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【お悩み共有】20代日本語教師のしゃべり場#taoyacafe06に参加したよ

こんにちは。日本語教師のえふです。
今回、初めてZOOMを活用した交流会イベントに参加してみました。

今回参加したのは、@ゆりさん企画の【#taoyacafe】第6回です。
(これまでの開催レポートもnoteに上がっています)

ここ最近、twitter界隈で日本語教育業界の方の発信が活発ですよね。
自分は今まで、どちらかといえば読む専門(発信<受信)だったのですが、今回初めてこういったイベントに参加してみたので、その様子をレポートしていきたいと思います。


目次
0.はじめに
1.専任教員の負担…授業中にスマホって取り上げる?
2.日本語教師のキャリア…本当にこの給与で「生活」できるの?
3.テスト問題ってどうやって作るの?
4.私たちの収入は上げられるの?…副業という視点から
5.国内教員と国外教員での「悩むポイント」の違い
6.おわりに…やっぱり話すの大事


0.はじめに

今回の参加者は全部で6人。現役の先生だったり学生さんだったり、はたまた国内の専任日本語教員だったり、国外で教鞭をとっていたりなど、それぞれ十人十色のバックグラウンドをお持ちでした。
簡単な自己紹介の後、順番にお悩みの共有に入っていきました。

1.専任教員の負担…授業中にスマホって取り上げる?

1人目の参加者からは「(国内の)専任教員の負担、大きすぎる」という相談が。自分も国内の日本語学校で専任教員をしているので、思わず「うん、うん…!わかる…!」と頷いてしまいました。笑

これ、国内の専任教員にとってはかなりのあるある話なんですよね。

生活指導の一環として、授業中に携帯電話でゲームをする学生からスマホを取り上げる…。非常勤の先生方の人間関係を調整する…。ひいては学生から「アルバイトを探してもらえませんか」「アパートの保証人になってください」と頼まれるなど、もはや「何でも屋」状態になってしまう…。というのが国内専任教師の現状だったりします。
(もちろん保証人にはなりません)

結論、現状として
授業の準備時間<それ以外の雑務」
という感じなのは、否めないよね…と言う話になりました。

そして、ここでほかの参加者さんから意見が。

いや…そもそも携帯電話取り上げるのっておかしくない?

…確かに、言われてみればその通りなんです。
義務教育ではない日本語学校で、正直なところ、授業中にスマホをいじって損するのは学生のほう。
それを「とりあげる」ってどういうことよ?って言う意見です。

このあと多数決(?)を取ったのですが、
そもそも取り上げることに反対って意見が6人中6人となりました。

私含め「どうして携帯を取り上げるのか」、その理由ってはっきりわからないよね…
…という意見が多数になったのです。

そう…。私自身も「なんとなくみんながそうしているから」学生からスマホを取り上げていたのです…。

もちろん、一人の従業員として
「学生のJLPT合格率という実績がないと、自分の査定に響く」
→「だから学生を授業に向かせるためにスマホを取り上げる」
という、大義名分らしきものはあるんですけどね…
(このあたり、改めて独立した記事にしたいと思います)

学生への生活指導が一部の「熱心な」先生によるエゴにならないよう、気を付けていかなきゃと思いました。学生がスマホに走るのは、もしかしたら自分の授業に魅力がないだけかも知れないわけですし…。

2.日本語教師のキャリア…本当にこの給与で「生活」できるの?

2つ目の質問は現役の大学生から。ざっくりいうと日本語教師のキャリアのことで「非常勤からスタートする日本語教師が多いって聞くんだけど、正直【生活】ってできるの…?」という内容の質問でした。

この質問に対して、ほかの参加者(国内/海外それぞれの現役日本語教師)からは様々なアドバイスがありましたが、

「正直難しい」
「日本語教師は、他の仕事をしてから後からでも選べるもの」
「一般企業で働いた経験は、日本語教師になってからも活かせる」

と言う意見が出ました。
厳しいってことだと思います

…正直なところ、難しいですよね…。
月12万で生活するの、かなり苦しいです…。(かつての実体験)

日本語教師の待遇については様々な意見が色々なところで交わされていますが、この場では「一般企業に就職してからでも、遅くない」といった方向で意見が収束していってしまいました…(切ない!)

3.テスト問題ってどうやって作るの?

3つ目のお悩みは、国外で日系企業を目指すN3レベルの学生を対象に指導をしている先生からのもの。

・N3レベルの(会話)テストを作成するが、難易度調整が難しい
・他の先生はどうやって(会話やそれ以外の)テストを作成しているのか?

と言うお悩みの相談でした。

ここでは国内組(自分含む)から「これまでに扱ったテストの文法項目を書き換えたりしてテストを作成することが多い」と言う意見が出ました。

一方で、主催のゆりさん(国外組)からは、会話テストの新たなアイデアが出ました。ざっくりと流れを書くと、

 「あらかじめテーマを定めて学生に提示」→「1分間の動画を作成させる」→「録画した動画を自分のアドレスに送付してもらう」

といった具合で会話のテストを行ったことがある、とのこと。

会話だと急いで評価を行わなければいけないが、動画だと落ち着いて評価を行うことができる」というこの手法の利点の解説もありました。確かに!

