AI美女パッケージの"おもちゃ"グッズは、メーカー・製造・小売業を救うのか?
この記事では、かなり固い話を取り上げます。
画像AIに革命を与えたStable Diffusionが世に出てきて1年が経過しようとしていますね。それらは俺らのように趣味や同人で使われるだけではなく、実際の企業も自社プロダクトの広告に活用するシーンが増えてきました。さらに広告だけでなく、商品パッケージにも使われる事例もあり、俺はそれを見て「そ……ッそうきたかァ~~~~ッ」と烈海王顔して驚いたことが幾度とあります。同時に、小売商品の企画会社にとって画像生成AIは福音なのではないか、と考えたのです(……あ、これ書いてる最中に、伊藤園のお~いお茶に、画像生成AI活用が正式発表されましたね!)。
俺の記事では、いままで画像生成AIのノウハウを紹介してきましたが、今回は趣向を変えて、商品企画から小売タームに至るまで、画像生成AIが与えるインパクトって結構すげーんじゃないか、そして【令和最新版】アフター画像AI時代におけるクリエイターの戦い方みたいな話を、実際の商品になぞらえて解説していくという、クソ真面目な内容になります。
さて、その紹介する商品とは……ジョークグッズブランドのタマトイズからリリースされたエラストマー製グッズ、AIVシリーズです。
つまり、今日はオナホで固い話をします。
俺のスキルセットとしてIT一人親方と広告屋をやってますが、過去におとなのおもちゃ屋さんで働いていた為、誰よりもこの商品のスゴさを解説できる自信があります。 ワタシオナホチョットワカル
……あ、今回の話はアダルトグッズの話から展開しておりますが(業界構造が特有である)アダルト業界とは別に、自社パッケージのプロダクトがある通常の企業様でも参考になるようなお話になるかと!
……なんですが最初はひたすらオナホ語りという怪文書が続くので、お急ぎの方は以下目次から「商品企画から見た、画像生成AIパッケージを採用するメリット」をご覧ください。
挨拶が遅れました、どうもーこんにちは、好きなオナホパッケージは夢無花果(販売:ホットパワーズ)のカガミカミ水鏡です。あの現代日本画みたいなセンスはずるい。
売れる商品(オナホ)には2種類ある
さて、オナホールの中でも一般的なハンドホール(つまりごく普通のオナホ。以下、トルソー型やラブドールなど5kg・定価1万円を超える高価格帯オナホの話は除外)という商品なのですが、これはメーカー目線で語れば、比較的開発が容易で開発スパンが早いものだと思います。
原価自体もオナホの主成分である熱可塑性エラストマーはシリコンよりも、さらに電マなどの機械製品などより安くできるし、サプリメントや媚薬クリームと違って薬事法や原材料調達に影響されることもない。プロトタイプモデリングから金型を作り(オナホの場合、外側の金型を使いまわし、内側……つまり穴の金型を入れ替えてバリエーションを出すことが可能)生産開始までこぎつければOK。そもそも自社で開発せずに、中国あたりのOEM工場から出来合い持ってくる方法もありますね。わぁ、オナホ作りってカンタン!(とドヤるとホッパ自社工場の中で正座させられそう)
だから参入が容易で、市場の競争が激しくなる。
そのためメーカーでは月に1~5個くらい新しいオナホをリリースし、売って、うち半数以上が、1年ちょいで売れずに廃盤。残り3-4割が、再生産かけつつも3年後に終売。それは売れなくなって廃盤というケースもあり、売れてもコラボや宣材の関係、または部材や工場、諸々の関係で終売。そして残った一握りがファンを抱える「名作」として売れ続ける、という感じです。
じゃ、月の経常を黒字にできるオナホって何だ? と言われると、めっちゃはしょれば、たったの2パターン。そのどちらかを達成しているか、或いは両立しているかの、どちらかです。
1️⃣ モノが良い(プロダクトそのものの品質が良い)
オナホールの場合それは、穴が良いか否か、という話につきます。
