戸籍上の性別変更裁判における3人の最高裁判所判事の反対意見がまるで左翼政治家思想にそっくりな件

2023年10月25日に最高裁判所が出した戸籍上の性別変更裁判について、判決を下した。
戸籍上の性別を変更する条件の一部が違憲であるとの判決を出すと共に、日本で最も注目が集まっている、「性別変更には変更後の性別の性器の形状への手術を必要とするか否か」の判断については、広島高等裁判所に判断を差し戻される結果となった。

最高裁判所以外の判決文には裁判官全体の意見のみが判決に書かれるが、最高裁判所の判決には、個々の裁判官の意見が付されるところに特徴がある。
つまり、個々の裁判所の意見を見れば、どのような意見を持った裁判官が裁判にあたったかがわかるのである。

そして今回の2023年10月25日に下された戸籍上の性別変更要件について、3人の最高裁判所判事が条件⑤「変更後の性別の性器の形を有していること(男性が女性になる場合は、ペニスがないこと)」は違憲であるとの意見を述べた。
その理由が開示されており、その理由付けがまるで左翼政治家と全く同じであったのだ。

最高裁判所凡例の全文:
https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/446/092446_hanrei.pdf


反対意見を表明した最初の裁判官三浦守は戸籍上の性別を変更する上で性転換手術を要求するのは強度の身体への侵害とし、身体への侵害を受けない自由の制約だとした上で、ペニスを有したまま戸籍を女性に変えた元男性が公衆浴場などを利用しても、社会的な混乱はほとんど起こらないとしているのだ(18ページ)。

そして三浦守は、現在日本中を騒がせている、「見た目も中身も男性で、『心は女性です』と主張して女性用の公衆浴場に入ろうとする」いわゆる「変態男の女性用風呂利用」問題について、「自称女だと名乗って女性用風呂を変態男が使うことは許されないから、そんなことはおきない」と左翼政治家と同じ理由を反対意見で述べている(19ページ)。

さらに三浦守は、現在日本中を騒がせている、「変態男による女性用トイレ利用」について、「変態男でも服を着ていてペニスを露出して利用するわけではないから、戸籍上の性別変更に手術を必要とするか否かには関係がない」という恐ろしく乱暴な理由を述べている(19ページ)。
ペニスを有する者が女性用トイレを使う危険性について、既に社会問題となっている強姦犯罪についての理解が完全に欠落しており、その想像力たるや、小学生の想像力をはるかに下回るにも関わらず、最高裁判所判事をしているというところが、驚き以外のなにものでもない。

反対意見を表明した二人目の裁判官草野耕一は、「見たくないもの(ペニス)を見えないようにする権利」は大したものではなく、ペニスがついたままの元男性が女性用浴場を利用しても、わざわざ自分からペニスを見えるように行動する者はほとんどいないだろうから問題ないと主張している(29ページ)。
現在、自称トランスジェンダーの女性用空間の自由な利用を進めたアメリカやヨーロッパでは、単にペニスのついた男性が女性用空間を使うことに生物学的女性が嫌悪感を示すだけでなく、実際にペニスのついた男性(単なる自称女子などを含む)による強姦事件が絶えないことが懸念されているのだ。
そのような問題から本問題を多くの女性が声をあげているにも関わらず、草野耕一は「ペニスがついている人が女性用空間を利用するときは見えないように配慮すれば良いだけだし、ペニスを見たくない人は見ないようにすれば良いだけで、単にお互いに配慮すれば良いだけの問題であり、ペニスの切除なしに戸籍上の性別変更ができることの方がずっと重要な権利だ」と述べている(30ページ)。

反対意見を表明した三人目の裁判官宇賀克也は、前述の三浦守と草野耕一の主張に完全に賛同し、「戸籍上の性別変更にペニスの切除を強制されるような過酷な選択を正当化するほどのものとまではいえない」と述べている(36ページ)。

以上のように、3名の反対意見を表明した最高裁判所判事はまるで左翼政治家/左翼活動家と同じように、法改正の利益ばかりを主張して、法改正による不利益についてはほとんど無視するのである。

法律の内容を変更するということは、変更する前と変更する後で利益を受ける面と不利益を受ける面とを比較して総合的に考えなければならない。
法律内容を変更することで、少数の者が幸せになったとしても、多くの者が新たに不幸になることは許されない。
法律を変更するということは、それだけ慎重にならなければならないのである。

最高裁判所の裁判官/判事ともなれば、当然にそういった法律を変更することの利益と不利益を考えた上で判決を出し、意見を出すことが当然に要求されるのである。
にもかかわらず、上記のような3名の裁判官が現在の日本の最高裁判所の裁判官/判事として存在するということをわれわれは知るべきなのである。


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