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バーゲンの攻防

ブーブーをぶっ飛ばして30分。私はとある子ども服バーゲン会場に行っていた。
最近はすっかり近場しか運転しなくなったので、正直30分の運転ですら疲れてくる。
以前は通勤時間が30分で、その間思い切り歌いながら運転し結構楽しくやっていたのだが、いかんせん

外気温42度

と表示された場所から移動するのは、車という文明の利器をもってしても、肉体的にキツかった。

車内にエアコンガンガンかけようが、途中給油したり軍資金補充したりで車内と外を行ったり来たりしてますと、やっぱりキツイ。
あと

ガソリンの減りもやばい

少なくとも走航可能距離の減り方が、実際の進んだキロ数と全く一致せず、いや

何のためのハイブリッド?

と思いながら、久々の微長距離をぶっ飛ばした。
今回は、道に迷えない!という条件付きのルートだったので、とある箇所からかなりの距離が直線であり、信号も少ないので安全に飛ばす事ができた。

迷わない事。安全な事。
それは何より重要だ。

さて、くだんのバーゲン会場である。
と言ってもそれはただの総合スーパーの衣類コーナーに過ぎない。
昨年の歴史的大勝利を収めたイメージを積み重ね、日々トレーニングを重ねてきた。

今回の勝負はゴン攻めすると決めている。

私個人の解釈だが、基本的に買い物というのはWin-Winに終始するものだと思っている。
上質なものを買いたければ、それなりに値は張るしその逆も然り。それは真理。
ようは、

売れたらバンザイ買えてハッピー。

どんな買い物もそう在るべきと考えている。

もしそこに攻防があるとしたら、定価で在庫を持たずに売り切りたい店側と、なるべく安く買いたいと思う消費者との間にそれはおこる。

通常での売買では、攻撃側は店側であろう。
様々な手を駆使し買い手から利益を生み出すからだ。
しかしシーズン後半に差し掛かると、形勢は逆転する。
店側は、少しでも身銭を切らずに不良在庫を捌き切らねばならない状況となる。防戦だ。
だから定価から割引し、売りにかかる。

そしてそんな攻防が繰り広げられた結果、最終的にバーゲンというものが出来上がる。
まっ、あれですよ。どんな形であれ

売れた方が全てにおいてBest

なんですよ。だから消費者は峠を思う存分攻めればいい。
(この辺りのアパレル事情は各自お調べください。不良在庫の処理というのは思った以上に、各方面に負担のかかる作業です)

ちゅー訳で、8月末、私は売り切り態勢に入った子ども衣類売り場を回った。
まず驚いたのが、売り場が複数に分散されていた上、まだあまり安くなっていない事だった。
いやね、私ケチなんでね

3割引はバーゲンと言わない。
5割を超えてきた辺りから本番。

そこのチェーン店の最後の売り方って結構エグくてですね、複数枚割引シールを貼られた形跡のある物をさらに5割引きにして、さらにタイムセールやってまた5割引く。
もう

正体不明の定価と、カオスと化した値引き。

まっ、最低でも75%オフな訳でして、その時点でおそらく原価割れ。でも在庫は無くなるから互いにWin-Winなのである。
そう、私は

こういう勝ち方を狙って

会場に来ているのである。

ちなみにこのような勝利を得るために1番重要なのは、

いつ店に行くかである。

時期を見定める事がなにより最重視される。
8月にはほぼ確実にセールが始まると思うが、そこで買うのはまだ早い。もう少し粘り、どうしようもなく安くなったところから私のゴングは鳴り出す。
この手の勝負は本当に難しい。
遅すぎては安いが商品はなくなり、早ければ安くない。この辺の見定めが恐ろしく重要なのだ。

私の弱点は

購入欲のコントロール

に尽きるため、一発勝負に賭けている。
何度も足を運ぶのは面倒だし、つい無駄遣いをしてしまう可能性も高い。
そもそも、日中ほぼワンオペの主婦が子どもを同伴せず買い物ができる日というのは恐ろしく少ない。よって都合のついた8月末に狙いを定め行動を開始した。

8月末というのは、絶妙に微妙な時期だが、負けることはない時期でもある。
もうすでに前述したカオス値引きも一部で始まるし、3割引5割引程度であれば、ほぼ全ての夏物がそうなっている。
しかもだ。

