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一億総ひとり旅の時代がはじまる

「息苦しい」という言葉を聞くたびに、どきりとする。

息子は、2歳の時に2度肺炎になった。朝起きたときには「なんか動きがゆっくりだな…」という程度で普通にしゃべったり食べたりしてたのが、ものの2時間足らずで「これ、死ぬんじゃないか」という感じになって、本当に恐怖だった。今でもその息子の様子は焼き付いていて、いつでもその恐怖に囚われる。息子の気管が少しでもぜえぜえすると、背中がひやっとする。

素人からみると「死ぬんじゃないか」という状態でも、お医者さんにみてもらったら酸素は取り入れられてるというので、入院はなく薬をもらって帰宅した。その後通常の呼吸に戻るまで、10日はかかった。息子は肺炎になりやすいのか、そういうのがもう1回あった。

そんなわけで、すべての人が思ってるだろうけど、絶対に息子にウィルスを触れさせたくないのだ。基礎疾患があるお子さんの親御さんは、どんな思いだろう。本人はどんな思いだろう。

自粛することで命を守れる人もいれば、自粛することで命や心が危険にさらされる人もいる。すべての人、すべての家庭で必要なことが異なる、まさに「正解がない」事態。

周りを見ても、どこにも正解は転がっていない。自分や家族の状況に合わせて、最適な「とりあえずの解」を見つけて留まり、時がくればまた探しにいく。そんな旅が、今はじまる。

夜明け前が、一番暗い。

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