世の中には全く救済されない損害があるという理不尽を知ろう

誰かに怪我をさせられたら、被害者は加害者に謝罪と治療費を補償をしてもらう。
誰かから損害を受けたら、損害賠償や補償を受けるというのがあるべき姿である。
だが、世の中には誰かから損害を受けても、それを賠償したり補償を受けることが出来ないことがたくさんある。

そもそも、誰かから損害を受けた時、相手が損害を与えたことを認めてくれた場合には、特に問題はない。
加害者が「怪我をさせてしまってすまない。本当にごめんなさい。せめて、治療費は支払わせてください。」と言ってくれれば、被害者は少しは救われるものだ。

だが、誰かから損害を受けたにも関わらず、相手が損害を与えて認めてくれないときは大変だ。
加害者が開き直って、「俺は悪くない。そもそも、俺が悪かったとしても、あんたのその怪我は全て俺の責任なのか?その証拠はどこにあるんだ?」と言われてしまったら、これを被害者が覆して加害者に救済を求めるのはとても大変だ。
裁判に訴えて支払ってもらおうと思うと、「加害者がこういうことをして、加害者に責任があるから、加害者は被害者に損害賠償を支払うべきなんだ!」と被害者が裁判官の前で証明しなければならない。
加害者が知らぬ存ぜぬを貫いてしまった場合は本当に大変で、裁判を通じて支払いを認めてもらうというのは、裁判所という国家権力を使って加害者に支払いを強制させるだけの説得を被害者がしなければならないのだ。

この裁判において被害者が証明しなければならないことを、被害者の立証責任というが、立証責任は事件が複雑であればあるほど難しくなる。
悪人は明らかに、誰かが困ることを知っているにも関わらず、知らぬ存ぜぬを押し通してくる。
現在、熊本で環境汚染対策を一切せず、熊本の地下水を大量消費しているにも関わらず、その責任を国や熊本行政と連携して知らぬ存ぜぬを押し通しているTSMCの責任に対して、被害者が立証責任を負うのは至難の業である。


世の中にはほとんど補償を受けることが出来ないことがたくさんある。
騒音被害による補償を受けるには裁判しかほとんど道が残されていないが、騒音被害裁判で勝つのはほぼ不可能に近い。
大企業の公害問題に関する裁判で勝ちを勝ち取るのも大変だ。
それ以上に難しいのは、薬害被害による補償であり、その中でも一番難しいのがワクチン薬害だ。

2021年から新型コロナワクチンという、前代未聞で異例の警戒感ゼロで世界中に接種され、未曽有の薬害被害者を世界中で生み出したが、日本政府が製薬会社をタッグを組んで、基本的に「因果関係は認められません」を貫いているために、殆どの人、その被害者本人や被害者遺族は補償されることはないだろう。

筆者の周りには顕著に新型コロナワクチンを接種したことによる明確で重篤な薬害被害を受けている人たちが何人かいる。
彼らは全くワクチンが原因だと思っていないようなのだが、日々訴える症状が新型コロナワクチンの効能そのものなのだ。
「医者に行っても原因不明の帯状疱疹だと言われた。原因はストレスだと言われた。」とか、「咳が止まらず、咳をするたびに肋骨が物凄く痛い。本当に辛い。医者に何度も見てもらったが、ストレスだと言われた。精神科に通うように言われて、精神科を定期的に受信することになった。」とか、「重篤なめまいがするようになった。まともに仕事ができなくなり、一か月の休みをもらった。とりあえず、仕事に復帰できるようになったが、たまに強烈なめまいに襲われることがある。医者に検査してもらったが、体に何の問題もないため、ストレスだと言われた。」といったようなものだ。

西洋医学の医者は幼稚なマニュアルを読むだけしかしないので、仮にワクチンによる薬害被害者が患者として訪れても、「ワクチンによる薬害が原因です」とは絶対に診断せず、適当な病名を付けるか、ストレスによるものだと結論付けて、精神薬を処方するのが関の山だろう。
日本にはこのように、薬害による被害者になったにもかかわらず、薬害患者として認定されることはほとんどなく、被害者として補償されるべきことが、補償されずに放置される。

第二次世界大戦の後半では、日本は市街地を大空襲されたり、原子爆弾を投下されたりした。
これらは軍隊対軍隊という戦争ではなく、単なる民間人大量虐殺という犯罪行為を受けたにも関わらず、未だにアメリカから補償を受けていない。
こういった、泣き寝入りしなければならないことは世の中にはたくさんある。

世の中には自らが被害者にならないように気を付けて行動しなければならないことがたくさんあり、無知のまま被害者になっても補償を当然に受けられないことがたくさんあるのだ。
日本という社会では、それが現実なのである。



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