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【こ3】睡眠について

今日のコラムは、睡眠についてです。

人間には「三大欲求」というものが存在します。
食欲、性欲、そして睡眠欲。
私はもっぱらアッチの方です。三度の飯よりアッチです。
それが常に満たされるのであれば、寝る時間が多少削られても構いません。

ところで。
よく「人生の3分の1は睡眠時間」と言われます。
一日あたり8時間を睡眠にあてているとすれば、自ずとそうなります。
私は学生の頃、深夜ラジオに夢中になっていた時期がありました。
番組が終わるのは午前3時。そこから眠りに就いて、起きるのは朝の7時。
私は、僅か4時間しか布団の中にいなかった事になります。
残りの4時間は学校で補っていましたから、私の睡眠時間も一日あたり8時間です。オールナイトニッポンを聴いていても、8時間はしっかり睡眠を取れていました。
学校生活においては、実に授業の3分の2が睡眠時間でした。テンピュール枕でもロッカーに入れておくべきでした。

そんな私ですが、睡眠に関して恥ずかしい思いをした出来事があります。
それは、高校の修学旅行で志賀高原に行った時の事でした。
私は午後10時になると自動的に眠ってしまう健康的な人間でしたので、その日もいつも通り「久米宏が嫌味を言う時間」には眠りに就いていました。
他の仲間は、こっそり持って来たワンカップを呑みながら花札に興じていたり、部屋の外にある雨といをつたって女子の部屋に侵入を試みたりしていましたが、そんな事は気にもかけず私は惰眠を貪っていました。
そして朝になり私が目を覚ますと、隣の布団で寝ていたA君が私に向かってこう言いました。

「田中、お前ずっとニヤニヤしながら眠ってたけど、何かあった?」

私は安藤君に「い、いや。何でもないんだ。本当に、何でもないんだ…」と、まるで『ふぞろいの林檎たち』に出て来るセリフのような言葉で、返事をしたのを覚えています。
とても「一晩中、雛形あきこと吉野公佳にビンタを食らわされる夢を見ていた。とても夢のようだった」なんて事は、感受性の高かった当時の私には言えませんでした。当時の私は、後に雛形あきこがバツイチになり、吉野公佳がいつの間にか消えてしまった事なんて考えもしていませんでした。

ちなみに。
その朝、部屋にいたのは私と安藤雅之君の2人だけ。
そして、部屋には安い酒の香りがほのかに漂うだけでした。私の部屋には我々を含めて8人がいた筈です。
マサに話を聞くと、ワンカップを呑みながら花札に興じていた連中は、先生が見回りに来た際にうっかりワンカップをひっくり返してしまった事。
雨といをつたって女子の部屋への侵入を試みた連中は、次々と足を滑らせて降り積もる雪の中へと落下していった事。
落下を免れた奴も、その地獄絵図を見て3階と2階の間で身を震わせていた事。
そして、6人は体育教師に「指導」を受けた後、今日は我々と別スケジュールで別の意味で思い出に残る事を行うと教えてくれました。
このように「睡眠時間を削る」という行為は、健康を脅かす一つのファクターと言えるのではないでしょうか。

睡眠は大切です。今を生きる現代人にとって最も大切な事です。
たとえ、その行為によって淫美かつ快楽を誘う夢を見たとしても。
後に学校へのヤンマガの持ち込みが発覚し、あの時の6人と同じ仕打ちを受けたとしても。
そのヤンマガに付いていた雛形あきこのピンナップポスターを見て、マサから「田中は巨乳好き」と流布され、クラスの女子から冷ややかな目線を浴びたとしても。
睡眠という行為は、重要かつ不可欠なものではないでしょうか。

最後に。
皆さんにこの言葉を送り、コラムを締めさせて頂きます。

映画のような夢を。

【参考文献】
上信越国立公園「志賀高原」の公式サイト
Wikipedia「ふぞろいの林檎たち」
Wikipedia「雛形あきこ」
Wikipedia「吉野公佳」
Wikipedia「水曜ロードショー(TBS)」