ピアノ勉強中~メイプルリーフラグ
ピアノ関連の話をひさしぶりに書いてみる。
今年の発表会にむけてスコット ジョブリンの「メイプルリーフラグ」を練習中だ。
この曲を選んだ理由
理由は3つある。
ひとつに、そもそも昔からやってみたいと思っていた曲だった。
ノリノリで音が踊って楽しいのが好きだった。
ふたつめに、譜読みの難易度が低いから。
おおむねひとつの調性におさまる和音をしているし、左手は繰り返しパターンが多い。育児で練習時間が限られている私にはぴったりだった。
みっつめに、いつもの正当クラシックとはちょっと違う曲にも触れて勉強したかった。違う曲をやると新しい音楽観を見つけられて楽しい。直近ではショパンを勉強していたので思いっきり別の時代を選んでみた。
去年は体調を崩してしまいあまりピアノを練習できておらず、やっと暗譜7割テンポ6割といったレベルだ。
練習してみて思ったこと
最初、ぜんぜんメイプルリーフラグっぽくない弾き方しかできなかった。
メイプルリーフラグは、レガート、フレーズを重視しない。
楽譜に指示記号は最低限。
変わらないテンポのなかで弾むように踊るように弾く。
いつものクラシックのお約束と違いすぎて、直前でショパンを練習していた身にはカルチャーショックだった。
いや、耳で聞けば方向性の違う曲だというのは分かるけど。分かるけどさ。
私のなかに「ピアノはこう弾くもの!」って思い込みがあったんだなぁと思った。まあ、長年やっていれば「こういうときはああするもの」って経験則はたまるものなんだけど。
経験則を破った先にセンスと茶目っ気となつかしいメロディがあった。
こういう相対化の経験を持っていると、今度またショパンなどを弾いたときに一歩引いて冷静な弾き方もできるんではと期待している。
とりあえず、メロディーにあおられて走りがちな部分は、メイプルリーフラグでだいぶ修正される気がしている。
私にとってピアノを弾くというのは、「その曲を食べること」な気がする。
レコーディングを聴くよりももっと近くで。
和音をかみくだし、リズムを舌に転がし、ごっくんと味わう。
なんどもなんども繰り返して、論理を越えた感覚の地平で、その曲の輪郭をなぞってみる。
ああなんて楽しい。欲が満たされる。
知りたい。もっと、知らないことをみつけたい。
そんな訳で私はお金をバッグを買うよりも、ピアノに費やしてしまうのだった。