バイトしなきゃ

教科書作る夜

随分と昔、プラプラしてるような頃、お金がなくて日銭が欲しくてトッパライ(当日支払い)のバイトをやったりした。印刷会社・製本会社はよくそういう募集を出してた。当日申し込み(そういうのも多くあった)ではなかったけど東京書籍(あれ?今、この会社どうにかなってるっけな? (追記))2010年に不祥事出してた。その記憶だった)の、教科書を製本する繁忙期にそのバイトの夜勤をした事がある。この手の夜勤やトッパライバイトは大日本製本とかも当時よく募集してて大日本製本のは18pm-8am(翌朝)の12時間拘束(途中1時間の休憩アリ)だったけど、東京書籍のは18pm-5am(翌朝)とか(途中、1時間休憩アリ)で日給はそんなには違わなかった気がするけど忘れたけど、良かった。

バイトの内容は自動製本するラインに付いて所定の印刷物を補充する役目だ。1折ずつ既に印刷、折られてて1ラインで何折束ねるのか覚えてないけど何人かが並んでて、そういうラインが幾つかあった。

こういうバイト(トッパライで夜勤で)ってのは、平たく言って色々な人が来る。当時の私のようなプラプラしてるようなのは境遇としてはフツーすぎる。人に言えない人生を歩んできたような、過去が濃そうなキャラの人は珍しくない。その中に大人しそうなメガネの小柄なおじさんがいた。昼間は有楽町だか東京駅近くだかの会社勤めをし、そこを終えてから夜勤に来てた(東京書籍の製本工場は確か、当時東十条だった)。翌朝、5時に終わるから昼間の会社にも行けるわけだ。何でそこまでしなくちゃならないのか怖くて訊けなかったけど、夜勤明けて東十条から京浜東北線、どこかで山手線に乗り換えて出社時間まで何周かして車内の座席で寝るんだそうだ(日曜日はお休みなのでその日だけ、布団で寝られる)。ラインに付いてる間は束の補充だけだが立ちっぱなしで色々辛そうだった。遊んでて金がないだけのおいらはすいませんって感じに思った。

印刷会社の工場はインクで体が汚れがちな部署の人がいるので、浴場を完備している。バイト募集時には風呂あり、入浴可の条件が出ていた。同様のラインに付いてる人で自前の洗面器など用意して終業して速攻で風呂場直行する人がいた。だが前述のサラリーマンのおじさんの様な人もおりお風呂入る人が沢山出て、社員の印刷インクを扱う人達がお風呂が混んでてて入れない問題になったらしい。バイトは入浴禁止になった。私は風呂あり物件に住んでいたのでそのお風呂は使ったことないし困らないんだけど、あの昼間もお仕事してたおじさんはどうしたものであろうか? (そもそも、イヤんなってこのバイトは多分、2週間かそこらしか続かなかったので同僚達がどうなったか知らない覚えてない)

この頃とは大分、時間が経ったので製本ラインもこんな人力はもう必要としなくなってるんだろな。(活字文化の日に寄せて)

きっと幸せになりますよ(私が