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入院生活、開始。

手術の翌日は調子に乗って歩いてはいけない

 手術の翌日、朝6時すぎに目覚める。
    昨日の看護師さんからのお話では、翌朝は様子を見て大丈夫そうであれば歩行訓練をしましょうということだった。看護師さんが来て、朝とくに気分が悪いということはなかったため歩行訓練。

 丸一日寝ていたので、フラフラしないか、点滴スタンドを持って歩けるかチェック。特に問題なく歩けたが、身体に管が通っている状態というのは慣れない。
 体につながってる管は2つ。1つは点滴の管、もう1つはお小水を膀胱に溜めずに体外に排出するカテーテル。

 昨日はお風呂にも入れていないので、体を拭いてもらう。カテーテル目視。 下半身も簡易シャワーをつかって洗ったが、前腿に茶色い液体の跡みたいなのがついていた。昨日の手術の跡。全く感覚はなかったけど、腫瘍を取ったのだなと改めて認識する。
 渡してもらった簡易シャワーは、柔かいボトルの蓋部分に穴が開いているものだった。この形式はアウトドアでも(もっと簡易なものだが)洗浄用に使う。やっぱり理にかなった道具なんだなと感心。

 もう歩いても良いということなので、お水の調達と、院内に併設されている図書館へ。点滴スタンドを引きながら歩くのはそんなに苦ではなかったけれど、膀胱内の手術痕が気になり、歩く時の力の入れ方が難しかった。なので、歩くときはゆっくり。
点滴スタンドも持ち上げて階段も上り下りできそうだったけれど、スロープを使ってゆっくり。スロープがあるって素晴らしいことなのだということがわかった。
 ふと、自分が街中を歩くときに、ゆっくり前を歩く人に「ゆっくりだな」と思ってサッサと通り過ぎていることを思い出す。
 スロープにしても、歩く速度にしても、自分がその身になってみないとわからないことばかりだなと思った。これも、貴重な体験。

それから、歩いている間に一般の方からまじまじと見られた。明らかに体から管出てるし気になるかもしれないけど、そんなに見ないでよ。心配とかじゃない、変な視線。変な感じ。翌日から、そんな視線にも慣れるんですが。

 コンビニでお水を買って、図書館で本を借りる。もちろん、そんなに沢山の本があるわけではないので、自分で買って読むことはないだろう本借りた。しばらく歩きまわっていたら、お小水をためる袋の中の色が少し赤くなっていたので病棟に戻ることにした。当たり前だけど、身体の中には昨日メスが入ったばかり。あんまり歩き回ってはいけないですね。反省してベッドに戻る。

排尿痛で悶絶

 お水をよく飲んでいる間は感じないけれど、たまにビリリとした排尿痛を感じる。管通していて勝手に流れているのだから、そんなに感じないはずなのに。と思いながら。とても痛い。膀胱炎のさらに痛い版みたいな感じ。

 慣れないのがたまに尿意らしきものを感じる。感じるのに当たり前だけど管が通っているので、出ない。その時がすごく痛い。 痛くて、お小水が出る感覚があって、必要はないがお手洗いに行く。で、用を足すような格好をする。管から薄く赤いお小水が出る。痛い。

 結局、尿意を感じるたびにつらくて、鎮痛剤を処方してもらった。 すこし治ってきた。水もよく飲むようにしたら、よくなってきた気がする。後々、歩き回りすぎて管が通っているまわりの皮膚が擦れたのではないか、ということに気づくのですが。

 この日は母が来てくれた。 元気な姿を見て、安心して帰ってくれた(と思う)。なんだかんだと、母というのは気丈だ。後日、「母親は家の総務部みたいなもん。何かがあってしょげてちゃ家の中が回らない」と母は言った。母っていうのは、きっと段々に強くなっていくものなのだろうな。

 実はこの日あたりから生理の予定だったのだか来なかった。やはりストレスで数日は遅れるのかな。 お隣のおばちゃんが、熱が下がらず、食欲がないと看護師さんに話していた。心配。よくなりますように。

 

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