また、この話題では他にも【会話力の測り方の難しさ】【そもそも会話力とスピーキングでは測るものが違うのでは?】等の話についても盛り上がりました。

最終的には「国内の学校か国外の学校か」そして「学習者が何を目標としているか」でテストのやり方も内容も大きく変わりがちだよね、という形に様々な意見が収束していきました。ほんとにその通りだと思う。


…ちなみに自分の担当クラスでは、
①面接で使うような質問課題を事前に提示
(例:尊敬する人は誰ですか?など…)
②学生に文の準備&暗記をしてもらう
③1人2~3分、面談形式で実施
…みたいなやり方で会話テストの実施・評価をしていました。

「将来の面接でも役立つ」「進路指導も兼ねられる」という利点もありますが、これを20人分まとめて一気に行ったので、結構な労力を使いましたね…。
(書いてて気づいたけど、これ厳密にはスピーキングのテストだ…)

4.私たちの収入は上げられるの?…副業という視点から

4つ目の質問は私から出しました。
昨今、日本語教師の待遇改善についての議論が各所で出つつありますが、ここでは「収入を複数の場所から得る」ためにはどうしたらいいんだろう?ってテーマで相談させてもらいました。

主催のゆりさんより「収入が複数ある人?」という質問があったのですが、
この質問に対して、

収入が複数あるのは「1人」でした。

その方に現在の収入をざっくり説明してもらうと、

①非常勤講師
②Skypeレッスン数件
③プライベートレッスン数件
④その他もろもろのイベント・コンサル・イラストなどの収入


…の、主に3つの柱(+α)が収入源になるとのことでした。

収入が1つじゃなくて複数ある、というのは精神的な面でのプラス面も大きそうですよね。
加えて、この話題では副業(複業)をするうえで、さらに以下の3点がポイントになりそうだよね、という話題になりました。

時間に余裕があるかどうか
→メインの仕事が忙しいと、副業どころじゃなくなりそう

始めようと思っている副業が「その人じゃなくてもできる副業なのか」「その人じゃないとできない副業なのか」を見極めるのが大事
→株や不動産などの「誰でも始められる」ものと異なり、私たち日本語教師には「日本語を教える」という名の特殊スキルがある

疲れた場合は休みながら続けていく。無理なく続けていくのが大事
→色々な副業をしてみて、最終的に【続けられる】のは、前述の「その人じゃないとできない副業」に落ち着きそうだよね、と言う話に発展

上のポイント以外にも、この副業に関する話題では「自分が動くのではなく『自分の作っている売り物が勝手に働いてくれて、お金が入ってくる』システムを構築できるといい」と言う意見が出たり「Facebookグループを活用した副業」に関する実例の紹介があったりしました。

私自身、現状として収入源は「今の職場だけ」なので、ああなるほど、日本語教師としてのスキルを職場以外で活かすことで、こうやって収入源を増やすことができるんだ…!と、目からうろこなお話ばかりでした。

(なお主催のゆりさんの働き方はラジオにまとめられているみたいです。興味のある方は是非!)


また、最後には副業・サイドビジネスに関連して「ここ最近で、Twitterを使っている日本語教師(を目にする機会)が増えたよね」という話題になりました。自分自身もその流れに乗った一人ですが、明らかに「日本語教師のフォロワー」の方が増えたなって感じることが多いんです。
(実際、9年使っている本アカよりも日本語教育関連のアカウントの方が、この1年で一気にフォロワー数が増えました…笑)

またネットの活用にいち早く取り組まれた先駆者として、最近では「冒険者メソッド」を出版された村上吉文先生のご活動についても話題が出ました。


みなそれぞれ背景の違う参加者が集まったのに、その全員が村上先生を知っていました…これ、よくよく考えたら、本当の本当にすごいことですよね。
(村上先生、昔からファンです)

5.国内教員と国外教員での「悩むポイント」の違い

残り時間もわずかな中、参加者からの最後の質問となりました。
「国内と国外の日本語教師の、悩むポイントの違いって何だろう?」という質問に対し、国内組・国外組それぞれから様々な意見が出ました。

ここでは主に悩むポイントが変わる背景として、「学生の学習目的の違い」が大きいよね、と言う話に。

ざっくり分けると、
国内:進学を目的としている学習者(専門学校や大学)
国外:趣味で学習している学習者、日系企業への就職を目指す学習者

という違いが、異なる悩みを生み出すのでは?
という意見が出ました。先述のテスト作成の話題もそうですが、「学習者の学習目的」がそもそも違うのだから、対応する先生の悩みポイントも変わりますよね。

このほかにも「国外では、職場=日本人コミュニティの狭い世界になるから人間関係の悩みが出がち」「頼むからまっとうな授業をしてくれ、っていう先生、いますよね…」とバラエティに富んだ話題がそれぞれの参加者から出されました。
(本当はまだまだ話題が尽きない感じだったのですが、ここでイベント終了時刻間近となりました)

6.おわりに…やっぱり話すの大事

そして最後は感想タイム。
参加者からは
「同じ年代の人と話ができて、気持ちが和らいだ」
「とてもいい刺激になった!」
「実際に働いている日本語教師の方のお話を聞けるの、本当に貴重(学生参加者)」
といった意見が出ていました。

自分自身、今の職場以外で日本語教育に関する話題を出す機会がそうそうあるわけではないので「普段、職場の同僚にはなかなか相談できないこと」を話すことが出来て、本当にすっきりしました。

何よりも同世代の方と話ができたって所も大きかったなって思います。
そして「悩んでいるのは、自分一人じゃない!」ということが分かったことも、大きな力になりました。こういうイベントがあるんだよってこと、リアルの方でも宣伝していきたいなって思いました。

ここまで、今回参加した「#taoyacafe06」のイベントレポートでした。

…今回こういったレポート記事を書くこと自体も初めてで、いろいろな試行錯誤の末にようやく書き切ることが出来ました…。今この文章を書きながら、ものすごい達成感を味わっています(大変だったけど!笑)

改めて、主催のゆりさん、そして参加者のみなさま、楽しい時間を過ごさせていただき、本当にありがとうございました!

そしてこの記事をお読みになっている方、ぜひぜひ「#taoyacafe」に参加してみてください!世界が広がるよ!ではでは。


おわり

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