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日記

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日記という形式の器の大きさに存分に頼る
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2021年3月の記事一覧

2021年3月26日(金)

組み立て式ロッカーを総出で組み立てた。組み立て式家具の所要時間や必要人数の過少報告は看過するべきではないと思わされた。上下左右を、各パーツの目立たないところに漢字で書いておいてほしかった。平仮名でも矢印でも構わない。

2021年3月25日(木)

給料が振り込まれた。残業代というものを受け取るのが残り二回だと思うと、寂しいものがあった。行った残業に対して残業代という概念が生じるのもあと一週間なので、懸命に働こうと思った。稼げるうちに稼いでおこうという目標を定めたり、そういう立場に立たされてその気持ちを味わってみることも肥やしの一つであるのだというふうな相対化をしたりしなければ、あきらかに割の合わない生活が待っていることが予想されるので、そう

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2021年3月24日(水)

自分がカフェにいるときに、ガラス張りになっているカウンター席に腰掛けながら、表通りを歩いていく人間たちを眺めていると水族館を想起するのだが、自分が表通りを歩いていくときにガラス張りのカフェにいる人間たちを見ていると、動物園のように思っているので、私もそう思われているのかもしれなかった。

2021年3月23日(火)

スターバックスに最も安価に滞在する方法はペットボトルのミネラルウォーターを頼んで居座ることが、というライフハックを耳にしたことがあるけれども、わざわざスタバのそれなりの列に並んでミネラルウォーターのみを持ち帰りで注文している人間がいて、どういう了見なのかわからなかった。

2021年3月22日(月)

スーツを着て御茶ノ水に行った。紙を受け取って威勢のいい返事をするという仕事をするためだった。拘束時間は二時間ほどだった。

2021年3月21日(日)

久々にまとまった雨が降った。実家から帰るのが億劫になる類いの天候だった。父親は仕事で、母親は眼の調子が万全ではないから、送ってもらうという有難い選択肢も取ることができなかった。歩いた。あるときふいに出現した巨大な橋の麓に、謎の銅像ができていた。

2021年3月20日(土)

実家に帰るついでに立川に行き、【シン・エヴァンゲリオン】をついに観た。映像的快楽を眺めているだけでとてもよかったし、終わり方も満足だった。実家で両親に、昇進と婚約的な話をすると喜んでいたので、私も喜んだ。私にやってくる喜びは、たとえ私に起因することであったとしても、外部を経由してもたらされることばかりだ。

2021年3月19日(金)

内示が出た。この日の私や、私以外にも内示が出された人間は、他の人間よりも一歩先に来期の体制を知ることになるけれどもそれはまだ公にしてはならない情報なので、白々しい振舞いをすることを余儀なくされた。この日のことを書いている今の私、日記を書くのを長らく怠ってたのでこの日から一週間後の地点に立っている私には、そういう制約がなかったので言いますけれども、大変そうですねこれは。

2021年3月18日(木)

二人でガストに行った。トーストのお供として生クリームと小倉がついてくるモーニングのうち、小倉を何らかのジャムに変更することはできないでしょうか? と訊きたい気分だったが、そんなことはできなかった。パンはトーストだけでなくソフトフランスパンにすることもできる。ソフトフランスパンのソフトさは、通常のフランスパンが極めて硬い食べ物であることが前提としてまずあってそれとの比較においてはソフトである、という

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2021年3月17日(水)

会社から帰ってくるとJリーグがあった。特に希望のない試合内容と結果だった。オルンガは偉大ではあるけれどもいわば焼き畑農業のようなものだったことが如実に判明した。ペナルティボックスにオルンガの残像を幻視しているのか? と疑いたくなるくらい意図と精度が不足しているクロスばかりが放たれた。2018年半ばの下平解任と中谷移籍によって掛け違えたボタンの影響をいまだに引きずっている気がしてならない。キムチ鍋は

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2021年3月16日(火)

会社から自宅に帰るとありがたいことに天津飯が置いてあった。それが天津の部分に該当するのか私は知らないけれども、上に載っている卵がその形状を崩すことのないしっかりとした円盤状になっていた。とてもおいしかった。

2021年3月15日(月)

春がやってきたと確信を持ちたかった。そうしても構わないと思えるような気候とタイミングではあるけれども、やはり寒さがいつの日かぶり返すのではないかという恐れを、そんなものは抱く必要なんて本当はないのにもかかわらず、抱いて生きていた。

2021年3月14日(日)

池袋のスーパー銭湯に行った。銭湯とサウナに浸ることによって、自らを構成する諸要素を入れ替える速度を加速させた。何を食べていいのかまったくわからない感じがしていた。結局肉まんを食べた。ずいぶん先になることだが旅行の宿を予約した。

2021年3月13日(土)

久々に雨が降っていた。何の予定もなければ明らかに家に籠っていただろうけれども通院した。その後新宿の紀伊國屋に行った。三階から四階に昇っていくエスカレーターのすぐ横の壁に、号数の大きな恐らくは青鬼の絵が飾ってあった。その抽象度は低いにもかかわらず恐らくという物言いになるのは、エスカレーターに乗りながらではないと見ることができない位置と仕方で飾られているからで、時間という意味でも全体を見渡すための最低

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