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お盆にちなんで平凡に怖い話

母の看取りで病院にずっといた3年ほど前の1ヶ月と1週間。それでも時々は家に戻ったりはしてた。その時も夕方病院を出て東京に向かってた。夕景の中を米どころの平野部から山間部へと走った。トンネルを抜け群馬エリアに入る頃にはすっかりと夜で暗がりをノロノロと走るトラックの車列の中に紛れて走るその状況自体が先ず怖っ!だったが本題はそこではない。群馬のまだ山エリア、関越道昭和の辺りだったか?を通過中に不意に車内を光が通り抜けゾワワッて鳥肌が立った。母がこの時、亡くなったのかと即、連想した。実際はそんなことなくきっと対向車のライトとかナニカが妙な反射で車内に飛び込んだのであろう。とにかくしばらくはイヤな気がした。

とうとう、母が亡くなって通夜か告別式を待つ感じの日だったか? 近所のH川さんが来て「うちの子(成人してる)がお母さんを見たと言ってる。ああ、退院したんだなって思った。なのに提灯が立ったから」と。その見た、という日と時間はまさに母が亡くなった時間帯に相応してた。実姉は後で「どうだかね」とか言ってたし私もわりと鵜呑みにはしない方なのだけども「まあまあ、そんなこと言って何か勧誘するわけでも無し、線香を上げてくれたんだからそれだけでいいじゃん」と応えた。

告別式も済ませ初七日も済ませ(うちのお寺は告別式と初七日を一緒に済ませることを許さない。この狭い地域の同一宗派はどのお寺も、そうらしい。隣町でもう違うとか)、四十九日の時だったろうか? 母が生前の時に家によく来る親戚筋のおばあさんが居て(わたしが子供頃にはよくお菓子を貰った)母が入院中にも老人カーを押し、その中に入れてた桃やら缶詰やらを都度、戴いてたんだけど、その人らしいのがうちの方に向かってくるのが縁側から見えた。ので、玄関で待ち構えてると…来ない。あれ?と道に出てみると人影自体、ない。あれれ?

ははぁ、H川さんとこの子(成人してる、車好き)が見たのはこれか? と。それで今度はまた、親戚筋おばあさんが逝ったのか?と心配したけどそうではなかった。この私とH川さんとこの子が見たおばあさんは何者か? 皆目、分からないけど虫の知らせの確度は高くないようだ。

きっと幸せになりますよ(私が