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世界は、曖昧で不確実なのだ

世界とは、人生とは、人間とは、曖昧で不確実で矛盾にみちたものだ。
若い頃は、そんな世界の曖昧さや矛盾が許せなくて、
いつも「何が正しいのか」ということばかり考えていた。


だけど、どこまでいっても、最後にたどり着くのは、矛盾した現実で、
矛盾していることこそが、世界の本質なのだとも思うようになった。


止まっているけど、動いてる。
濁ってるけど、輝いてる。
不幸だけど、幸せ。
笑っているけど、泣いている。


息子が、文字に興味をもちはじめた。
ひらがなや漢字を指さしては、「これは?」と聞いてくる。
一丁前に、文字を指でなぞって、読んでみたり。
全然あってないけど。


私は、それをとても複雑な気持ちで眺める。
彼の、この先の、文字や言葉に縛られて生きなければいけない人生を考える。


まだまだ、文字や言葉にとらわれない、曖昧で不確実な世界を楽しんでほしい。


文字や言葉になれば、なんだか「それ」が目に見える正解になった気がして、
私たちは油断してしまう。


息子は、違う。音は、消えてなくなる。
彼にとっては、一瞬一瞬が勝負で、その集中力といったら。


曖昧で、不確実な世界をつかまえようとする、その集中力といったら…!
私は、いつも、そんな姿に感銘をうける。


だから、まだまだ文字なんか知らなくていい。
そう思うのは、私のエゴだろうか。

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