加賀屋もつ三郎

東京・埼玉を中心に約50店舗存在するもつ焼きチェーン・加賀屋。 ただ一途に加賀屋で飲み…

加賀屋もつ三郎

東京・埼玉を中心に約50店舗存在するもつ焼きチェーン・加賀屋。 ただ一途に加賀屋で飲み続けてきたファンの視点から、「なぜ今加賀屋なのか」について考えます。

最近の記事

加賀屋鶯谷店論ノート(個室ビデオの個室の中もつ焼きのにおいは流れる)

山手線を下車し、鶯谷駅のホームに降り立つと、すぐ、林立するラブホを眺めながら、胸いっぱいに深呼吸する。ラブホテル街の空気が並外れて清浄であることは周知の事実だが、ここ鶯谷駅周辺の空気のうまさは国内随一、と有識者は口をそろえる。近年では、世界中から肺病病みが療養に押し寄せるため、周辺のラブホテルで空室を探すのが極めて困難になっている。鶯谷というエリアそのものが巨大なサナトリウムと化している。 先日、知人に誘われて青森の奥入瀬渓流を散策した。その地の空気が相対的に「きれい」であ

    • なぜ世界のエリートは加賀屋で酒を飲むのか

      「地域の酒好きおじさんに愛される大衆酒場」というイメージの加賀屋だが、近年、客層に大きな変化が生じている。 私がこの変化に気付いたのは、2年ほど前だった。水道橋店のカウンターで飲んでいると、隣の席に座った客が、明らかに「近所の酒好きおじさん」とは一線を画した雰囲気であることに気付いた。周囲のおじさんがスポーツ新聞を読んだり、ぼんやりと店内のテレビを眺めたりしながら飲んでいる中、この男性客はカウンターにノートPC、それもMacBook Airを広げ、何やらプレゼンテーションの

      • 加賀屋島田店の閉店

        加賀屋島田店が2021年5月をもって閉店したという。私はこのことをTwitterで知った(コロナ禍の発生以降、私は定期的に「加賀屋 閉店」でTwitter検索をしている)。今となってはアカウントが非公開になっているため詳細不明だが、お店のInstagramでもコロナ禍で経営状況が厳しい旨の投稿があったようだ。 島田店は、静岡県のJR島田駅前にあった関東以外に立地する唯一の支店で、加賀屋ファンにとっては「全店制覇における最大の障壁」として知られていた。私も加賀屋巡りを始めてし

        • 加賀屋三鷹店について

          【2021/8/17追記】その後、三鷹店の前を通る機会があったが、店の左側半分はビルごと解体され更地になっていた。もしかすると、「大規模なリストラを実施した」というより、単純に耐用年数を超えたビルの取り壊しによる、やむを得ない店舗縮小だったのかもしれない。もしそうであれば、以下の文章は私の思い違いにすぎないことになるが、実際のところはどうだったのか・・・ 私が初めて訪れた加賀屋は、学生時代のアルバイト先から至近距離の三鷹店だった。この話は初めての投稿にも詳しく書いたので省略

        加賀屋鶯谷店論ノート(個室ビデオの個室の中もつ焼きのにおいは流れる)

          加賀屋をハシゴする

          秋葉原駅について、私がまず足を向けたのはドラッグスアだった。この後のハードな行程をできるだけ快適・スムーズに駆け抜けるため、肉体の「仕込み」を済ませてしまおうという算段である。 ドラッグストアでは、個包装のサクロンと、ヘパリーゼ2本を購入する。人工的な雰囲気のグリーンがいかにも「効きそう」なサクロンを1包飲み干してから、ヘパリーゼも続けて内臓に送り込む。 すぐに駅改札に引き返すと、すでに友人のFが待っていた。1本余分に買っておいたヘパリーゼを進呈し、彼がそれを飲み干すのを

          加賀屋をハシゴする

          加賀屋にWi-Fiを…

          加賀屋について考える上で避けて通れないのが、客層の年齢の問題である。どこかの支店に足を運んだことのある方ならご存知だろうが、加賀屋の客層は、スタバやGong chaのそれと大幅に異なる。一言で言えば、中年以上の男性客が多い。 私は以前、北千住にあるスタバに立ち寄った後、加賀屋に入店したことがあるのだが、これが同じ街にある飲食店かと驚くほどに、店内の雰囲気がまるで異なっていた。 スタバでは私の席の後ろで、落ち着いた照明の店内でも顔面が白光りして見えるほど徹底的なメイクを施し

          加賀屋にWi-Fiを…

          加賀屋と東京三大煮込み

          都内在住の酒場好きなら、だれでも「東京三大煮込み」という言葉をお聞きになったことがあるだろう。なんでも酒場ライター界の巨匠、太田和彦氏が提唱したものらしいが、 月島「岸田屋」 北千住「大はし」 森下「山利喜」 上記各店の煮込みが東京を代表とする煮込み三選とされている。「東京三大煮込み」というフレーズは実際かなり人口に膾炙していて、3店舗とも一種の「聖地」と化しており、半ば観光的な意味合いでこれらの店を訪れる酒場ファンも多い。 私は3店とも訪れたことがあるが、いずれの店の

          加賀屋と東京三大煮込み

          加賀屋と私と早大生とカシラ

          昨年の夏、仕事帰りにふらりと加賀屋早稲田店を訪れてみた。奥のほうにあるカウンター席に腰掛ける。 通常、私が加賀屋で晩酌するときは、煮込みか串焼きかのどちらかを肴のメインに据えることになるのだが、この早稲田店には「かしらニンニク和え」という、食べごたえがあり酒のすすむ逸品があり、これも当然メイン候補に加わってくるので、注文の組み立てのバリエーションが一段階広がることになる。なお、加賀屋の中でもかしらニンニク和えを置いている支店は少なく、ぱっと思いつくのは、築地店と、神保町の加

          加賀屋と私と早大生とカシラ

          加賀屋ホームページと秀和物産

          加賀屋について知りたい、それも食べログに掲載されているような各店舗の営業情報や口コミではなく、加賀屋という居酒屋チェーンについて俯瞰的な視点を得たい…と思い立った人間がまず最初に発見するのが、(有)秀和飲料が運営している加賀屋の公式ホームページだろう。 初めてこのサイトを訪れた加賀屋ファンは、ひとしきり店舗紹介やレトロなデザインのBBSなどに目を通してフムフムとなんとなく頷いてみてから、ん?秀和飲料って何者?という当然の疑問にぶつかることになる。血の気の多い加賀屋ファンなら

          加賀屋ホームページと秀和物産

          なぜ今加賀屋なのか

          三鷹駅北口の正面からのびる商店街を3分ほど直進し、東急ストアを横目に見ながら左手に折れると、赤い看板の居酒屋が現れる。 店の外観はいかにも昭和風・おじさん好みの和風居酒屋で、看板には「ホッピー・大串もつ焼き・特製煮込み」の文字。 不思議なのは、この居酒屋が隣り合った二つの雑居ビルにまたがって営業しているところだ。両ビルの1階にそれぞれ同じ店名の看板と入口があり、一目では、これが一応それぞれ別の店舗として営業しているのか、それとも同一の店舗なのか判別がつかない・・・もちろん

          なぜ今加賀屋なのか