心が弱くて傷つきやすい現代の若者には資本主義よりも共産主義が受け入れやすい理由

悪党はいつも人の弱みに漬け込むものである。
一方で、正義を貫くのは辛く厳しい道のりであり、勇気も必要とされる。
子供向けのヒーロー物語の主人公は大抵悪を恐れることなく勇敢に戦う。
それはまるで、立ち向かい続ける姿を見せているのだろう。
ヒーローたちが悪に立ち向かうにあたって恐怖に恐れ慄く姿と言うのはほとんど描かれず、勇敢さのみがフォーカスされる内容となっている。

だが現実には、われわれが世の中の巨悪に対して立ち向かう時、巨悪は大抵、巨大な組織であり、自分よりも社会的地位が高く、立ち向かうことで自らの現在の地位が脅かされる危険性が高いことになる。
つまり、実世界でわれわれが巨悪に立ち向かうと、立ち向かうだけであらゆる社会的不安を被る可能性があるのである。

一方で、共産主義と言うのは甘い言葉で紹介される。
「みんな平等が良いよね」「みんな等しく豊かなのが良いよね」「誰も不幸にならないのが社会主義(=共産主義)だよ」「社会の不平等の問題を解決するのは社会主義だ」といったような言葉が常にささやかれ続けている。
社会主義/共産主義の中身を理解すれば、社会主義/共産主義における平等は、一見、平等でみんなが幸せになるように見せかけているだけで、その実態はみんなが等しく平等に奴隷になって、みんなが等しく平等に貧乏で不幸せになることだと気付くはずなのである。

社会主義/共産主義は、難題な社会の問題に対して、問題解決に対する思考をすることから逃避したくなる者たちに対して、思考停止という甘言となる。
しかも、社会主義/共産主義は、思考力の弱い者にはとても受け入れやすい甘言を与えてくれる。
それは社会主義/共産主義の協議が、「意見の異なる者は異端者として排除せよ」という思想があり、「意見の異なる者に対しては議論することなく暴力で排除せよ」ということが根底にあるのである。

社会主義/共産主義では、「私は正しい」「私は間違っていない」「私の意見だけが正しく、私の意見と異なる意見を持つ者とは議論する価値がない」というように洗脳される。
自分の事を否定されたくない心が弱くて傷つきやすい者には、とても優しいのが社会主義/共産主義なのである。

逆に、民主主義のように誰とでも議論に議論を重ね、時に論破し、時に論破されて、さらに良い案を探すために時には自らの考えを全否定することさえあるものは、現代の傷つきやすい若者には受け入れがたい。
「強くなるために百戦も千戦も万戦も戦ってこい。何度負けても立ち上がれ。負けたということは己が未熟であったからだ。強くなるためには、自分が弱いという現実を受け入れよ。未熟な己を叩きのめし、己と闘い、己を磨け。」というのが民主主義の基本である。
この民主主義の基本精神は、心が弱くて傷つきやすい者には地獄のような試練なのである。

心が弱くて傷つきやすい現代の若者にとって、①「いばらの道を歩み、己を磨け」という民主主義と、②「君は全て正しい。間違っているのは君の周りの人間たちだ。君は何も悪くない。みんなで平等に幸せになることこそが正しいのである」という社会主義/共産主義とを比較した時に、②の問題点に気付く若者は少なく、②の道を選ぶ若者が圧倒的に多いのが現実なのである。


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