緊急事態条項とは何かについて深堀してみよう

2022年5月3日に我が国の首相岸田文雄は「緊急事態条項の導入が必要だ」といったような発言を行った。
この岸田首相は、首相に就任してから特に何か具体的な政策をするといったような表明もなく、背後に見え隠れする様々な利権団体の言いなりにのままの行動をしていることから、一部では「操り人形」と言われているようだ。

そんな「操り人形」が発言した「緊急事態条項」とはどういったものか、深堀してみよう。

緊急事態条項とは憲法に定められるような条項であり、戦争や緊急の災害などの緊急事態となった場合には、法律や憲法で定められたことに反することであっても、国のトップである国家元首(日本の場合は内閣総理大臣)の号令によって行えることを定めたものである。

そもそも憲法とは、国家権力が国民の権利を侵害するのを抑制するためのものである。一方で、法律とは、国家権力が国民に命令するものである。
つまり、法律を根拠として国家権力は国民に色々命令ができるわけだが、法律によってめちゃくちゃにされないように憲法によって国民を守っているのだ。憲法で守られた権利については、たとえ法律で定められていても、その法律は憲法に反するという牽制をすることで国民を守る働きをする。
憲法が大切だと言われるゆえんはここであり、たとえ国民に不合理な法律が作られたとしても、憲法によって、そのような法律から国民を守ることができるというのが憲法なのだ。

しかし、その憲法に緊急事態条項があれば、「今、緊急事態が発生した」というだけで、法律や憲法を無視してなんでもできてしまうのだ。
たとえ法律や憲法を無視して好きなことができるとしても、とても信頼のおける国家元首によるものであれば、必要最小限の侵害にとどめるとともに、それをすることが国民全体にとって利益になることが期待できよう。

しかし、有史以来、この世界で素晴らしい権力者など、いたであろうか?
何をやらせても大丈夫なくらい、信頼できる国家元首が存在したことなどあるだろうか?しかも信頼できる国家元首による統治時代がずっと続いたことなどあっただろうか?

本当に優秀な経営者のいるベンチャー企業ならば、ワンマン社長の独裁的な行動も利点があるだろう。
しかし、国家というとても大きな規模で、「信頼ができるから何でもして良いよ」と任せることのできるような国家元首が存在し続けることなどあるだろうか。

国家権力から国民を守る最後の砦である憲法を、「緊急事態条項」を入れることで骨抜きにしてしまうのだ。
たとえ、「民主主義国」の看板を掲げる「憲法」が存在していたとしても、「緊急事態条項」を入れるだけで、「民主主義を骨抜きにして共産独裁主義」の国に変えることができるのが緊急事態条項なのだ。

最後に、最近、緊急事態条項を発動させようとしたカナダで何が起こったかを見てみよう。
カナダでは、コロナウイルスの流行を理由に、国全体でコロナワクチンの強制が行われていき、行動制限も行われ、国民の自由がどんどん制限されていた。
そもそも、コロナワクチンの強制は憲法違反であったにも関わらず、強制接種が行われ、接種を拒否した者は解雇されて職を失っていったのだ。
そんな中、カナダのトラックドライバーにもコロナワクチンの接種が強制され、それを契機にカナダ全土のトラックドライバーが立ち上がり、首都オタワに向かって集結して接種強制に反対するという平和的なデモが行われた。
カナダ全土で国民はトラックドライバーを応援し、数週間ほどで約10億円もの大金の募金が集まったのだ。
これほどまでに国全体で接種の強制に反対し、接種するか否かの自由を訴える平和的なデモに対し、カナダのトルドー首相はこれを「国内テロリスト」と認定し、緊急事態を発令した。
緊急事態の発令により、トルドー首相は独裁的に様々な命令を発動できるようになり、多くのトラックドライバーは逮捕されて牢獄に入れられ、トラックドライバーに集まった募金を凍結するとともに、トラックドライバーたちの預金口座を凍結した。
これに対してカナダの多くの国会議員が立ち上がり、首相に対して拒否権を発動させる形で緊急事態は解除されるような形となった。

お分かりだろうか。
緊急事態条項があると、このように大多数の国民が「やめてくれ」とお願いするようなことでさえ、独裁者と化した国家元首の一存であらゆることが可能となるのだ。
独裁者の鶴の一声で「預金封鎖」さえ簡単にできることをカナダは示してくれた。
これは大昔の話ではない。2022年2月という、たった3か月前の現代の話なのだ。

これが緊急事態条項である。
「コロナは怖かったですね。緊急事態条項を導入したら、コロナ対策は万全になりますよ」という一見、甘い言葉をかけることで、一瞬にして日本を共産独裁国に変えてしまうのが、緊急事態条項の導入なのだ。


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