「その世とこの世」         著・谷川俊太郎 ブレディみかこ

「その世とこの世」著作・谷川俊太郎 ブレディみかこ 出版社・岩波書店 出版年・2023年11月3刷                       谷川俊太郎とブレディみかこの往復書簡なのだが、今まで読んできた往復書簡とは、同じようで異なる読後感。向き合っているようで、微妙にずれている。ずれているようで、かみ合っている。次々と著名な20世紀の作家が亡くなり、どきどきしながら谷川俊太郎を見ている。大好きだった「今江祥智」が亡くなり「河合隼雄」が亡くなり、「長新太」は講演に行きそびれたまま亡くなった。人は死ぬ。どんな人にも平等に来る死だが、そこに至るまでは、いろいろだ。どう死に向き合うかは、年齢や環境や経験や関わる人々にもよるし、自分の年齢にもよる。2年前に兄を亡くしたのをかわ切りに、4件の葬祭を経過し、「その世」を生きている気持ちが強くなったのかも。歳の差が34歳ある谷川俊太郎とブレディみかこの生きてる時代も時間も生活様式も異なるのに、共通し重なる箇所があちこちにあるのが、いいな~と思い、無理しない共感方法に見習いたいと思う。自己承認欲求が激しい昨今、この世だけを重要視せず、「その世」に生きればいいじゃんと思うのは、「あの世」に近い人間の言う戯言かな

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