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【ピンチをチャンスに】子どもにプレゼント・お年玉をあげるのが難しい方へ~

多くの子どもたちにとって、日本の「クリスマス」はプレゼントをもらう日、お正月はお年玉をもらう日ですね。

しかし、生活費に苦労している家庭では、そうでないこともあります。準備するのが難しかったり、前の年より安いプレゼントになったりして、親にとっても子どもにとっても、つらい日になることが多いのではないでしょうか。私自身も幼少期にそんな経験をし、つらい思い出が残りました(涙)

だからこそ、できるならばつらい気持ちを家庭で分かちあい、少しでもいい思い出に変えてほしいと願っています。家にあるお金が少なくて、周囲と同じようなプレゼントがないからこそ、今ここに残されている大切なことに気づくチャンスになると思うのです。

そのチャンスを生かすために、2つの提案をします。公認心理師としてではなく、子どもの貧困を経験した一人として、こんなクリスマスだったらよかったなと思うことです。

1.お金が少ないことについて話し合う

 もし子どもがお金の心配をしている場合は、ぜひ率直に話し合ってほしいです。私はその機会を得られませんでした。話し合うことがないままだと、自分の責任を感じすぎたり、親の苦労を心配しすぎて我慢を重ねることにつながると考えます。「お金が少ないから、苦労しないといけない、幸せになれない」そんな考え方を身に付けては、人生が本当にもったいないことになります。(もちろん貧困問題は社会で解決しなければいけません)

30分でも、1時間でもいいので、ぜひこのクリスマスを機会に話をしてみてください。

 クリスマスにプレゼントがもらえない(安い)ことを知って、もし子どもが悲しくてみじめな気持ちがしても、「それを一人で抱え込まなくてもいいんだよ」「恥ずかしいと思わなくていいんだよ」と伝え続けることは、きっと一生の財産になるはずです。

2.人間一人につき、一つある「体に気づく」こと

 体に気づくことは、お金では買えないくらい価値のあるプレゼントです。

 もしこのプレゼントを親から子へ手渡せたなら、一生その子の人生を支えてくれる強みになります。このような心を支えるプレゼントは目に見えませんが、孫の代へと受け継がれるほど、価値のあるプレゼントだと思います。

「体に気づく」プレゼントを渡す方法は沢山ありますが、その前に、まず今心配してることなどを一度忘れていいよと伝えます。それから次のように、体に気づいていってもらいます。

たとえば、最近はやっている「全集中の呼吸」のように、呼吸に集中するのです。まず息を吸いながら、すぅーっと鼻に入ってくる涼しい感覚に気づきます。すると胸やお腹も動いてるなと気づきます。次に、息を吐きながら、息が鼻をすぅーっと抜けていく感覚を味わい、お腹がへこんでいくことに気づきます。この呼吸を3回やるだけで、体と心の緊張がだいぶ和らぎます。

「足の裏」の感覚に気づいてもらうこともおすすめです。両足で立ってもらい、地面に足の裏がしっかり着いていることを感じてもらいます。少しゆらゆらしますが、これは体が自然にバランスを保とうとしているからです。

それから、心臓に手をあててもらい、その温かさや鼓動を感じてもらうのもいいと思います。子どもがお腹にいる頃から、毎日休まずに、ずーっと動き続けてきた心臓。寝ているときでさえ、休まず動き続けていることをぜひ伝えてください。親御さんから、子どもたちがいつでも自分の体を感じ取れるように手助けしてほしいのです。

 なぜ「体に気づく」プレゼントが大切だと思うのかというと、私は、30代までお金の心配ばかりして過ごし、体がいつも頑張ってくれていることに気づかなかったからです。セクハラなどがあっても、苦痛はまず耐えるべきものだと思っていました。それでは、体の感覚やサインを無視しつづけているのだから、いずれ心と体が疲れるのは当然です。

「自分の体がどんなに貴重で大切か」思い出せる方法を、お金のあるなしに関わらず、誰もが身に付けられることを願っています。

それは、現在のように時代が大きく変わりゆくなかでも、子どもたちが日々を生きていくうえで、ゆるぎない安心感につながるプレゼントになるはずです。

おわり