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植物の生存戦略と、それを阻止した私の話

先日、息子のお友達親子と一緒に公園で遊んだ。

明け方まで雨が降っていたので多少の泥んこも覚悟のうえ、「思いっきり走ってこい!」と男児たちを公園に放ち、母たちはベンチでしゃべりながらそれを見守っていた(もちろん適度に距離は取っているよ!)。

彼らはずんずんと草むらの中に入っていったので、あーこりゃ靴だけじゃなくて服まで汚れるねと私たちは話し、そうしているうちに、期待を裏切らない姿になって帰ってきた。

特に靴と靴下は泥だらけで、草などもたくさんついている。
見事にやったねえと笑いあった。


笑っていられなくなったのはその日の夜だ。


子供が寝たあと、泥だらけの靴と靴下を洗った。

いつものように洗面器にお湯を張り、靴と靴下を手洗いする。
汚れが落ちたら、洗濯機(←私は靴もネットに入れて洗濯機で回している)に………と思いきや、


汚れが落ちねえ。


ちっちゃなツブツブがビッシリくっついて取れねえええーーーー!!!


ゴマよりひとまわり小さい、赤茶色の丸い種子が靴にも靴下にもいっぱいくっついていて、擦っただけでは取れない。
むしろ擦ると繊維の奥に入り込んで、余計に取れにくくなってるゥーー!


指先でつまむと、表面がゼリー状のヌメヌメで覆われているのが分かった。
きっとアレだ、バジルシードみたいに水に濡れると表面がヌメヌメするタイプの種だ。
ヌメヌメのせいで、種が靴や靴下の繊維にくっついて取れにくくなっている。

雨の多いこの時期にヌメヌメタイプの種子をつけることで、生き物に付着して子孫を広範囲に残そうという植物の生存戦略なのだろう。

直径2〜3mm程度の種子をひと粒ひと粒、指先でつまみ取りながら私はその戦略に感心した。
肝心の植物本体は見ていないのが悔やまれる。
(気になって検索してみたらオオバコが近いようなんだけど、季節が違うんだよなー)



息子にくっついた種子のいくつかは、公園からの帰り道で地面に落ちたんだろうか。

それが芽を出して繁殖していったらすごいなあと、種子をひと粒ずつ抹殺しながらぼんやりと考えた。

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