代表例として何個か上げたいほどなんですが、一つだけ選ぶなら……後の穴構造に多大なる影響を与えた伝説のオナホ、ヴァージンループ(販売:RIDE JAPAN)がこの間、発売10周年を記念した特別パッケージを発売してたんですよね。俺も買ったんですが、特別モデルのツートンが限定品にするには惜しいレベルで……本題外れました。
開発から終売までの新陳代謝が早いオナホールの中でも、穴さえ良ければ10年売れ続けたりもするんですね。ですが……本当にごく一部だけ。 穴の理解や開発ノウハウなどあれど、確定して気持ちいい構造が出せるものではない。企画会社にとっては、10連SR保証もない、SSR天井保証すらない、クソみたいなガチャを毎年10~50引き続けるようなもんなんです。それくらい、モノで勝負するというのは難しい。
でも、オナホ売りにとって……いや、アダルトグッズ業界以外でも、恐らく全てのメーカーに該当すると思うのですが、もう一つだけ、戦いの筋があるんです。
2️⃣ パケが良い(イラストor写真が可愛い、推しが出てる)
オナホは特に、アートワークで売上が左右されます。要は、パケ買い需要が高い商品なんですね。
例えば今回本題メーカーのタマトイズはパケをまるごと漫画にしたオナホをリリースしたりなど、最もアートワークに注力しているアダルトグッズメーカーのひとつ。界隈で人気があり、絵の個性が特徴的な同人作家・イラストレーターを採用する傾向にあり、その作家様のファンが買っていくというのも多いですね。俺もはかばさん(ピチスー表現が超絶上手い)のヤツはよく買いました……
また、ゲームコラボも勝ち筋の一つ。最近だと、同人CG作品やVTuberコラボのオナホも。AV女優コラボも売れ筋です。固定ファン層が二次元イラストよりも厚く、出せば(イラスト以上に女優さまの人気に強く比例しますが)手堅く売れます。
ですが、イラストレーター様起用も、女優様コラボも、美しいパッケージにこだわればこだわるほど、商品企画から生産開始までのスケジュールが伸びがちになってしまう、という欠点があります。……詳しい理由は後ほど。
しかし、その欠点をおぎない、迅速に美しいアートワークのパッケージを作り、超高速でシリーズ化しているオナホがあります。それが今回の目玉、AIVシリーズ。
AIVのパッケージを画像生成AI限界オタクが解剖!
実はAIVシリーズ、2023年8月時点で、既に3シリーズリリースされてます。いや待て商品展開はやすぎん!? 2023年4月の時点で画像AIを使ったパケで市場に載せてたってことでしょ!? 何気にAIパケ最速記録なのでは!?
※2023年9月現在、というか記事書いてる最中にNo.04出ました。早ぇよ!
なおココでは触れませんが、実は2023年3月の時点で、タマトイズは「穴の形状をAIに学習させて生成した」というオナホを発売しており、メーカー発表を素直に信じるのであれば、タマトイズは2023年1月以前から画像AI技術を用いたプロダクト開発に着手していたということになりますね。
いやVHSやDVDやVRもそうですけど、やはり最新技術はエロ業界から広まっていくものなのか……!
さて、No.01とNo.02はおよそ2ヶ月。シリーズモノのオナホとしては、ハイペースなリリースかなと思います。
どちらもリアル系、やや2.5D寄りのモデルを採用していますね。タマトイズはオナホ業界にしては比較的珍しい、実写の女優さんなどリアル系パッケージで推してこなかったブランドなので、その分野で攻める為にAIを活用したのかな。また既存のイラストレーター様との兼ね合いというのもありそうですね。
んで、のNo.03のパケがこちら。AI美女にはコスプレさせやすいのも魅力ですね! 巧い具合に、なんかのコスプレだけど、他に似てる作品のキャラが思い当たらないという所を持ってきてます。
ウィッグの毛がまばらに立っているあたりも、非常にリアル。風の強さとかを考えさせられるので、写真の女の子にも動きの要素というか、躍動感、生命感が出るような巧い表現だと思います! まあイキイキも何もAI画像なのですがコレ。
商品企画から見た、画像生成AIパッケージを採用するメリット
さて一通りAIVのパッケージについて説明したところで、本題に入っていきましょう。企業が画像AIパッケージを採用するメリットとは?
