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「作業用動画」の面白さ


集英社からこんな動画があがっている。

ジャンプ+の人気漫画「SPY×FAMILY」のアーニャが勉強しているだけの動画だ。たまに寝ちゃったり、難しい顔してみたり、たまにヨルさんが背後に忍び寄ったりするものの、基本的には何もドラマの無い圧倒的な”作業動画”だ。

ちなみにバックではLo-Fi HipHopが流れている。

Lo-Fi 言えばこのチャンネル。

24時間ずっとLo-Fi が流れているだけのライブ配信だが、常時2万人も視聴している大人気コンテンツだ。

このライブ配信を同じ時間に聞いている世界中の人と時間を共有するワクワク感。孤独や深夜独特のワクワク感を共有している気分だ。これがチルい音楽と相まって独特な浮遊感、若干のセンチメンタル感に繋がり、人気なんだろう。さらにこのチルい曲を聴きながら映像の女の子。これもまたグッとくる。

この人は作業すらしていないが、くたびれた姿、落ちたマウス、外からの強い光。これまで仕事をがんばってきたんだろう。もしかしたら徹夜明けなのかもしれない。そんなダウナーな姿と80’アニメ調なテイストがマッチしてチルが爆増している。

明け方ってなんでこんなにエモいんだろうか。バイクに乗ったカップルが遠くを眺めている。片手にはタバコを持ち、二人とも少し気怠い雰囲気を纏っている。何を思っているのか、どういうシチュエーションなのか想像が捗る。

これは実在の人間だ。

休憩時間もしっかり設けながらも、この人と5時間の作業を共にできる。この人が集中して作業しているのだから、私もやらなきゃなという気になる。

この取り組みも面白い。

「この人が集中しているなら私も…」心理は強い。今の学生はこういう動画を流しながら勉強するんだろう。


この動画ではついに人も出てこない。ただ中央のチャットDiscordっぽい画面が動いていて、ネットの先にいる人なのかシステムが駆動しているだけなのかわからないが、いずれにせよ何かが何かの作業をしていることがわかる。


これは完全にシステムが自動で動いている。自我を持っているようにも思える演出だが、この設定とチルっぽさは非常にマッチしている。R2-D2が元祖かつ至高だと思うが、ロボットやドロイド、機械が自我を持つのはワクワクするし、愛おしく思える。

どうしてもすぐに情報を取りに行ってしまう、また自動的に情報が入ってきてしまう現代において「作業用動画」は集中する為に重宝するツールなんだろう。

今日の作業のおともにおひとついかがでしょうか。

おわり

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