社会統計学入門 #5(放送大学講義メモ)

帰無仮説と対立仮説

検定

母集団に関してある仮説を立てた上で、その仮説が真であるかどうかを標本統計量に基づいて判定する手続きのこと。具体的には、最初に母数を特定した仮説(帰無仮説)を立てた上で、それを否定する別の仮説を証明することになる。
次のような考え方によりその判定を行う。
帰無仮説が正しいと仮定した場合の標本統計量の標本分布を想定する。

その標本分布において「めったに起こらない」と判断する境界(有意水準)を設ける

実際の標本データにおける統計量がその境界を超えていた場合、帰無仮説が正しいと言う仮定を否定(棄却)

有意水準(α)は5%に設定されることが多い。これは、正しい帰無仮説が20回に1回誤って棄却されてしまう可能性を示す。
めったに起こらないとされる標本が出現する領域のことを、棄却域という。標本データが棄却域にある場合、帰無仮説は棄却する。そうでない場合棄却されない。「母数が〇〇でない(対立仮説)とは言えない」という結論になる。

対立仮説の方向を限定しない検定を両側検定、限定する検定を片側検定という。

Z検定

標本分布をそのつど考えるのではなく、標準得点(Z得点)と標準正規分布を利用するのが効率が良い。
実際の標本データがキム仮設に基づく確率分布のどこに位置するかを算定する。この位置は検定統計量という。
検定統計量は、 
標本統計量ー帰無仮説での母数/標準誤差【√π×(1ーπ)/N】
で求める。
検定統計量が限界値を超えているかいないかで、棄却するか否かを判断する。

T検定

標本サイズが小さい場合、標本分布が正規分布からズレるので、t分布という確率分布を利用する。T分布は自由度によって形が多少異なる。
標本の不偏分散を用いる場合の自由度は標本サイズN-1。
その分布における限界値は自由度によって異なるので、都度確認する。


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