれ仕事にならないほど支障をきたすかと思いましたので、9月の中旬に思い切って購入した次第です。

旧PCは5年前の2019年に購入したのですが、当時はイラスト制作しか使用しない予定でしたので、GPUやCPUは低スペックのもの、メモリも16GBの「ペイントソフト用BTOパソコン」を使用していました。

2021年からは動画編集を始めたのですが、動画編集の処理の重さにPCが耐え切れず、しょっちゅう固まることが多くなりました。それもそのはず、あくまでもペイントソフト用のスペックなので、PCが重くなることは当然のことです。
今思えば、「よくこの低スペックで今まで動画編集してきたな…」と驚くほどの低スペックだったと思います。

今回購入したPCは、イラスト制作はもちろん、動画編集に加えて3D制作も見越した、平均よりもハイスペック寄りなPCを組み立ててもらいました。(BTOデスクトップPCになります)
モニターについては不具合はなかったのですが、経年劣化による画質の低下もありそうだったため、一緒に購入しました。
(サブモニターは現役続行だが、こちらもそろそろ4年経つので、いずれは買い替える必要がある)

私自身PCにそんなに詳しくない、なんなら旧PCのメモリを増設する際に扱いが分からなくて増設メモリをぶっ壊してしまったほどなのですが、知識が無いながらも旧PCよりもはるかに高いスペックをチョイスしていますので、これからの作業速度は旧PCよりも2倍ぐらい早くなるかもしれません。
●新PCのスペック
・CPU Core i7-14700 (2024年最新のCPU)
・GPU RTX 4070 (2023年発売のもの。今年最新が出たらしい)
・メモリ 64GB
・SSD 2TB

買い換えてから早くも2週間ほど経ちましたが、使用感としてはPC内の処理が驚くほど速く、各ソフトの挙動はもちろんのこと、動画のエンコードも以前の10倍ぐらい早く終わっています!
経年劣化→新PCに買い替えしたこともありますが、そもそも低スペックからから最新ハイスペックPCに買い替えたため、驚きもひとしおです。
AEのキャッシュクリアも、50GBをものの30秒で消去してくれました!新PC凄すぎ!!
(旧PCはAEのキャッシュクリア40GBを上限としていて、これを消去するのに20分ほどかかっていました)

動作と処理が早いおかげで、MVの制作もさらに早く進められますし、低スペックゆえに導入をためらっていた処理の重いエフェクトや動作も、今後は積極的に取り入れることができます。
これからのMV制作がますます楽しみになった今月の出来事でした。


今月遊んだゲーム

今月はLOL時々スプラ3を息抜きがてらプレイしていましたが、今月は新PCに買い替えたことをきっかけに、前からやりたかった「Escape from Tarkov」を購入しました!

Escape from Tarkovはハードコアなシューティングゲームなのですが、ゲームの難易度が同ジャンルゲームの相場と比べると難しく、それ故にヒリついたリアルな戦場を体験することができるゲームです。人気ゲームなのですが、なんとまだ製品版ではないのだとか…。

シューティングゲームはPUBGやスプラで遊んだことはあるもの、タルコフはこれらとは比にならないぐらい戦闘がとてもリアルですし、銃の挙動やバッグの容量、急所に弾があたったら即デスなところも、現実味があって没入感がすごいです。
(APEXのように途中で復帰することもありません)

今まで体験したゲームとはまた違ったゲーム性やマッチングシステムも相まって、初心者にとってはかなり難しいゲームだと感じています。(中級者になってから面白く感じるタイプのゲーム)
実際、始めてから1週間ほど経ちましたが、プレイヤーレベルはいまだにレベル3で止まっていますし、プレイヤーやNPCが強すぎるため、用意されているタスクも全然クリアできていません...。

