日本企業は顧客サービスレベルが世界一と言われる一方、日本人は世界一のクレーマーと言われていることをご存じか?

あなたは海外に行って食堂やレストラン、喫茶店でサービスを受けたことがあるだろうか。
日本でしか、食堂やレストラン、喫茶店でサービスを受けた経験がない人にとっては日本のサービスレベルが当たり前だと思っている人もいるのではないだろうか。

海外に行くとまず、笑顔はタダではない。
では、お金を払えば笑顔を見せてくれるかと言うと、そういうわけではない。
例えば、フランスではほとんどのレストランや喫茶店では店員は無表情だ。
ビックリするくらいしかめっ面で対応をしてくれるし、「別にうちの店で飲み食いしてくれなくて良いよ」という顔をしている。
確かにフランスのシステムでは客が増えようが減ろうが、彼らの給料は変わらないことが多いので、「どうせなら帰ってくれた方がありがたい」というくらいなのかもしれない。
これが、2つ星や3つ星レストランに行けば、初めて笑顔で給仕してくれるようになるので、「やっぱり、お金を払わないと笑顔をくれないのか」とも思えてしまう。

その一方で、日本ではサービス業では特に、「お客様に笑顔になっていただけることが何よりもの喜びです」というかのような、サービスを展開してくれる店が多い。
最近では外国人が給仕をする店が増えてしまったため、そういう店は例外とさせていただきたいが、日本人が給仕をする店のサービスの高さがとても高いと筆者は感じる。
筆者が個人的に良く行く店などでは、店に入った瞬間に給仕さんたちからはまるで友人のような挨拶と歓迎を受け、厨房からも温かい言葉を受けることさえある。

サービスに対するもてなしの心は単に近年で身に付いたようなものではなく、日本の歴史的なものだと感じる。
これは日本人が世界に誇れる文化的なレベルの高さであると自信を持つべきであると筆者は思う。

ただし、日本ではサービスレベルが高い以上に、クレームレベルが高いのをご存じだろうか?
しかも近年は単なる嫌がらせのクレームをするような、ハラスメント的なクレームをする者も増えたようで、その点は筆者はとても残念に思っている。

クレームレベルが高いとはどういうことかと言うと、日本人の中には「もっとこういう高いレベルのサービスを受けたい」という要望を企業側に出すことが外資系企業よりも多い。
その多くは、要求レベルが高過ぎて、しかも細かすぎるために、一般的な外資系企業であれば、「そんなことまで、できるか!」レベルで断られてしまうようなものも多かったりするが、逆に、その要求レベルにこたえることが出来るようになれば、最もサービスレベルの高い企業になるというような内容でもあったりするのである。
実際に、外資系企業が求めないような細かいリクエストを日本企業だけが出し続けた結果、それにこたえることが出来た企業がその業界を結果的に独占的な支配力を獲得出来てしまったものさえあった。

クレームすることが悪いわけではない。
ただ、日本人は世界の中で極度に厳しいクレーマーであることは自覚しておいた方が良いのではないだろうかと思うのである。


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