【企画段階】短時間で案を多く出せる、生成しながらのデザインブレストも可能
画像生成AIの魅力は、一つのプロンプトで、様々な案の、似た内容の画像を、大量に生成できること。RTX3060クラスのGPUを積んだPC1台あれば、たたき台の画像を1時間で100枚以上作ることもできるでしょう。
もちろん画像生成AI自体はまだ完璧な技術でなく、半数は体や指や服がグチャってたりするので、ある程度のピッキング作業は必要になりますが、それでもより多くの選択肢を上長にプレゼンするには十分すぎる数のアートを提示することができます。
これだけ生成が早いならば、例えば会議の場に、GPUサーバをリモート接続し、会議中に意見とプロンプト案を出し合い、生成してフィードバックを繰り返す、という、今までにないデザインモック構築も出来そうですね。リアルタイムコーディングならぬ、リアルタイムプロンプトエディッティング?
【進行段階】アートワークにおける進行管理の手間を大幅にカットできる
これはイラストレーター様や女優様を始めとした人物モデル様を起用する場合との比較になるのですが……これらのアートワーク立案からパッケージ原稿完成まで、数ヶ月ほどの時間が掛かります。2ヶ月から、最悪1年かかるケースもありますね……
よほど懇意にしていて緊密に連携が取れているアーティストさんか、社員扱いのグラフィッカー、およびグループ内に女優事務所がある、という状況出ない限り、1ヶ月程度でパケ完成とは絶対になりません。
イラストの場合は、イラストレーター選定と契約→作業の進行管理→第一稿チェックからのリテイク→もろもろ→完成、となり、
モデル起用の場合は、モデル選定(AV女優様など、既にこの人ありきで進行するケース多いです)→モデル様やカメラマンなどスケジュール調整→スタジオなど借りて撮影→もろもろ→完成 となります。
多くの人材が関わることになるため、時間見積が狂いやすいのです。特に上記の「もろもろ」の部分。先方のスケジュール変更や、案稿から完成原稿までのパスが非常に長くなってしまうなど、多くの不確定要素がつきまといます。この不確定要素により、予定発売日の遅延、最悪の場合、企画倒れになってしまうケースも実際あります。
まあその……スケジュール延期ならまだいい方(よくねえよ)で、急に連絡が取れなくなったり、急にご自身のやむを得ないらしい都合でキャンセルになったり、発売直前にリコール情報をリークしたり……やはり仕事をさせるには、人類は早すぎたのだ……
ですが、画像生成AIで、社内のエンジニアまたはデザインチームが協業で触れる状態にあるならば、進行管理にまつわる不確定要素が大幅に減るため、リスクを抑えて、商品リリースを維持することができます! ……まあ、リリース遅延は外部要因よりも、開発や製造や物流関連の方も多かったりしますが、そちらは画像AI使ってもどーしょうもない話っすね(戒め)
【進行から販売後まで】短時間で複数の差分画像を生成できる。急なデザイン変更・横展開に◎
パッケージあるある言いたい。撮影やイラスト校了後、パッケージに嵌め込んで社内コンペに出した時に「顔の表情と向き変えてくんない」「バニーコスの写真あれば良かったのに」とか上から降って来るアレ
無理だろ!!!今から!!!!!!!! リソース的に!!!!!!!!!! 最初から言え!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!(笑顔にするとかならまだしも、photoshopのAI系機能で出来ない複雑なリテイクが降ってきた時に発狂した際の台詞)
まあ、一般的には、パッケージのメインアートとは違う差分が必要になるケースが多いですね。例えば、販売店によりパッケージを変更する必要がある場合とか。撮影やイラスト案打合せ前であればバリエーションは持たせられるんですが、それ以降になると、各所にご迷惑がかかるカタチに。
……ま、こんな無理難題でも、その作成した画像のプロンプトをちゃんと残しているならば、それを元にimg2img+inpaintやcontrolnetなどを駆使して変更修正したりなど、比較的カンタンにできてしまうのがAI画像のいいところですね! (いや、AI画像生成に対する理解という新しいスキルは必要になるのかも……)
特にオナホは、ある特定のECサイト専用のパッケージ(と言っても宣材画像だけ)が必要になるので、AI画像と相性が良いと思っています。 例えばAIV No.03の"2枚のパッケージ画像"、お気づき頂けただろうか……? AIVシリーズはパッケージが2パターンあるのですが、どちらも同じNo.03。オナホパッケージに関しては、裸体だけでなく、裸体に近い水着の女の子までも、「肌色が多い女性の全身像」というだけで、商品掲載が取り下げになってしまうからです……そう、Amaz●nでは。