ですが、タルコフのようなリアルでヒリついた雰囲気が個人的にとても好みなので、今後も定期的にタルコフ市に潜ってゴミ拾いをしていきたいと思います。


今月投稿されたMVの裏話

※投稿していた事に今月気づいたMVも紹介しています。
※制作で使用している各ソフト名
・動画編集:AfterEffects
・イラスト制作:CLIP STUDIO PAINT(メイン)、illustrator(主にロゴ制作時に使用)、Photoshop
・アニメーション:Live2D、AfterEffects、CLIP STUDIO PAINT
・3DCG:Blender

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存在証明 (feat. 夏色花梨)

こちらはakmaさんの楽曲「存在証明 (feat. 夏色花梨)」になります。こちらのイラスト、MV制作を担当しました。

今回MVに利用したイラストは、イラスト全身1点、アニメーション1点を制作し、これをMV内に組み込みました。
また、動画のところどころにある「くしゃくしゃ線」などについても、すべて手描きでアニメーション制作しています。

また、楽曲の雰囲気、歌詞ともに若干不安定な雰囲気を感じましたので、「くしゃくしゃ線」の他、映像の途中には「ガラスが割れるエフェクト」といった不安定さを感じられる要素を複数入れています。

ちなみに、アニメーションはクリスタで制作し、これをMOV出力しました。
「くしゃ線アニメーション」についてはAEのペイント機能でも制作できるかなー…と思ったのですが、雰囲気に合ったブラシを見つけることができなかったので、クリスタのブラシで描写しました。

いい感じの雰囲気のMVに仕上がったと実感していますので、ぜひご視聴ください。

上記は人物アニメーション制作の様子。その中で「髪」のアニメーションは、今回は5フレーム分制作してこれをループ化させました。

【歌ってみた 】▷▷▷▶ぶっとびかっとび全開エンジン!/ ツインターボ ( Covered by 桜川モナミ )

こちらは桜川モナミさんの歌ってみた楽曲「【歌ってみた 】▷▷▷▶ぶっとびかっとび全開エンジン!/ ツインターボ ( Covered by 桜川モナミ )」になります。こちらのMV制作を担当しました。
イラストはあきつ様になります。

楽曲自体が終始展開多め&はつらつとした元気さを感じられましたので、動画の展開もカット数&演出多めで構成を考案しました。
桜川さんの歌唱も元気がありとても素敵ですので、聞いていていつも元気をもらっていました。

本楽曲は「ウマ娘」に登場するキャラクターのキャラソンということですので、MV内にはウマ娘をオマージュした要素やセリフを複数いれています。
1サビ後の間奏部分は、ツインターボのセリフを流しています。

サビパート直前には「競馬の出走ゲート」を使用したカットを制作していますが、出走ゲート自体は3D素材ではあるものの、今回は特殊な工程を踏んで制作しました。

まずは、出走ゲートをillustratorで制作2D制作、次にillustrator内の「3Dとマテリアル」から3Dとして立体化させています。
この立体化したものをOBJ形式で出力、これをAE内に取り込みます。
最後に、AE内の3DレンダラーをAdvanced 3Dに変更し、このコンポジションに先ほどの出走ゲートを配置、その後モーションや色味を変更した後、今回のような内容に仕上げました。

illustratorの「3Dとマテリアル」機能を利用している様子。

なぜこの過程を踏んだのかというと、出走ゲートは外側の形が複雑ではなく「板状」であったため、Blenderといった本格的3Dソフトを使用せずとも、イラレを使えば比較的簡単に制作できると思ったからです。
Blenderを使い慣れている方ならサクサク制作できるかもしれませんが、今回のモチーフの場合、私的にはイラレ経由の方がコスパよく制作できると思いましたので、今回のような工程を踏みました。


虚ろいゆく心のままに

こちらは冬月くるる様の楽曲「虚ろいゆく心のままに / A void field between the hearts」になります。こちらのイラスト、MV制作を担当しました。
リリックモーションは別クリエイター様になります

