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水素結合

フッ素F、酸素O、窒素Nの原子間に、水素原子が仲立ちする形で生じる結合。

水素結合は共有結合やイオン結合よりは弱いですが、ファンデルワールス力よりは強いです。

(音声解説はこちらへ
https://stand.fm/episodes/60c133fead0648975c080e1e)

14族元素の水素化合物では、メタンから順に、分子量が増加するにつれて沸点も上昇しています。これは、14族の水素化合物がすべて無極性分子だからです。無極性分子は、分子量が大きいほどファンデルワールス力が強く働き、沸点が高くなっていきます。

しかし、15~17族元素の水素化合物では、それぞれの族の中で最も分子量が小さいアンモニアNH3、水H2O、フッ化水素HFの沸点が、分子量から予想される値に比べて異常に高くなっています。特に、水の沸点は100℃で異常に髙いです。これは、同じくらいの分子量であるメタンの沸点がー160℃くらいであるのに比べると異常な高さです。このことから、アンモニア、水、フッ化水素の分子間には、特に強い引力が働いていると考えられます。

この力は、電気陰性度の特に大きい原子である窒素、酸素、フッ素などが電子を強く引き寄せていることが関係しています。電子を強く引き寄せると、負に帯電し、一方の水素原子は正に帯電します。これによって、分子の極性が大きくなり、分子と分子の間にやや強い結合が生じることになります。これを水素結合と呼んでいます。

また、水素結合は分子間だけでなく、1コの分子内でも生じることがあります。ファンデルワールス力や水素結合など、分子間に働く力をまとめて分子間力といいます。

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