Amaz●nの野郎は18禁商品の事前警告があるにも関わらず、商品情報を自動巡回する商品管理AIが、女性の裸体や性交描写の画像(つまりオナホのパッケージによくあるやつ)を判定し、該当商品の掲示取り消し、ひどい時はショップごとAmaz🟠n八分(検索結果に反映させない)に掛けてきやがります。故にグッズメーカーは、顔だけアップしたりモザイクだらけの画像を掲示せざるおえないのです……。
オナホで生活している人もいるんです。
俺はAIを絶対に許さない!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
【財務で】開発コストを減らせる。原価企画時点でも予測が立てやすい
まあ、最後はゼニの話になりますね。諸々の費用が掛からないのは上長クラスや会計担当者にとってもアドバンテージになると言えるでしょう。
とはいえこの辺のコスト削減はぶっちゃけ重要じゃない会社も多いでしょう。一定数以上大きい会社であれば、かつ自転車操業状態でもなければ、イニシャルコストということで、ある程度無視出来るレベルだと考えてます。
それ以上に価値があるのは、商品企画の時点で、開発コストの見積が正確になること。
金銭コストはもちろん、時間コストも見積が容易になります。これはリリース計画の着地点も進行前から明確化できるということで、他に協業するデザイナー、生産部門、営業広報、卸部門なども動きやすくなります。経営タームに至っては四半期計画の解像度も上がるかも知れません。
まとめ:ライバル会社よりも速く、かつ安定したリリースサイクルで、美しいパッケージの新商品を出し続けることができる!
画像生成AI特有の柔軟性とフットワーク、またトラブル低減によるリリースサイクルの確保と安定化、それらがリリースペースの向上にも寄与すると思います。それこそが、AIVシリーズのリリースペースが早い理由だと俺は考察しています。
小売販売から見た、画像生成AIパッケージを採用するデメリット
画像生成AIに反感を持つ層が一定数存在する
現在の画像AIを取り巻く状況において、AIの学習モデルについての技術的法的知見があまり広まっておらず、つまるところ「画像生成AIは既存画像を切り貼りした著作物の盗窃」と考える層が存在します。
またSNS特有のエコーチェンバー現象により、偏った情報だけが集まり、自分が属するコミュニティが世界の主流、世間の常識と誤解し、中には一部先鋭化して……という負の連鎖が発生する問題が残されています(これは反画像AI界隈だけではなく、数年前から中規模コミュニティで問題になっていた現象です。まあ、俺らAI好きにとっても同様。気をつけなきゃ)。
まあそれが画像AIを用いた商品にとってどのような影響を及ぼす可能性があるかというと、具体的には通販レビューなどで低評価のコメントが付くリスクが存在するということでしょう。先に挙げたオナホレビューサイトのオナホ動画.comはコメントを公開しており一種のコミュニティを形成している規模でオナホファンの投稿が多いのですが、AIVレビュー記事のコメント欄でも、その一端を確認できます。
とはいえ、狭い業界ですがオナホール界隈にとっては、比較的無視できるのかなと考えています。実はオナホ動画.comで「【オナホアンケート】AIで生成されたイラストがオナホのパッケージに使われる事についてどう思いますか?」というアンケートを開催されておりました(noteからだと外部ブログへのリンク貼れないみたいなので、検索してみて)。
集計期間は2023年4月20日~5月22日、母数は357、票田のユーザ層は俺らイキ過ぎたオナホ限界オタク(このサイトはアニメマンガパロが多く、AV辺り
よりも二次元の層が強いですね)という辺りでご判断頂きたいのですが、
と語られています。
逆に「AIが書いたイラストのオナホールはちょっと嫌かもしれない・不買運動を起こすレベル」と嫌悪感を表明している層が11.7%あり、ここが多く感じるか少なく感じるかは、各利用ユーザないし各組織によりブレる所かと考えます。
アートワークのネームバリューで売ることが出来ない
ぶっちゃけコッチの方が大事な話だと思っています。AI画像は美しい画像を作ることは出来ても、現状「美しい」という価値だけしかありません。画像AIが作家性を孕んだ美術・アートとして認知されるには、まだ世間も技術も人材も成熟していない……
カンタンに言えば、画像AIは(まだ)ネームバリューのあるクリエイターがいないという話です。
