シルン美術館のシャガール展〜混乱の世界
グーテンターク!皆さまこんにちは
。フランクフルトのYokoです。今日は私がお休み、よしおさんは市内でちょっとお仕事関係者と顔合わせ(いつもはオンライン)だったのでそのあと合流、シルン美術館のシャガール展に一緒にお出掛けしました。
シャガールと言えば、「色彩の魔術師」として色彩の表現に優れ、前衛的かつカラフルな愛の画家のイメージですが、今回の展覧会は
CHAGALL. WELT IN AUFRUHR
(CHAGALL. WORLD IN TURMOIL)
シャガール 混乱の世界
というタイトル。
2つの世界大戦、反ユダヤ主義など世界が暗い影を落とす時代。その時代の絵はトーンが暗くなっています。そんな1930年〜40年代にフォーカスした作品がメインの展覧会です。絵の解説を見ると大作では完成まで何十年とかけているものもあり内面への旅を続けながら表現を絵に昇華させていったのだなと深く力強いエネルギーを感じてきました。
シャガールはロシア(現在のベラルーシ)生まれ。Moishe モイシェという名前が示す通りユダヤ系。イディッシュの芸術文化ともロシア、フランス(ドイツ)アメリカ、そしてフランス。
愛の画家の人生は祖国を離れて流浪の旅ですが、戦後はフランスに永住し創作活動を続けられました。
戦争や政治に色濃く影響を受けていること。幻想的なザ・シャガールの作風以前の嘆きの壁や教会を描いたもの、暗い時代やナチスのユダヤ人抑圧の世相も織り込んだ堕天使のモチーフ、手がけた舞台衣装などもあり年表も詳しく、勉強になりました。
途中年表でアメリカがすごいなと思ったのは、第二次世界大戦の戦禍を逃れる芸術家の亡命を緊急の委員会が作られてサポートしたとあったことです。シャガールの亡命にはあるジャーナリストが手助けしたそうですが、彼は委員会の命を受けてのことだったとか。シャガールはアメリカで7年過ごしたあとフランスに戻り永住します。
シャガールの人生と画家としての評価はこちらのリンクにコンパクトにまとめられていました。ご興味があればご覧くださいね。代表作として紹介される明るいトーンの作品群と今回の展示作品との比較もできます。
これまであまり知られていないながらも、彼の作品の重要な側面である1930年代と1940年代の作品に光を当てた今回シルン美術館のシャガール展、
シャガールのアイデンティティ、故郷、亡命という重要なテーマに触れ、その悲しみや苦しみ、そして愛と生きる歓びを表現しあ重厚な作品は心に強く響きました。
帰りに「黄金の天秤」という名のコーヒーハウスにてケーキをいただき、ほっとひと息。
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!
Bis dann! Tschüss! ビスダン、チュース!(ではまた〜)😊
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