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日本の縫製工場が残っていくにはどうすべきか?





ようやく結論に至ります。

これ、とても難題です。なぜこんなお題を立ててしまったのか、数週間前の自分をとても恨んでいます。

(しかし、世間によくいるじゃないですか。否定や問題定義は徹底的にするけれど、じゃあどうすれば良くなるかまでは具体的に言わない人。そういう人の文章読んでると、未来がどっちに転んでも ほら俺が言ってた通りになったぜ! って持っていけるように文章構成してますもんね。せこーって思います)


私は自分の考えや意見に自信が有るわけでは無いし、嫁の取り扱いミスで未来予想図を外してきた実績が大いにあるので、どちらかと言うと今自分がやってること(やろうとしていること)や、希望的観測を記載します。

下記の通り、大きく分けて3つです。


・ファクトリーブランドの確立

・ブランドやメーカーとの今まで以上の共存共栄

・工場のブランド化



まず一つ目のファクトリーブランドの確立ですが、これはもはや私が言うまでもなく、一般的に各工場さんに向けて推奨されているコトですね。簡単に説明しますと、縫製や染色・織物等、各技術を持った工場さんが自分たちでブランドを立ち上げてEC等で販売することにより、中間マージン等を省くことが出来ますし、利益率が大幅にUPします。誰にも頼らず振り回されずに自分たちの力で生きていける一番の理想形態だと思います。

しかし、これには問題がいくつかございます。大きな問題としては、基本的に技術者である工場さんが、クリエイティビティの部分を触るのは相当難しいのと同時に、既にたくさんのブランドが在る中で、それらよりも抜きんでることがどれだけ大変なことか、、、部分的にアウトソーシングしながらやることも出来ますがとにかくかなり難しいし売れないと思います。

ブランド確立の可能性として、私的には2代目・3代目~の若い跡継ぎがいることが絶対に近い条件だと思っています。そしてその方々がアパレル業界を俯瞰し、自社の強み弱みを理解して、世間のニーズや隙間を付くには自社の強みをどう活かしてブランド構築していくか。そして自分でデザイナー・パタンナーを探し口説き、生産を管理しながら営業をしまくる。それを現社長さんと血みどろの喧嘩をしながら持続的に実行していくことだと思います。



次に、ブランドやメーカーとの今まで以上の共存共栄ですが、これは今までブランド(メーカー)と工場さんがそれぞれの都合で変化させてきた関係性を見直し、お互いでこれからの苦しい時代を乗り越えるためのパートナーとして、より強固な関係を構築していかなければということです。これもアパレル特有の口だけやキレイごとではなく、ガチのやつですね。

私たちを例に簡単に記載させていただきます。

先ず我らがkaeneというブランドと、関連会社のmode annaという縫製工場はほぼ一心同体で、この工場はkaeneからしか仕事を請けていません。なのでkaeneが有り続ける限りこの縫製工場も仕事が有り続ける、逆に言うとkaeneが窮地に立てば自動的に窮地に立つということにもなります。要はお互いが支え合って成り立っている、絶大な信頼を置けるパートナーであるということ、その相手がいるというコトが縫製工場の未来につながる一つのポイントだと考えます。

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現に私どもは、関連会社の縫製工場さん以外でも、パートナーとして共に歩むと決めた工場さんには更に意識を高く持っていただくために、その工場さんの下げ札を作成し縫製していただいた商品にそれを付けるようにしています。(現在mode anna含めて2社様)

しかしこれに関して、特に縫製工場さん側としては相手選びが最も重要で、そのブランド(メーカー)の将来性や継続性があるかどうかを見極めなければいけません。そして人間として会社として信用出来るのか、例え裏切られたとしても自分が選んだ相手だからと、自己の責任として捉える事が出来るのか!!!(何故ならあくまでも口約束なので、)こうやって書くとある種の賭けのようですが、実際そうですよね。



そして、最後!こうなれば超絶最高だよね!っていうのが、工場のブランド化です。これどういう意味か、例えばをめちゃ分かりやすく書いてみると、米国の有名歌手リアーナが「mode annaで縫われた洋服は縫製がどこよりも美しくて最高にcoolだわ!」ってインスタにUPしたとしたら、世界中の女性達が本質を理解せぬままmode annaで縫われた洋服はcoolだと思い込み購買に走り、金の事しか頭にない残念な思考回路の人達が、こぞってmode annaに仕事を依頼してきて、縫製の事なんて全く考えてないくせに美しい素晴らしいとへつらって荒稼ぎしようとしてくる・・・あれ?俺が言いたいのはこうじゃないな。でも超分かりやすく表現するとこうで、実際の例えは、名実ともにトップブランドから評価され、mode annaで縫うことに価値が付くということですね。#modeanna縫い #madebyanna とかが現れだしたり。

このためにも先ずkaeneをブランド化しようと頑張っているというのは、正直な話でございます。


以上、3つともそれぞれ実現するのはとても難しいと思うし、かなりの労力と地道な努力が必要ですが、少子高齢化と人口減少、経済の後退により洋服が益々売れなくなってきているなか、今まで通りのやり方では生き残るのが本当に大変になっていくと思います。

私は全ての縫製工場さんに貢献出来るほどの器は有りませんが、自分と関わりのある工場さんにはせめて貢献出来るように努めてまいります。


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