![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/54070107/rectangle_large_type_2_69ab1607c206db322d78c750dd0b97b2.jpg?width=1200)
ファンデルワールス力
どのような分子の間にも働く弱い引力。
(音声解説はこちらへ!
https://stand.fm/episodes/60bfe3ba3612c6393367e4e8)
高校化学では、分子間力とファンデルワールス力はほとんど同じ意味で使われることが多いです。厳密には、ファンデルワールス力や水素結合などをまとめて分子間力といいます。
ファンデルワールス力の要因には、瞬間的に生じる電荷の偏りがあります。分子量が大きい分子ほどファンデルワールス力が大きいと言われます。これについて少し考えてみましょう。
一般に、分子量の大きい分子は電子をたくさん持っています。分子が持つ電子の数が多いということは、それだけ瞬間的な電荷の偏りが生じやすくなるということです。よって、分子量が大きい分子ほどファンデルワールス力が大きいと言えます。ちなみに、分子量とは分子の相対的な質量を表したものです。
構造が似た分子では、分子量が大きいほどファンデルワールス力が大きくなります。ファンデルワールス力が大きくなると、分子と分子を引き離すためにより多くのエネルギーが必要になります。温度を高くしないと、液体から気体に変わりません。よって沸点が高くなります。
例えば、貴ガス分子を比べると、分子量が増加するにつれて沸点は高くなります。これはハロゲン分子でも同じです。フッ素F2、塩素Cl2、臭素Br2、ヨウ素I2の順に、分子量は高くなり、沸点も高くなります。
また、分子量の値が近いフッ素F2と塩化水素HClを比べると、塩化水素の方が沸点が高いです。これは、塩化水素が極性分子であるからです。無極性分子に比べて、極性分子の方が電荷の偏りが大きく、分子間力が強くなるためです。
メタンCH4とアンモニアNH3、酸素O2と硫化水素H2Sの関係も同じで、NH3やH2Sは極性分子であるため、沸点が高くなります。
〇まとめ
ファンデルワールス力・・・どのような分子の間にも働く弱い引力。
分子量が大きい分子ほどファンデルワールス力が大きい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?