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共有結合結晶②【改】

 ケイ素Si の結晶は、灰色で金属光沢があり、半導体の性質を示します。
意外と知られていませんが、ケイ素は地殻中に酸素に次いで多く存在する元素です。岩石や鉱石の成分です。

 ケイ素の単体は自然界では存在せず、酸化物を高温で還元してつくられます。具体的には、ケイ砂にコークスを混ぜて、電気炉で強熱すると、ケイ素が得られます。高純度の結晶の薄板は、コンピューターの集積回路(IC)や太陽電池などの材料として用いられています。

IC基板に利用されている

太陽電池

 二酸化ケイ素SiO2 も共有結合の結晶です。ケイ素の結晶中の各ケイ素原子Si間に酸素原子Oが入り込んだ結晶です。SiとOが交互に全て共有結合で結びついています。
 二酸化ケイ素は、自然界で水晶(石英)、ケイ砂などとして存在します。結晶は硬くて融点も高く、薬品に侵されにくいです。

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 人工の結晶は水晶振動子として時計に利用されています。クォーツ時計は水晶の時計のことです。

クォーツ時計

 高純度の二酸化ケイ素を高温で融解した後、冷やすと石英ガラスができます。石英ガラスは、カメラのレンズや耐熱ガラスなどとして用いられています。さらに、高純度のものは光ファイバーの素材になります。光ファイバーは胃カメラに利用されています。

光ファイバー

まとめ

〇 ケイ素は地殻中に酸素に次いで多く存在する元素で、岩石や鉱石の成分です。ケイ素の高純度の結晶の薄板は、コンピューターの集積回路(IC)や太陽電池などの材料として用いられています。

〇 二酸化ケイ素は、自然界で水晶(石英)、ケイ砂などとして存在します。

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