【エッセイ#5】仕送りでダサい洋服が届いた話【大学生活】
大学生で一人暮らしをしているとたまに家族から仕送りが届く。蓋を開けてみると、野菜や果物が入っており非常にありがたい。
大学1年生のある日、家族から段ボールが送られてきた。いつものように段ボール開けて中身を確認した後、家族に感謝のラインを送ろうとしたのだが何かがおかしい。
いつもよりも段ボールが軽いのである。健康志向の強い家族なのでインスタントラーメンではないような気がするし、何が入っているのかよく分からなかった。
段ボールについたガムテープを破いて蓋を開けてみた。
そこには、インナーシャツから厚めのアウターまで様々な種類の洋服が入っていた。
私は段ボールの中に合った洋服のうち、目についた茶色のパーカーを取り出し試着してみた。
全く似合わない、、
私はこのパーカーを脱いで別のTシャツを試着した。
サイズが小さい、、
着れないこともないが、流行がひと昔前で止まっているのかサイズ感がおかしい。無駄に柄が入っているのもマイナスだった。
家族からの仕送りに文句をつけるのは良くないが、とても飲みやデートに着て行けるような洋服ではなかった。特にこの時期はファッションに目覚めたばかりだったので、ダサい洋服を着て外を出歩くことはプライドが許さなかった。
困り果てた私はこの段ボールに入った洋服たちを見つめて、どうするべきか1時間考えた。
そしてとある決断をした。
「一部だけメルカリに出して他はサイズが合わなかったことにして捨てよう」
我慢して着ることも少しだけ考えた。少しの間だけクローゼットにしまっておくことも考えた。
しかし、クローゼットは自分で買った洋服でいっぱいでダサい洋服が入るスペースはどこにもなかった。そもそも、部屋がワンルームでクローゼットもそんなに広くない。
私は、家族に連絡を入れた
「ごめん、服のサイズ合わなかった」
そして、連絡を入れた後に洋服の片づけをはじめた。
段ボールの中に入った洋服たちは、ゴミ袋へと消えてった。
ちなみに後日談だが、メルカリで出品した洋服たちはほとんどが売れ残った。考えてみれば当たり前だが、人並みにお洒落な奴がメルカリで服なんて買うわけがないのだ。
洋服は無駄になったが学べたこともあった。
彼女や友達にプレゼントをするときはあまり衣類は買わない方がいいということである。特に美意識がそれなりに高い人に服をプレゼントするのはやめておいた方がいいことを、身をもって実感した。
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