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美しさが死ぬ前に

ねぇ、神様?
どうして人なんて作ったの?

朱里、急にどうしたんだ。
君らしくもないことを言って…

だって神様…
あの子達は、どの群れもしょうもないことで毎日争いを起こして、せっかくの美しい地球をけがすんだもの。
それだけでも腹立たしいのに自分すらも自らどんどんよごしていくのよ?
わたし、耐えられない。

まぁ、そう言うなよ。
人の子らにも考えがあるんだろう。
いつか、そういったこともなくなるさ。

はぁ…
いつも甘いことばっかり言って!
そんなだからあの子達は何回も、何回も同じ誤ちを繰り返すのよ?
口出しをしないで見守ることは大事だけど、同じところでつまずく子供には少し手助けしてやろうってなるのが親心ってものじゃないの⁉

そうも言ってられないんだよ。
あの子達は、既にもうかなり成長しているんだ。
だからそろそろ自分達のちからで、次のステップに進むべきなんだよ。
君も知っているだろう?
昔は事あるごとに手伝っていたが、それでも彼らは何度も滅びた。

だからって…

だから…なんだい?
あの子達を見ていて気が付かないのかい?
何度もつまずきはするが、彼らは滅びず着実に歩みは進めている。
そして、今やわたしが手伝っていた頃よりに遥かに発達した情報伝達技術を確立しているではないか。
このまま、彼らの成長を見守り続ければいずれ私達を超えるのも夢ではないだろう。

だからってなんの介入もせず放置すれば、あの愛しい地球が、美しい地球が先に崩壊してしまいます…!

おいおい、怒るなよ。
地球なんて何度も作り直せばいいじゃないか。
君だってつい最近まで、その気だったんじゃないのかい?

確かに地球は何度でも作り直せます。
しかし、しかし、あの美しい地球と全く同じ地球は二度とできないです。

そうだな。
確かに今の地球はとても美しくここで滅ぶのは惜しい。

なら!

朱里、私たち神々の役割は地球の存続が目的ではく人類の発展だ。
それは地球が滅びよう変わりはない。
だが、確かにこのままじゃあの子達が育ちきる前に地球が持たなくなるし…
そうなる前に手を打つべきというのはあるかもしれないな。

絶対そうするべきです。
じゃなきゃ、地球が死んでしまう!

そう、だな。
すこしだけ、手を貸すか…

はい!

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