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「彼女が帰るまで」
石の花を纏い
ライダーブーツの足を組んで
ぼくをじっと見つめる
アップルサイダーに口をつけ
しかめっ面
君は老猫にウィンクして
ドアを開けた
「行ってきます」
ぼくは手を挙げて頷いた
テーブルのアイスバーグに光が差す
清々しい白バラの香りがほのかに漂う
居間の壁や飾り棚の写真が
揺らめくように感じる
海辺のピクニック
動物園のティーカップ
公園のブランコ
3歳の天使が笑っている
君の250CCのバイクときたら
エンジンがかかるまで時間がかかる
心臓に悪い
今日は君の帰りまでに
何冊読めるだろうか