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相談箱より:納得した話作りができるまで時間がかかることが悩みです

占星術相談箱からのおたよりです。

納得した話作りができるまで時間がかかることが悩みです。

数年ぶりに同人誌(漫画)を出すことにしたのですが、ちゃんとプロットを書いたもののそれからやり直そうと十数回程やり直しを重ねてしまいやっと納得する形になりました…

普段は1〜2ページ読み切りの短い漫画を描いているため60ページ程の漫画は時間がかかると覚悟していたとはいえこんなにもかかったのかと頭を抱えました

没にしてきたものはどれも余分な要素が多いなと思って削ったり設定を変えたりしたのですが、これから先に本を出すたびにこんなにも時間がかかるなら先が心配だなと感じています(ちなみに今回だけでなく何回かありますが今回は人に見せてオッケーをもらったのに直してしまったのが申し訳なさで堪えてます…

シナリオの本なども読んだのですが、ネームを完成しても下書きの前に変えたりしてしまいます

自分に合った話作りや、参考にした方が良いものなどございましたら教えていただきたいです

作画に入るまでに話がちゃんと固まるならわりと優等生では?(乱暴)

まず、プロットは何度も書き直すものです。作画に入ってから話の筋を修正しようとすると労力がやばいので、作画に入る前に固めておきましょうね、というのがプロットであり、納得がいくまで手直しをすること自体は悪いことではありません。

わたしは小説書きなので事情が違いますが、本文を書き進めてプロットが煮詰まりきっていないな、と感じたらプロットに戻って手直しをすることもあります。

ただ「これでいこう」という決断に時間がかかると実作の試行回数が減りがち(長い話なら作画にも時間がかかりますから、なおさらです)なので、そのあたり性格の面からひもといていけるといいですね。

出生図を見てみましょう。

少し古い占星術の本などでは、ものいいが簡潔なぶんきっぱりしているので「柔軟宮に星が集まった人は優柔不断」とばっさりいかれることもあります。

優柔不断は臨機応変と裏表なので、決して悪いことではないはずです。
もしかしたら、あえてプロットを固めずに、これまで書いてきたこととつじつまを合わせながらその場その場で回収していくほうが向いているのかもしれません(いわゆる「シート・オブ・パンツ」の「パンツァー」です。個人的にパンツァーを自称する人の大半はプロットの書き方を知らないだけだと考えていますが、ショートスリーパーと同じように真性のパンツァーも存在します)。

また「人に見せてオッケーをもらったのに直してしまったのが申し訳なさで堪えています」とのことですが、もしかしたら自他の境界がちょっとあいまいな部分があるかもしれません。自分と他人もそうですし、自分の創作物と自分自身も切り分けて考えたほうがいいでしょう。

「オッケーをもらった」相手とどのくらいの関係性で、どのように作品を共有したかはわからないのですが、自分の創作は基本的に自分のものであり、他人からの許可は必要ありません。

オッケーした相手もたぶん「特に問題はないと思う」くらいの意識で「この筋でなければこの話は成り立たない」と考えていたわけではないのではないでしょうか。(たとえそう考えてのオッケーだったとしても、あなたが書きたいものに合わせて筋も話もいくらでも変えてよいのです)

創作・表現活動を心から楽しんでいらっしゃるし、積極的に発表していけるエネルギーもお持ちです。1〜2ページの短いまんがを量産できる人はジャンルを活発化させる貴重な人材です。まずそこに自信をもっていいと思います。

そのうえで、環境や生活の変化、ジャンルの移り変わりなどを乗り切ってきて、いま長めの作品で同人誌を出そうと思う意欲に恵まれたことは本当に幸いですし、納得がいくまでプロットも、プロットの書き方・作品の作り方も試行錯誤していくべきです。

もともと「変わってしまう」ことが避けられない星の配置ですし、もっといえば「どんなに変わっても平気」な才能をお持ちです。世の中のセオリーに縛られる必要はありません。自分のやりやすい方法を探しましょう。

おそらく、一気に60ページの作品を仕上げるというよりは、短いストーリーを連作のように連載していくほうが得意かもしれません。WEB小説などでは読者の反応に応じて展開さえ変えてしまうことがありますが、そういったバランス感覚にも優れているだろうと思われます。

どうしても長編を読ませたい、厚みのある本が出したい、ということであれば、やはり学んで実行していく中で自分に合ったやりかたを見つけていくしかありません。

「アウトラインから書く小説再入門」は小説向けのメソッドですが、この本のメソッドをなぞるというよりは、収録された「著者に訊く」がこころの薬になるかなと思ってご紹介しました。

この本には「もともとプロット書くのなんて大嫌いだったけど、やっぱりないと余計に手間がかかるんだよね、悔しいけど……」みたいなノリの短いインタビューがいくつか収録されています。著者自身も冒頭で「プロット無しで書きはじめて大失敗し、懲りた」エピソードを明かします。

プロットづくりも作品制作の一部であり、試行錯誤が有効です。ただし、試行回数を増やすためには、ひとつひとつの制作期間を短くする必要があります。

そのために一定のメソッドに沿ってやってみる、「型をなぞる」やりかたは時間短縮にも有効ですし、先人の知恵を効率良く取り入れることもできます。

創作の過程に無駄なことはありません。いろいろ削ったり変えたりして右往左往してしまったな、と思っていても、刻んだ道のりと歩数は裏切りません。削った要素も何か別の作品で使えるかもしれません。

どんどん作品を作っていけば、それだけ自分に合ったやりかたもつかめます。単純に手も早くなりますし、効率良く作品を完成させられるようになります。

積極的にいろいろな作品づくりに挑戦していきましょう。

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