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【読書感想】猪瀬直樹著『カーボンニュートラル革命』
グーテンターク!皆さまこんにちは。フランクフルトのYokoです。
今日は猪瀬直樹さんの最新刊『カーボンニュートラル革命』を読みました。猪瀬さんがテスラを買うのにテクテクついていき、助手席に座ってドライブを楽しみながら、お話を伺うような気分で読みました。日本の厳しい現状、足りない視点とそんな中でも生まれた数々の有望な取り組みを知り、そして日本の未来について考えるヒントがつまっておりとても面白かったです!
再生可能エネルギーが創る、新たな資本主義社会が現れた。環境問題、社会課題を解決するビジネスが、持続的な利益を生む時代。EV(電気自動車)、太陽光・風力・地熱発電などはどう動いているのか? “SDGs=持続可能な社会作り”への挑戦と課題を徹底取材。脱・石油文明の勝者への、ビジネスヒント満載の書。(Amazonから引用)
日本において『世界では〜』というとき、要はアメリカしか語られないことが多いのですが、本書では中国やヨーロッパの動きについてニュートラルな目でファクトが語られています。私にとってはドイツの状況もたくさん紹介されていて嬉しいです。
カーボンニュートラル、といっても地球に良さそうだけど日々の日常生活とのつながりやインパクトが感じられないのが殆どの人ではないでしょうか。私もそうです。
否、地続きであり、さらには日本の国家戦略の根幹に関わる話と本書は伝えます。
日本は、米国のようにイーロンマスクのような強烈でクレイジーで(褒め言葉)人類の未来を切り拓く勢いの起業家が出にくい土壌です。
また一党独裁国家中国のように個人プライバシー無視のビッグデータをとりながら莫大な予算で国家戦略の計画も立てることもできません。
さらにその二つに当てはまらない大官僚機構EUのように政治が前のめりに理想を謳いながら民間企業に進んで欲しい道筋の指針や法整備をする動きも少ないです。
すなわち日本の行く末は民間企業の努力に委ねられており、政治は推進より足枷ばかりをはめています。
というのも、政治家が主導すると、独裁者扱いされるか、族議員に横槍を入れられます。さらに文春砲など週刊誌にスクープさせて潰されるリスクを負います。つまりエッジのきいたことは言えない。新しい取り組みは強烈な既得権益により潰されてしまう。
説明すればわかってくれる頼みの綱、世論も、実際投票率が5割以下では票で支援されないために、世襲で地盤のある政治家以外は小粒な漸進主義の改革を訴えて成果をアピールするか、出来もしない理想を述べて現状不満層の票を取りに行くのが選挙に勝つ方法だからだ。
行政はどうか、ここは省益で国益はない。管轄が環境省、経産省、あるいは次はデジタル庁か、バラバラだ。
そんな中で日本を背負って気を吐くトヨタは辛いよ、である。
政治が流れを作らないと民間企業の領分から変えられないこともたくさんあり、まさに日本は苦境だ。
しかし日本にポテンシャルはたくさんあるし、試行錯誤はたくさんあることも本書には書かれている。
どんなにアイデアがよくても、実証実験に果敢にトライしていても商業化への道筋が描かれないものに厳しい猪瀬さんだけれども、その猪瀬さんが目をつけたニューフロンティアや企業の取り組が第3章から第5省にかけて紹介されています。皆さま是非ご一読くださいね!
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!
Bis dann! Tschüss! ビスダン、チュース!(ではまた〜)😊
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