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日々読み #10


1/1 晴れ

新年が明けた。昨日はいつも通りにご飯を食べた。そして普通に朝を迎えた。
日の出を見ようかと思ったけれど、寒かったし寝ていたい思いの方が強かったのでゆっくり起きて、遅めの朝食とコーヒーを飲んで部屋でぬくぬくしていた。
少し虫ごなしが済んだら、映画を見始めた。そこまで頭を使いたくなかったからファンタビ、まんまとNetflixにやられているがなんだかんだ面白かった。その後、妻が好きな松本大洋のSunnyを読み始めた。
良い漫画だ。少しずつ読んでいるからまだ3巻。暖かい部屋でじんわりしながら、読み進めていく感覚がとても良い時間だった。今年もいい年になるといいな。


1/2 晴れ

今日は妻と水族館に行った。僕らが行ったのは「怪獣の子供」の舞台にもなった江ノ島水族館。朝少し遅めに起きて、ゆっくり朝食とコーヒーを楽しんだ後、普段よりきちっとした洋服に着替えておめかし。江ノ電に乗り、車窓から覗く海は凪いでいて、その水面に太陽が当たって、水面がきらきらと光って美しい。
久々に海を見たけれどこんなに海って綺麗だったろうか。山も安心するけれど、海も良いよねと妻に話しかけると、妻と同じことを思っていたようで2人であたたかい気持ちになった。
朝ごはんは軽めだったので、お昼はレッドロブスターなるスペイン料理屋さんに入った。どれも華やかなメニューばかりで2人とも子供のようにあれこれ頼んで、楽しい時間だった。チェーン店だったけれど、店内はなんだかテーマパークみたいな雰囲気があって料理も美味しくてお酒まで楽しめた。また来よう。
その後に水族館に行って、海の魚たちを鑑賞した。大水槽のイワシの群れ、毒々しいサンゴ、タカアシガニ、名前もよくわからないがどっしりとした魚、いろんな形をしたクラゲ、深海生物、鯨の骨を食べるという謎の生物などいて、初めて知る生物たちに心が躍った。子供の頃は水族館の人たちが解説してくれる魚たちの習性にあまり興味がわかなかったけれど、この年になると解説を読んだり、聞いたりして楽しむことができてまた水族館の楽しみ方が変わる。
いろんな世代がわくわくできる空間って本当に素敵だなあと思った。これからも歳を重ねていくと見える景色や楽しみ方も変わっていくのだろうか、変わっていく自分が楽しみだ。


1/3 晴れ

Sunnyを読み終えた。本当にいい作品だったし、いい時間だった。この気持ちを言葉にしたいけれど、言葉にするとどうしても抜け落ちていってしまいそうな気もしてなかなか言葉にするのは難しい。
それでもとても大切な気づきを与えてくれる作品であったことには変わりはない。僕はこの先、Sunnyという作品を繰り返し読んでいくのだろうなと思う。
この作品に出てくる登場人物たちの姿に自分の過去を重ねたり、子供の頃抱いていた感情や記憶まで呼び起こされ、心が揺さぶられる。優しさってなんだろう、こんな時どう接するだろうか、どんな選択をする?、どんな言葉を選ぶだろうか。
Sunnyは僕らに問いを投げかけるような作品ではないのかもしれないけれど、僕は多くの問いを投げかけてくれている気がした。
それらの問いに僕は答えを出せるだろうか。
今の僕にはまだわからないけれど、ゆっくり考えていこう。はるおもじゅんもきいちゃんも、けんじもたろうちゃんも、あだちさんも、じいちゃんもみんな僕の胸にいる気がする。漫画を読んでこんな気分になったのは初めてだ。


