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「女性の話を聞くとキレられる」のはどちらが悪いのか?!

最近こんな記事をみました.「妻の話を聞くとキレられる」という記事で,この手の男女のコミュニケーションに関する記事は相当昔から各方面でみます.

これらのトピックはより一般的に言えば

  • 女性にアドバイスをしてはいけない

  • 女性は解決したいのはではなく,話をしたい

  • 女性は共感優位

などなどの言葉で表現されているようです.ググれば色々な話題が出てきます.

私も妻帯者の一人としてこれには納得する面もあり,妻が話題を振ってきた際にはまず感情を表に出すなどを気をつけている面もあります.

なぜ男性側ばかり悪者扱いされるのか?

一方で,これには納得できない面もあります.
上記の記事のシチュエーションのように,女性から問題を相談されたとして,それに対して解決案を提案して何が悪いのか!と思う面もあるからです.
感情を共感してほしいとか,ねぎらってほしいといった要望があるならば,わざわざ相談という体をとらずに直接そういえばいいではないか!…というのが個人的かつ主観的な感想です.女性には「これだから男はわかってない」と言われそうな気がしますが,本来それはお互い様でしょう.

なぜかネット上には女性側に配慮した記事はごまんとありますが,男性側に配慮した記事は非常に少ないです.「男性は察する能力がないから期待するのをやめよう!」といったような,明らかに男性を見下した記事さえ多数あります.これはなぜかはわかりませんが,少なくとも平等性の観点からは男女どちらからも歩み寄る方が良いというのは言うまでもありません.

さて,打算的にはもちろん相談する女性側に配慮した受け答えをするほうが良いかもしれないとしても,仮に係争案件になった場合等はどちらが「悪い」と判断されるのでしょうか.考えたことを書いてみたいと思います.

会話でどちらが「悪い」のか?

そもそも男女間や夫婦間に限らず,会話などのコミュニケーションは何らかの目的があります.しかしここで書きたいのはあくまで「どちらが悪いか」についてです.
例えば上に掲載した記事に以下のような会話が例として掲載されています.

ケース1
「今日、子どもが宿題をやりたがらなくて大変だったのよ」
(スマホを見ながら)「ふーん」
「ふーん……って子どものことに関心がないのね⁉」
(スマホから目を上げて)「そんなことないよ」
「毎日、やりたくないが続いて、もう大変……」
「勉強が苦手なら塾にでも行かせるか」
「そんなこと言うけど、塾に行かせるのは誰の役目よ。私だって、忙しいのよ!」

https://president.jp/articles/-/79135

この記事中では「すぐにアドバイスされると話を聞く気が無い,マウントされたと感じてしまう」「アドバイスよりねぎらいが先」と解説されています.実際にいざこざのない会話をするためには確かにそれも一つの手かも知れませんが,仮にこの会話の結果大喧嘩になり,夫が「問題を話されたから解決策を示しただけ」,妻が「すぐにアドバイスをして話を聞いておらずねぎらいがない」などと主張して第三者に相手の反省を訴えた場合,どちらが有利なのでしょうか.例えばこれがきっかけで離婚し,子どもの親権を争った場合有利になるのはどちらでしょうか.
(日本の裁判では親権は母親が異常に有利になるといった主張がありますが,もちろんこの例ではそんなことないとします)

男性側は悪くない!

もちろん「どっちもどっち」といわれればそうかも知れませんが,これはコミュニケーションは相手と相互に関係を築くべきという目的外の思想からきているのではないでしょうか.
極端な例をあげれば,男性にかなり強い女性蔑視があって「女性は男性に口答えすべきではない」などと言い出したら,これは男性が「悪い」ということになるでしょう.社会的通念や良識にしたがって,どちらかが「悪い」と断罪することはできないことではありません.

この観点から言うと,私にはどうしても女性側に有利になる要素が見つからないのです.なぜならこの例の女性は「会話で言及していないことを要求しているから」です.

まず男性目線でいうと「子供が宿題をやりたがらない」という問題を女性から話された時点で,そのまんま「子供が宿題をやりたがらないこと」が問題であり主題だと捉えると思われます.それに対して男性なりに提案をしたのですから何も咎めることはないのではないでしょうか.

一方,女性目線からいうと男性に求めていることは「大変だったことをねぎらうこと」であるのに対し,会話では「子供が宿題をやりたがらなかった」と別のことを話しています.なぜ求めていることと話すことが別なのでしょうか.もちろん直接言いにくいことを婉曲的に伝えることはままあることですが,この例ではこれに当てはまりません.
仮に女性的な感情か何かで直接的に求めていることを言いたくない理由があったとしても,それを声高に相手に求めることは間違っています.まるで「恥ずかしいから言えなかったけど,コンビニでカレーを買ったのにスプーンを付けてくれなかった!」と文句を言っているようです.

なお,もし女性が語尾を変えて「(子供が宿題をやりたがらなくて)大変だった」とさえ話してさえいれば,会話の主題が「子供が宿題をやりたがらないこと」ではなく「妻が大変だったこと」と捉えるべきだったので丸く収まったことでしょう.

女性側が全面的に悪いことになってしまった

このように,どちらが悪いかと言われれば女性側が全面的に悪いということになってしまいました.上で問題提起したように,このケースで第三者に相手の反省を訴えた場合や親権を争った場合,有利になるのは明らかに男性側であると考えられます.
私はこのようなことを考える際は必ず両方の立場から考えるようにしていますが,女性側を擁護する要素が見つからなかったというのが実情です.もし女性側が悪くないような,男性側が悪い要素があれば教えてほしいと思いました.


補足

以下反論されそうなことを想定して補足しておきます.

  • この私の主張に対して「男性だから」といってレッテルを貼ったそこのあなた.どうか,誰が主張したかではなく主張の内容が妥当かどうかで考えられないでしょうか.もし筆者である私が女性だったとしても同じことが言えるのであれば,ぜひコメントで反論してほしいと思います.

  • この記事を読んで「女性の気持ちを全然わかってない」という人もいるかもしれませんが,この記事の趣旨は気持ちがわかるかわからないかではなく,どちらが「悪いか」ということですのでお門違いです.

  • 本記事では便宜上「男性側」「女性側」と記載していますが,当然ながら世の中の大多数の男性や女性をひとくくりにしたものではありません.どちらが悪いかはすべて個別のケースであり,上の記事で例示された場合においての記事であると理解ください.


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