エコーチェンバーの話を蒸し返すのですが、俺はSNSで画像AI界隈の方々を中心にフォローしており、中には他ユーザより頭ひとつ抜けて美しいアートを作られる方、個を持っているデザインを追求する方、マンガ表現をひたすら追求する方など、凄い方々の作品をいつも拝見させて頂いてます。でもそれは、それらの方々をフォローしているから俺にリーチする訳であり、画像AIに興味のない人にそれがリーチするのか?とは考えづらいです。
例えば商品パッケージで「~~の方がパッケージ担当しました!」と画像AIのクリエイター名を表記しても、それが(世間的に・またはニッチ層・またはクリエイター本人のファンに対し)アピールに繋がるのか? と考えると、それはまだ知名度的に難しいのかな、というのが正直な感想です。クリエイターが本気で作ったAI利用のアートワークには、本人の脳髄をそのまま反映したようなクセ=作家性がちゃんと内在するので、個性がないということは、絶対ないのですが……
ですが度々「まだ」と注釈を打っている通り、TIME誌に名前が乗った方や、商業誌での活躍が期待される方など、徐々に画像AIを活用したクリエイター様がネームバリューを上げてきています。 画像AIが実用化して広まったのはstable diffusionが発表された2022年8月辺りで、コミュニティもそこから広がっていったカタチなので、言うてまだ1年程度のコミュニティです。画像AIはまだ、黎明期にあると言えるのではないでしょうか。
だから数年後、この記事のこのセクションは「そういえば昔そんな空気感やったわ」程度になっているかも知れませんね。
オナホの話に戻りますね。目次2️⃣パケが良いの箇所で少し触れましたが、アートワークの実力だけでパッケージを売る場合と、イラストレーター様の(および女優様の)ネームバリューで売る場合がある中で、先の理由により、AIでは「まだ」後者のような売り方が出来ないかな、と思っています。
特にオナホメーカーで、イラストパッケージに必ず作家名を入れる・キーホルダーなど作家やキャラクターのグッズをおまけで付与する、など、作家性に商機を見出しているメーカーがあり、例えばホットパワーズ、ワイルドワン辺りも挙げられますが、作家契約数や商品リリース数を考慮すれば、そのトップランナーは間違いなくタマトイズでしょう。性癖ごとのグッズ展開と作家得意ジャンルのマッチングが非常に上手く、オナホを差し込める抱き枕や男の娘グッズなど、他の売れ線商品にもその筋で有名な作家を起用されていて、更にパッケージに利用したイラストの画集まで自社で製造してます(ISBNではなくJANなので本ではなくグッズである……この意味が解るな?)
そのため、ネームバリューで売れない(現状)AI画像はイラスト方面で起用しづらい、というのがあるのでしょう。なので写真に近い2.5D画像あたりを起用してきたオナホのAIVシリーズは、多方面展開で攻めるタマトイズにおいて空席だった場所にちょうど収まるプロダクトだったのかなと考えます。
逆に作家様の名前をいままで掲示していない=作家性に依拠していないメーカーも存在します(むしろ多数派はこちら)。メーカーの目的が「エロい女の子の絵・写真さえあればヨシ!」であれば採用に至るケースもあるでしょう……実は有名なオナホメーカーでも、めっちゃNovelAI顔した二次元パッケージのオナホを、8/1にリリースしてたんですよね……(断言できないので掲載しませんが、ギャルは大好きです)
おわりに:或いは、画像AIを利用するクリエイターと絶対利用しないクリエイターはこの先生きのこれるのか
というわけで各企業さまにおいて、画像AIのメリット・デメリットを並べたところの最終結論としては、ちゃんと得手不得手を理解しておけば、ブランディングから開発まで、良い成果を生み出せる可能性がある、というのが結論としてあります。特にデザイナー陣とエンジニア陣が連携し、画像AIのスキルを磨いていけば、素早い商品リリースとバリエーション豊富な販促を展開できる素地があるということです。
画像AIを利用しているクリエイターにとっては、自らの脳内イメージを、より明確に、新たな表現で出せるという利点はあるものの、マンガに使いづらい・表現に違和感が出る問題など、クリエイティブ作業の改善に落とし込めるかというと、研究途上というのが事実です。画像AIの技術革新は日進月歩ですが、ちゃんと追っていかないと技術に追いつけなくなることもあるので、ソコを注視しつつ、従来のイラスト技法や、アナログでも通用する絵画技法・芸術に対する理解などが強化されると、頭ひとつ抜けた作品が作れるようになるのかなと思います。俺は心の棚が広いので、俺の事を棚に上げて発言するのが得意です。えらいでしょ!
