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生成AI(Amazon Bedrock)を使ったサービスデザイン体験プロダクト「ビジつく!」を作ってみた

はじめに

はじめまして。makishy(きしだ)です。
待ちに待ったAWSの生成AIサービス、Amazon Bedrockが一般提供されました。めでたいですね!

今回は、Amazon Bedrockを活用し、いち早く開発を行った生成AIプロダクト「ビジつく!」のご紹介したいと思います。

自己紹介

KDDIアジャイル開発センターのソフトウエアエンジニア。
OA機器メーカーのソフトウエアエンジニア経験を経て2018年にKDDIに入社。KDDI DIGITAL GATE(法人顧客向け共創ラボ)にて金融、小売、製造、建設など幅広い業界/業種の法人顧客のDX事業立ち上げやアジャイル内製開発チーム立ち上げに従事。現在は、生成AIを活用したプロダクト開発や勉強会・セミナーを通じが社内外への生成AI活用推進を行っている。


ビジつく!とは

「ビジつく!」は、テーマを指定するだけでペルソナやジョブを生成し、サービスのアイデアを作り出す今話題の生成AIを活用した、社内向けに試験的に開発したプロダクトです。
利用者は、テーマを指定するだけ。後は出てきたジョブ、アイデアの中で「これは!」と思う気に入ったものを選ぶだけで、プロダクトづくりを体験することができます。

UIはこんな感じです。

テーマ設定画面
新規事業の企画のテーマを入力します。
ジョブ生成画面
ジョブ理論を基にテーマに合わせて複数のジョブが自動的に生成されます。


アイデア生成画面
選択したジョブを基に複数のサービスアイデアが自動的に生成されます。

キャッチコピー生成画面
選択したサービスアイデアのキャッチコピーやサービスの説明が自動的に生成されます。

なぜ作ったのか

弊社は、「アジャイル開発センター」という名前のとおり開発会社であり、モノづくりを主事業としています。ただ、ひとことでモノづくりといっても、プロダクトやサービスを生み出すまでには、価値を考えるフェーズ、仮説を立て具現化するフェーズなど広範囲にさまざまな活動を行う必要があります。
DXを目指したモノづくりの初期フェーズで行うのが「サービスデザイン」です。サービスデザインのフェーズでは、デザイン思考(※1)やジョブ理論(※2)などさまざまなフレームワークを駆使しながら、ユーザー視点に立った課題・ニーズを発見しアイデアを創り出していきます。
これは専門家が多くの知見を活用しながら行っていく活動ですが、より多くの人が楽しみながら体験ができる機会を作りたいと考え、試験的にプロダクトを作ってみることにしました。
また、AWSの生成AIサービスをいち早く利用してみたい!ということで技術的なキャッチアップも兼ねAmazon Bedrockを採用することとしました。

※1 デザイン思考:ユーザーの視点に立って、サービスや製品の課題・ニーズを発見するための思考方法。
※2 ジョブ理論:顧客がどのようなシーンで解決策としてプロダクトを購入しているを分析し、それを満たすプロダクト・サービスを構想する理論。

コンセプト

サービスデザインを気軽に楽しめるようにプロダクトのコンセプトを以下のように設定しました。

エレベーターピッチ

どうやって作ったのか

アイデアが思いついたものの、開発に必要なチーム体制や開発環境などは決まっていませんでした。また、開発するプロダクトが利用してもらえるものになるかも不透明な状況だったため、興味のあるメンバーを募って即席チームを作り、アイデア検討、プロダクトのMVP開発、ユーザー検証までの期間を1ヶ月間と設定し、利用者の反響を見ながら継続開発するか否かを決めることとしました。

アイデア検討中のオンラインホワイトボードの様子

構築にはAWS Amplifyを利用しました。理由は、短期間で構築可能かつサーバーレスで運用が行えるようにするためです。もちろん、生成AIサービスはAmazon Bedrockを使いました。
Amazon Bedrockを活用して開発を行った様子は別のブログ記事にまとめているのでそちらをご参照ください。

作ってみた効果・反響

「ビジつく!」の弊社サービスデザイン担当へのインタビューや利用者からのコメントは以下のようなものでした。

  • 自分が思いつかないようなアイデアを提案してくれることに驚いた。

  • アイデアの発想が広がりそう。

  • 数秒でアイデアがでてくるので、お客さま向けのワークショップのアイスブレイクなどに有効そう。

  • 最後にキャッチコピーなどわかりやすいアウトプットが出てくるので思わず同僚や知人にシェアしたくなった。

  • アイデア作成1000本ノック(大量アイデア作成)が簡単にできそう。

「ビジつく!」のアイデア検討当初は、サービスデザインに馴染みの無い人がアイデア検討を楽しめるようなプロダクトを構想していましたが、意外にも実際に業務でサービスデザインを行っている人でも活用できる道筋が見えてきて、うれしい誤算となりました。

今後について

社内での利用者を増やしつつ、サービスデザインの実業務でも有効活用してもらえるよう活動をしていきたいと考えています。
生成AIの技術進歩は目覚ましく、技術情報をキャッチアップしていくだけでも大変な状況ですが、生成AIは世界を革新的に進化させていく技術であることは間違いないと信じています。
その進歩を楽しみながら今後も積極的に活用しnoteで発信して行きたいと思いますので、お楽しみに!


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