今回の歌詞はところどころネット用語が多めに書かれていましたので、動画の構成もネットに関連したモチーフを選んで描写しました。

例えば、サビパートなどにある”PCのエラーウィンドウ”や、「404ページ」などをイラストや映像化し、これを使った展開で構成しています。

エラーウインドウの制作に伴い、主にWindowsのエラーウインドウをリファレンスとして参考にさせていただきましたが、資料探しをしていくにつれて「エラーウインドウの歴史」みたいなまとめ動画を見つけてしまい、それにハマってずっと見てしまったり…。
ああいった遍歴系動画やサイトを見ると、自信の好奇心を抑えることができずに無限に見てしまうんですよね。

そのネットサーフィンのおかげもあってか、本MVをさらに作りこむことができるリファレンスをそろえることができ、結果的にボリュームあるMVに仕上がったんじゃかなと思います。


【歌ってみた】OPEN YOUR MIND ~小さな羽根ひろげて~ 海神くじらcover

こちらは海神くじらさんの歌ってみた楽曲「OPEN YOUR MIND ~小さな羽根ひろげて~ 海神くじらcover」になります。こちらのLive2D、MV制作を担当しました。
イラストは海神さんになります。

MV内の人物イラストはLive2D編集を行っていますが、イラストは海神さんが制作しております。このイラストをレイヤー分けして頂いた後、私の方でモーション付けを行いました。
主に髪や尾ひれ、”靴の脱げかけ”などにモーションを付与しましたが、特に”靴の脱げかけ”については調整に時間を費やしました。

当初、靴には自動物理演算を付与して自然な”ゆらゆら感”を出したいと思っていたのですが、”振り子”になる部分の長さが短く(縦スケールよりも横が長いため)、物理演算で自動モーション付けした時にイメージしていた動きにはなりませんでしたので、物理演算は付与せず手動でキーフレームを打つことにしました。
手動で物理演算を再現することは想像以上に難しく、リアルなゆらゆら感を出すためには、どうしても試行錯誤する時間が必要でした…。

また、今回はLive2DでMOV出力する作り方ではなく、AEのLive2Dプラグインを利用してAE内で直接パラメータ設定を行いました。一通りパラメータを設定し終わったら一度MOVで出力し、MVのコンポジションに配置して制作する方法で完成させています。


【アニポケED】ドリドリ歌ってみた【プラムVer】

こちらは海日月ぷらむさんの歌ってみた楽曲「ドリドリ歌ってみた【プラムVer】」になります。こちらのMV制作を担当しました。
イラストは琴か様になります。

楽曲、歌唱、お衣装ともに可愛さ全振りな雰囲気でしたので、MVも全体的にかわいらしさを詰め込んだ構成で制作しました。
また、歌詞の内容から連想し、素材として「鏡」を使用した演出を何度か表示しています。

この鏡は、3Dソフトで3D化させた後、AE内でイラストと合成しているのですが、これまた特殊な制作をしていましたので、備忘録として過程を記載したいと思います。

①鏡のフレームは複雑な技術を用いらずとも比較的制作が簡単な素材であったため、まずはイラレでベースとなるイラストを制作
②イラレで3D化は行わず、イラレから「SVG」で出力してこれをBlenderに持っていき3D化
③Blenderで3D化→鏡の質感と形を整え、これをOBJ出力してAE内に持っていく
③AE内でイラストと合成(鏡のフレームにイラストを埋め込む作業)
④3Dカメラ(Advancedレンダラー)で鏡に回転をつけて撮影、これを各コンポジションに配置

今回の工程も、イラストを描きなれている人ならではの”変な工程”を踏んでしまっているのですが、制作するモチーフによっては、3Dソフトで一から制作するよりも、別ソフトを利用してベースを制作し、これを3Dに持っていって立体化させる方が早い場合もあります。

これは各々が持っているスキルや技術によって大きく異なるので、「こういう変な工程の進め方もあるよ!」ということで、共有の意味も込めてここに残しておきたいと思います。


まとめ

いかがだったでしょうか?
今月は5件のMVがお披露目されました。来月もバリバリMVを制作していきたいと思います!

最後までご覧いただきありがとうございました!
それでは!


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