まだ画像AIを触っておらず、かつ興味のあるクリエイター様にとっては、俺としてはもう全員触って欲しいと思ってて、めんどくさい背景作業やラフ案のポン出しなどにみんな活用してくれ! とは思うものの、前述の通り、もうちょい進化せんと、まだ早いのかな……と思います(その意味では、AIピクターズのブラウザ画像生成やfooocusなどカンタンに導入できる画像生成AIソフトに期待してます、というか現時点でオススメです!)。
一方で画像AIを絶対に触らないという固い意志を持ち続けるクリエイターも尊重すべきです。その熱い魂が作品に生かされる事がいちばん大事!
(空焚きして精神エネルギーだけ消耗し、結果クリエイティブの手が止まる
事は最も望まないことです) 既存クリエイターの仕事が画像AIによって失われる、という懸念も存在しますが、先も述べた通り、画像AIではアーティストのブランド力を生かした展開が現状不可能なので、そこが攻め筋です。
この記事を書いていく中で個人的に思ったのは、全クリエイターにとって「ブランド力」を上げていくことが、最も大事な時代になってきた、という点です。ブランディング戦略の中でも、SNSや画像投稿サイトないし展示会・即売会で定期的にアートワークを発表する、という、よく知られるクリエイター価値の高め方とは別のレイヤー……イラストを必要としてそうな各企業様に、売り込みを掛けてみることが一番重要かも知れません。
アダルトグッズメーカー各社で限定して言えば、イラストレーター募集を定期的に掛けています。会社側から声掛けをするケースは、何かのイベントで名刺交換でも無い限りは、ほぼありません。この業界を嫌疑する方も多い為、声が掛けづらいのも一因です。
しかもアダルトグッズメーカーは、ネームバリューも選定要因の一つに入れますが、それよりも以下を重視するメーカーも多いです。
・イラストがパケ映えするか(薄暗い店内で遠くから見ても個性が出るキャラ・画調をデザインできるか)
・イラストが自社作品のターゲットにマッチしているか(つまり、グッズと作家性癖がマッチしているか)
・SNSなどの活動に問題はないか、だらしない箇所はないか
・解りやすい作品集があるか(ポートフォリオをすぐに提示できるか)
・Adobe Illustratorが使えるか(実は重要。パッケージに使う前提の為、クリスタや画像ファイルの入稿ではなく、CMYKや透明化対策などの基礎理解があるクリエイター様は本当に助かります)
つまりアダルトグッズ業界は、腕さえよければ、企業案件を獲得しやすいです(ってか、他の業界も、案外そうだと思いますよ)。それが商品としてリリースされれば、それは別の案件に展開できる未来まで見据えることができるクリエイター最強の武器……実績となるでしょう。仮に100社に打診してみて、1社でも通り、実際に商品が世に出たならば、更に今後の営業も通りやすくなるので、アーティストのキャリアパスとしては、本当にオススメです。そのため、落ちてもへこたれない、自分と他人の作品をdisりにいかないメンタルが重要になるのですが、それはもう落ちまくって、その度にブラッシュアップすることで、腕と魂を鍛えていける箇所ですので。
芸事でトンカツをいつでも食えるようになりたいクリエイターの皆様は、画力追求やSNSだけでなく、ぜひ「積極的な営業活動」も活動内に取り入れてみてください。そのためにも、ポートフォリオを定期的に入れ替える、SNSの自己紹介を定期的に見直しリンク切れなどを徹底排除するなど、企業が声をかける前にだらしない人間認定されないよう、デジタル身だしなみを整えてみてください。
最後に、オナホの話に戻りますが……実はこの記事は、AIVシリーズを買わずに書いたものです。ぶっちゃけエアプで記事書いてます。だって別に買わなくてもと思ってましてん。企業案件として見返り頂いて記事書いてるわけでもないですし、だいいち家にまだ20本ほど在庫あるし、まあタマプレミアム自社工場製は平均してレビュー高いから質の良さも解るし、通販もすぐ届くわけじゃなし……すぐ……
すぐ……
……
あああああああああああああああああ気持ちよかったです!!!!!!!!
ありがとう!!Amaz●n様!!!!私は幸福です!!!!!!! (レーザーガンで自らの頭を撃ち抜いたKGMKM-R-05の清掃処理をしながら)
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