ドイツコロナアップデート〜ワクチン接種優先3グループについて(2020/12/18現在)
グーテンターク! 皆さまこんにちは。フランクフルトのYokoです。
ドイツでのワクチン接種はクリスマス後すぐの27日からはじまる予定です。16日以降のハードロックダウン後も日々の感染者は3万人と増えて、死亡者も700人となって高いまま。現在チェコ国境に近い、ザクセン州東部で10万人あたりの感染者率の高いホットスポットが発生。(マゼンタ色の部分) 医療現場が逼迫しています。
しかしワクチンは供給量に限りがあります。そのため昨日18日、ドイツ連邦保健省のシュパーン連邦保健大臣がドイツにおける新型コロナウイルスのワクチン接種について記者会見を行い、対象者、優先度、スケジュール、連邦政府と州の責任範囲を明らかにしました。
内容はドイツに居住するすべての人が接種対象であるが、ワクチン供給量に限りがあることから,接種の優先順位を付ける必要があると理由を述べて優先度の高い第1グループから第3グループが発表されています。文末に概要を和訳してくださったフランクフルト総領事館からの情報を引用しているので最後にご覧くださいね。
私自身はワクチンを受ける権利があるようです。外国人かどうかは関係なく居住者として認められています。
しかし接種優先順位が年齢と疾患のある方、特定の職業で分けられており第3グループも60歳以上なので私が接種できるのは優先グループの後、明確には述べられていませんが早くて夏以降かなというところ。バイオンテックのCEOもワクチン供給の話しをした際に、来年の冬はノーマルに過ごせるはずと言っていたのでもっと早いといいなと思うも、そんなものかなとあまり驚きませんでした。
私が今回の連邦政府発表で興味深いと思ったことは3点あります。
①医療スタッフもリスク度にあわせ1〜3に分類されていること
急性医療に関わる方は暴露の可能性が高いですし、クラスターが発生すると医療崩壊ですから当然。新型コロナ対応スタッフ以外に重症で高度な治療に携わるスタッフは第1グループに含まれます。一方でお医者様といえど家庭医は第3グループです。
② 困難な労働条件で働いている労働者への接種を優先グループに入れたこと
治安維持や社会活動維持のために警察、消防、教育、司法分野の職員が優先されるのは予想していましたが、小売業の販売員に加え,季節労働者・配送センター及び食肉加工業の労働者も含まれています。春に食肉加工工場から大規模なクラスターが出たことを踏まえているようです。労働者を守るという伝統があり、連立政権にSPDが入っていることも影響していると感じます。
③連邦政府と各16州の責任範囲の明確化
⭐️新型コロナウイルスについての重要な問題: 連邦保健省
⭐️ドイツにおいて接種される全てのワクチン調達、費用負担、連邦各州により設置される供給センターへの配布: 連邦政府
⭐️最初のワクチン接種と日程調整: 州政府
⭐️ワクチン接種センター、移動チーム、現場における接種の調整: 州政府と地方自治体
これは責任を曖昧してぼかすことが多い日本のなし崩し会見と対照的という意味で印象に残りました。
もちろん曖昧のよさはあって日本は責任範囲を厳格化せず現場で柔軟性を持たせるやり方、ドイツは責任境界をはっきり線を引き、それぞれが中身を塗り潰すドイツ的なアプローチ。各組織、チームのミッションはわかりやすい反面、管轄以外はタッチせずとなるため現場での柔軟性はなくなります。シュパーン大臣の会見にも野党各党首は早速批判していました。どの国でも必ずといっていいほどコロナ対策は批判を受けます。
ただコロナ対策に関する国民性への説明に限ると日本政府リーダーたちは「ちょっと何言ってるかわからない」ので3つめ印象に残りました。
最後に私が参考にさせていただいた在日本国フランクフルト総領事からの情報を引用します。(2012/12/18 )
ドイツにおける防疫措置(ドイツ国内における新型コロナウイルスのワクチン接種に向けた動き) 12月18日,シュパーン連邦保健大臣は,ドイツにおける新型コロナウイルスのワクチン接種について記者会見を行い,ドイツに居住するすべての人が接種対象であるとした上で,ワクチン供給量に限りがあることから,接種の優先順位を付ける必要がある旨発表しています。この記者会見にかかるドイツ連邦保健省プレスリリースの概要は以下のとおりです。
1.シュパーン連邦保健大臣は,新型コロナウイルスのワクチン接種に関する政令を提示した。この政令は,新型コロナウイルスのワクチン接種を,誰にいつ行うかを規定しており,誰が最初にワクチン接種できるかが明確化される。
2.ワクチン接種を希望する全ての人のための十分なワクチンが無いため,高齢者施設や介護施設の入所者,80歳以上の者,及び高齢者と接する介護職員や高齢者施設職員が,最も優先度の高いグループ(第1グループ)として最初の接種対象となる。
3.連邦各州が12月27日にワクチン接種を開始する際には,上記に加え,第1グループには,集中治療,緊急治療及び救急サービスに従事する者等,新型コロナウイルスに曝されるリスクが非常に高い医療スタッフが含まれる。また,重大な疾病又は死亡に至るリスクが高い疾病の患者,例えば移植医療の患者を看護する看護師も含まれる。
4.上記の最も脆弱な人が保護された後,ワクチン接種は段階的に拡大されるが,この最初の目標を達成するには,少なくとも1〜2か月が必要とされる。
5.政令によれば,次に優先度の高いグループ(第2グループ)には,70歳以上の全ての者,及び臓器移植を行った者等の重篤な疾患のリスクが高い者が含まれる。また,機動隊員のほか,要介護者・妊婦等と濃厚に接触する者も含まれる。
6.第3グループには,60歳以上の者,慢性腎臓病・慢性肝疾患・自己免疫疾患・癌等の疾病リスクが高い者,家庭医や検査機関のスタッフが含まれる。警察,消防,教育,司法分野の職員も含まれる。また,小売業の販売員に加え,季節労働者・配送センター及び食肉加工業の労働者等の困難な労働条件で働いている者も含まれる。
7.ワクチン接種の有無を問わず,対人間隔の確保,公衆衛生規則の遵守,日常的なマスク着用が全ての人に引き続き適用される。
8.ドイツに住所を有するか,日常的に滞在しているか,または,特定の介護施設で働いている全ての者は,ワクチン接種の権利を有する。
連邦政府は,ドイツにおいて接種される全てのワクチンを調達し,その費用を負担し,連邦各州により設置される供給センターへの配布を行う。
州政府と地方自治体はワクチン接種センター,移動チーム,現場における接種について調整する。
州政府等は,最初のワクチン接種と日程の調整に責任を持つ。
新型コロナウイルスについての重要な問題については,連邦保健省が対応する。
ドイツ連邦保健省プレスリリース
https://www.bundesregierung.de/breg-de/aktuelles/corona-impfverordnung-1829940
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!
Bis dann! Tschüss! ビスダン、チュース!(ではまた〜)😊
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