近年の夏は長い。

そんなわけで、多少のコントロール不良が発生したとしても、所詮衣類。

着倒せばよい。

そんな感覚で、変に欲をかかず必要なものを買えば良いのである。

平常心をたもつ。

いかなる勝負事においてもそうだが、それは重要な事だ。

というわけでまずは下見。
2階建てのお店の1階の、ジャブとも言えるセール会場へ行く。本来ならばここに

異常とも言える値引き品

が置かれているのだが、そこにその姿はない。
しまった、少し早かったか。と既に後悔し始めた。昨年のリサーチにより2階にももう1会場あるのは分かっていたので、先へ急ぐ。

あかん。マジで安くなってない。

2階につくやいなやそう思った。首から背中にかけて変な汗が伝う。
これは明らかな失敗だ。
こんなことなら全国チェーンの巨大商業施設に行けば良かったとさらに後悔した。
急いで作戦を変更し、初めから単価の安い物を買い漁る事にして、目を皿にしながら売り場を回る。

しかしどういうことなのだろう。
その日は8月末日としか言いようのない日であり、それにしては在庫を捌く意欲を感じなかった。
割引すらしていない売り場もある。
また、ここの子ども服売り場は

繁雑乱雑を極めていて

ちょっとした混乱を誘うような作りになっている。
このままでは相手のペースに翻弄される。

一度冷静にならねば。

そう考えた私は、可及的速やかにドーナツ屋に入った。
昼下がりのドーナツは優しく、しみじみと美味しかった。しかし私はその優しさに流されている場合ではない。
その後の作戦をじっくりと考え、体制を整えなければならないからだ。

とりあえずドーナツ屋で可及的速やかに体力を回復させる。これにより欲望というトリガーも満腹感によってコントロール可能な状態。
そして泣いても笑っても、この時点でバーゲンに費やせる時間は

1時間半を切った。

私の中ではバーゲンは短期決戦。
私の場合、ここまでが計算のうち。(でもこの時期にも関わらず、割引の塩加減には驚きましたが)
短い時間に勝負をかけるのが、早く迷わず無駄なものを買わずに済むポイントだと信じているからだ。
自らを追い込み、あえて

判断力を低下させ迷う隙すら与えない

それが、あまり賢くない主婦のやり方。
迷ったら迷ったでろくな事がないので、

自分を信じないのがコツ。

何言ってんだコイツ。
あくまで私の場合ですが、自分を過信してズルズルいくより、見限ってさっさと決めたほうがよいので、もうずっとそうしている。
また、マトモなアドバイスを一つするなら、来シーズン以上のサイズを購入しない事。
大きめサイズを買いすぎても、それを着る頃には流行遅れになり、また買ったことを忘れ去った結果、

結局着なかった!

なんて事になりかねない。

まっ、とにかくドサドサっと買い漁ってきました。ドーン!!

今回の戦利品はこんな感じ。
ズーミックかわいい。
我が家には女児と男児が1人づついるので、どうしてもユニセックスな服を買ってしまう。でもとりあえず上の子は気に入ってくれたのでヨシ。
あと、バーゲン品は色味が常に

黒かベージュ系に偏りがち

になるため、そのあたりは留意して買い物されることをすすめる。
売れ筋は売り切れているんでね。過度な期待はしないことです。

最終的に2階の、

子ども服売り場からかなり離れた一角

に、叩き売り価格のお洋服たちを発見し、無事買い物ができました。
しかし、なんでこんな場所に隠すかな?
不良在庫抱えちゃうんじゃないの?なんて思いながら物色し買ったのが上の服たち。
そしてやっぱり、なんだかんだで黒とベージュに偏ったんで、まだ

本気安ではない値段のもの

も買いましたよ。買いましたとも。
結局、予定してた

予算の5割ほど超えて

買い物は終わりました。
この勝負の勝ち負けのジャッジは皆様に委ねますか、この日の私の帰宅時の状態はまさに

落武者

でした。もうヘトヘトで、子供達2人をお迎えに行ったんだぜ。

この文章を書き始めたのが、バーゲンから帰還した翌日。仕上げたのはそこから2か月後。
バーゲンがいかに体力を奪うものかお分かりいただけただろう。
暑さとか暑さとか

暑さとか

色々要因はありますが、やはりバーゲンは体力を奪い、理性を取り去り

財布の口がバカになる

場所です。

次回からはせめて買うものを明確にメモし、そのメモを忘れず持参しようと肝に銘じたのでした。
(昨日今日と衣替えしてましたが、買ってよかったとイイワケしておきます)

※終わってみれば今年の夏は短かったですが、やはり外気温が40度近くになる日も沢山ありました。そんな日はやはり、水に浸かるか屋内にいるかに限りますヨ!熱中症注意!!

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