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抱っこ紐耐用限界まであとすこし

抱っこ紐は工業製品。ゆえにそこには食品における賞味期限と同じく、安全に利用できる対象重量がある。
説明書いわく、我が家の抱っこ紐ーヒップシートには15kgまで。
そして、娘みーちゃん(3歳)はこの度、卒業まで1kgを切った。
ブラボー!パチパチ!  

抱っこを断ることになーんか罪悪感を感じてしまう私。(いや抱っこしなきゃなんて思ってないんですが)

ああ、もうあと1kgもしたら、
みーちゃんから抱っこをせがまれて「うっ…」てなっても、
「…一人で歩いてみない?」なんて、
下から様子を伺うことをしなくてすむのだ。

だって耐用限界きちゃったんだもん。
私のせいじゃないもん!

でも親心というのは複雑なもの。身体計測の結果を知らせる紙を「どれどれ…」と開き、その数字を見たときには、喜びよりも驚きに固まった。

え?
あ、
そうか、もうなんだ、
ふーん…
なんかちょっと寂しいな。しんみり。
あ、でもなんかちょっと嬉しい気がしてきたぞ?
あー、めっちゃうれしいー!

こんな感じで、喜びを感じるまでタイムラグが発生。すぐに事態を理解できないくらい、みーちゃんを抱っこするのは当たり前の日常業務だったんだなぁと思う。

1kg。
あと1kgかぁ。
1年あれば余裕で到達する。いや、もっと早いかもしれない。

みーちゃんにも伝えてみる。

「みーちゃん、あと1kgで、
 おかあさんはみーちゃんを抱っこして
 移動できなくなりそうなんだ。
 だからできれば、歩くか、せめてベビーカーで
 行かない?」

そしたらベビーカーにするっと乗ってくれるじゃないか。
あっけない。あれだけ抱っこ魔神だったのに。

いや抱っこ魔神だったからこそなのかな?

まぁでもまだ3歳か4歳は、気持ちの切り替えもうまくなくて、まだまだ不機嫌になったら抱っこを欲しがるんだろうな。
そこは工業的な耐用限界と違う、生身の人間の機微がある。
このまま私が製品と人間の機微の谷間を埋めていくと、私はますますアスリート体質※に磨きがかかりそうだ。

※会社においてあった体組成計で、「アスリート体質1」と診断されました。