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マイケル・サンデル待望の新著!

ネットで「職種_尊厳」で検索したところ
医療関係の情報ばかりで驚く。これは医療従事者の
「患者やそのご家族への尊厳をいかに重視するか」
という職業倫理や戒めの観点からのもの。
 
患者の立場から見るとむしろ医療従事者の方への
尊厳や敬意をもっと持たなくてはと思うほどなのに。
 
 
なぜ今回「職種_尊厳」で検索したか。
 
米ハーバード大教授のマイケル・サンデルの
新著が本日4/14刊行されるとのことで、彼への
インタビューが日経新聞文化面に載っていた。
その彼との質疑応答で「心が動いた」からだ。
 
『実力も運のうち 能力主義は正義か?』(邦題)
 (早川書房・鬼澤忍訳)
 https://is.gd/oLvJsu

インタビュー要約は下記の通り。

・人々の競走はもはや平等でないことは明らか
・貧しい家庭の子供が階層上昇を果たすのは困難
・学歴偏重主義と能力主義が強く結びつきすぎ
・世の中を良くする鍵は「労働の尊厳の回復
・社会の多数を占める労働者に敬意が足りない
・学位の有無に関わらず良い生活が送れる社会を
・配達員、小売業従業員、医療や介護従事者等への
  報酬を上げて健康を守る方法を作るべき
・競争社会での優位者も精神的には不安定
過当競争は成功者でさえも傷つく
謙虚さを忘れず共同体として支え合っている認識を
 
アメリカのハーバード大学の教授、という時点で
既に能力主義の権化のような素晴らしい経歴だが
その彼が語っているからこその価値がある。
 
実はこれを書いている時点でまだ書籍は未読。
だが既にKindleで購入したので、これから読破が
楽しみで仕方ない。
 
「能力主義」とは付加価値を生み出す能力と
捉えられているが、その“付加価値”は金額の
大小だけが指標ではなく、満足度、感謝、信頼、
愛情、恩送りの実践など、目に見えない指標も
本来はあるはずだ。そこを蔑ろにするから
社会は「冷たいピラミッド構造」になっていく。
 
『私たちは共同体として互いに支え合っている』
という彼の一言はとてつもなく重い。
 
 
コロナ禍は人々を疲弊させ、社会構造を蠱惑的に
変えつつある。しかしこれを奇貨として、
ピラミッド構造から「円卓共同体構造」に認識を
変えられるなら、それは産業革命・情報革命に
続く「生き方革命」になるのではないか。
 
尊厳を贈り与え合う社会に。
そんな希望を持てた哲人マイケル・サンデルの
新著を前に筆を取った。
 
 
◎今日のひとこと◎
 
「自然も、人体も、社会構造も同じはず。
 水には水の、土には土の。
 手には手の、足には足の。
 金融には金融の、配達員には配達員の。
 その役割の違いがあるだけで貴賤ではない。
 それは失ってから氣づく、命を支えるお役です。」
 
    中本明宏(輝きクリエイター)

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