1/4 晴れ

僕が普段乗っている車のせいもあるのかもしれないが、車のエアコンの設定って快適な状態があんまりないというか、快適な状態を保つのってなかなか難しい。寒いからといって暖房を入れると最初は効きが悪いんだけど、少し車で走ると気づけば車内があったかくなって、今度は頬が火照って、熱くなったり、じんわり汗をかいたり。
だからこそ、調整が必要で設定温度を少し下げたり、乾燥が気になるときは窓を開けて換気したり。案外快適を求めるために手間をかけている自分に気づく。普段何気なくやっていることだが、働くことにおいてそれを自分はやれているだろうかと少し気になった。どんな職場でも1人でやっていない限りは快適なんてことはありえない。いろんな人や要素が入り混じって自分とは遠いところで、調整が必要なことが起きる。
それを感じた時に自分はちゃんと調整するための行動ができているだろうか、不快感が出てきた時に適切な気温を保つためにエアコンの設定温度を低くしたり、強さを変えたり、時には切ったり、窓を開けて空気を入れ替えたり、加湿器を使用したり。あらゆる行動ができているだろうか。ただ暑い!寒い!乾燥する!空気が悪い!と声を発しているだけになっていないだろうか。そして今快適なのであればその調整をしてくれている人が必ずいるはずだ。小さい頃は父や母、じいちゃん、ばあちゃんのような周りの人だったかもしれない。
そこに目を向けようよ、そして気付きたいよね。そして自分も快適を保とうとする1人でいよう。誰かが手間をかけてくれていて「今」があるのだから。


1/5 晴れ

昨日は要望を口に出しているだけではダメだ、まずは自分であれやこれやと調整してからいいなさいというようなことをかいた。書いたつもりだ。

これは人に言ってるのではなくて、自分に言っている方が強い。給料が安いとか、待遇が悪いとかいうだけではなくて、実際に手を動かして調整してからじゃないとただの子供だ。実際にアクションを起こしてできる限りの改善を試みて、初めて不満をいう資格が与えられるのだ。
だから不満を口に出すだけでなくて、いろいろ良くなるためにやっていこうよ。とりあえず。
ずっとグズグズと環境のダメなところや不足しているところを嘆いているより、改善に力や時間を使った方がみんなが嬉しくなるはずだから。それでもいろいろやっているのに、ダメなら他を探すしかないね。

それまでは心身ともに健やかに頑張っていこうよ。


1/6 晴れ

今日は空き時間が多かったので勉強をした。
なんだかんだで久しぶりの勉強時間だった気がする。
今日は主に褥瘡対策の文献を使って勉強したのだけれど僕が新卒の頃の常識からアップデートしている内容もあって、怠けていてはいけないなと思った。
訪問看護はどうしても狭い集団になりがちだ。だから学術的なエビデンスよりも実際の満足度を優先させたり、ローカルルールなやり方を継続してしまうことは多い。だからこそ今日はすごくハッとした。このまま、学術的な知識を取り入れずに看護をしていたら本当に取り残されてしまうなと。定期的に勉強していかなきゃ。今年はNSTの試験も受けようかなあ。


1/7晴れ

今日は朝ごはんを食べてから、コーヒーを淹れて裏山にマグカップを持って出かけた。
冬の山は光が多く入って夏の山より明るい。
遠くの山も見通せる眺めのいい丘に座って、2人でコーヒーを飲んだ。もちろん1月の朝だから気温も低くて、風も冷たい。慣れるまではぶるぶるしていた。ただ太陽はしっかりと顔を出していたから少しずつ太陽の陽気を肌で感じれてくる。じんわりと暖かい陽気の中、コーヒーを啜り、日向ぼっこ。暖かくした家の中で飲むコーヒーもいいけど、ちょっと思考を変えて外で飲むのもいい。


1/8 晴れ

ここ2週間ほど晴れが続いている。雨が降らないどころか、曇りの日も少ないことに気づいた。1月の冷たく透き通った空気にじんわりと暖かい太陽。最近は不快係数が低い。気持ちがいい。

僕は四季の中で春が好きだ。気温、空気の匂い、花々の彩り、木陰はひんやりとするけど、太陽のじんわりとした暖かさでほっとする。春の服装、あげればキリがないけど、春は何事もちょうどいいから好きだ。他の季節はいろいろと過剰なものがあって好きにはなれないと思っていた。

ただここのところ1月も春と同様、快適で過ごせることに気づく。たまたま今年は雪が少ないということもあるのだろうけど、気づいた。

四季という括りはわかりやすいけど、一つの季節の中に含まれる素敵な陽気とかをざっくりラベリングしてひとまとまりにしてしまう。貼られたラベリングはその季節に対する解像度を下げる効果も持っている。
冬とか夏とか過ごしにくい季節にも、いい日は必ずあって、それは他の季節にはない魅力だ。最初から自分のイメージだけで決めつけて過ごしていると大まかなイメージばかりが先行して小さな魅力には気づけない。
そんなことをふと考えて、このことは忘れてはいけない気がした。案外季節だけじゃなくて、色々なことに当てはまることかもしれない。

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